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第一話:始まりのため息
どうしてこんなことになっているのだろう・・・
そう思いながら、おれは深いため息をついた。
「どうしたの〜、ため息なんてついちゃってさ〜。」
隣にいたおれの幼なじみが話しかけてきた。
「いや、自分の不幸さにうんざりしてな〜。」
ははっとおれは苦笑した。
「あ〜はっはっ、日頃の行いが悪いんじゃない?」
幼なじみは大笑いをしている。
そんな姿におれはきれた。幼なじみの頬を引っ張り、
「いい加減にしろ、元をたどれば誰か悪いと思ってるんだ!」
「ごめんなひゃ〜い、わたひれす〜。」
そう言うので、おれは頬を放した。
そして、改めて周りを見回した。
周りは木に囲まれ、いわゆる森の中だった。
どうしてこんなことになったんだろう・・・
おれは事の発端を思い出して見た。