9、成長、そして学園へ!(ギルド編4)
Merry X'mas♪
Sランクに認定された日以来変な噂が流れているみたいだ。
顔や体には無数の傷があるとか。人を殺すことに躊躇いがないとか。
更には、ドラゴンの群れを1人で倒したとか。
フード被ってるから顔が見えないっていうのもあるけどさ、ドラゴン群れを1人で倒すのは無理......じゃないかもしれない。
いや、数にもよるか。
そんなわけでギルドに行くのがすごく億劫なんだけどこの街にいるSランクに招集がかかってるんだよね...。
緊急会議だかなんだかがあるそうで。
ギルドに着くと会議室に連れていかれた。
部屋の中にはギルドマスターを含めた4人がいた。ビアンカさんは来てないみたいだ。
「こ、これで全員揃いましたかね...。」
「ギルマスよぉ、お前さんの姉貴が来てねぇようだが?」
短髪で髭を生やした大男がギルドマスターに話しかけた。
「ヒッ...は、はい。姉さんは二日酔いで家でダウンしてます。」
「シャキッとしなよ。ギルマスとしての威厳が感じられないよー?」
こっちは身長がひくいショートカットの女の子だ。ダボッとした白衣を着ている。
「まぁまぁ、そんなに責めないであげてください。」
助け舟を出したのは金髪ロングヘアのシスターだ。なんと言うか、すごく胸が大きい...。
「そ、それじゃぁ、新しいSランクもいらっしゃるので自己紹介からお願いします。」
「チッ、めんどくせぇ。俺はアーガス・レイラインだ。」
「ボクはリコ・ペンネムだよ!気軽にリコって呼んでねー。」
「私はマリア・キールです。みなさんからシスターマリアと呼ばれています。」
「僕はイマリ・グリンフィールドです。」
ひととおり自己紹介を済ませた時だった。
「おい、顔くらい見せたらどうだ?」
「えー?そのくらい別にいいとおもうけどなぁー。でもでも、ボクも気になるっちゃ気になるかなー♪」
あー、確かに顔隠してるのは失礼か...。
「いいですよ、この顔だと色々と不都合だから隠してるだけなので。」
そう言ってフードを脱いだ。
「え!?女の子だったの!?ボクてっきり男の子かと思ってたよー!」
「チッ...また女かよ...。」
「まぁまぁ、可愛らしいですねぇ。」
予想してた反応だった。やっぱり女の子に間違えられたよ...。この顔なんとかならないかな...。
「いえ、僕はれっきとした男ですよ。」
「え?そーなの?」
「なんだ、紛らわしい。男ならナヨっとしてんじゃねー!」
「それにしても可愛らしいです。」
マリアさんだけ反応が変わらないな...。
「そ、そろそろ会議に戻っても宜しいですかね?」
ギルマスが確認を取ると全員肯定の意を示した。
「それでは始めます。ここ最近魔物の出没が多くなってるのをご存知だと思いますが...。」
え?そうなの?初めて知ったよ。
「この原因がわかりました。北の山岳地帯から流れ込んでいるみたいです。イマリ君が倒したワイバーンもここら辺では出没しないはずなのですよ。」
だからレイマールさんはあんなに驚いてたのか。
「皆さんにはこの山岳地帯の調査及び原因の解明をお願いしたいのです。」
そんなことがありまして山岳地帯にむかうことになった。