8、成長、そして学園へ!(ギルド編3)
「おーい!応援を呼んできたぞ!」
レイマールさんが戻ってきてくれたようだ。
「レイマールさん。もう終わりましたよ。」
「な、なんだって!?」
レイマールさんはドラゴンの亡骸を見て驚きを隠せないでいる。
「君が一人ででワイバーンを屠ったのかい?」
レイマールさんが連れてきた冒険者の女性がそう聞いてきた。
「そうですが、なにか?」
「いや、ワイバーンは複数人で倒すとAランクの部類に入るのだが、単独撃破はSランクに匹敵する。しかもこの傷を見る限り一撃だろう?Fランクにしておくのは勿体ない実力だ。」
「貴方は一体...。」
「あぁ、申し遅れた。私はSランク冒険者ビアンカ・フローレンスだ。よろしく、イマリ君。」
「あ、はい。ってSランク!?」
「そうだよ。まぁ、とりあえずギルドに向かおうか。」
ビアンカさんがイブリルの冒険者ギルドまで案内してくれた。
ビアンカさんの話によると現在のSランク冒険者はたったの7人だけだと言う。
冒険者ギルドに入ると個室に案内された。
「まずは報酬金だ。受け取ってくれ。」
そう言って袋を差し出してきた。
中には金貨が5枚はいっていたのだ。
「え!?こんなに沢山!いいんですか!?」
「うけとってください。イマリ君に助けてもらえなかったら今頃ワイバーンの腹の中ですよ。」
「それは洒落になりませんね。わかりました。ありがたく受け取っておきます。」
「さて、私からも話をしよう。」
僕が袋をしまうとビアンカさんが話をし始めた。
「イマリくん、君をSランク冒険者に推薦しようと思う。」
「...え!?なんでですか!?」
「そりゃ決まっているだろ?君はワイバーンを単独撃破した。つまり、Sランク冒険者にしか出来ないことをやってのけたんだからね。」
「は、はぁ。」
「君は剣を使って倒したようだけど魔法の方はどうなんだい?」
「一応、上級魔法までは使えます。」
「え!?君はその歳で上級魔法を使えるのか!?」
「まぁ、そうですが。」
「君は一体何者なんだ...。」
「何なるFランク冒険者ですよ。」
イブリルの冒険者ギルドを出て王都へ戻ることになった。
何故かビアンカさんと一緒に。
冒険者ギルドの本部は王都らしい。ビアンカさんが言ってた。
王都に着き、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドの扉を開けた瞬間...あの騒がしかったギルドに静寂が訪れた。
!?
え、なに?何が起こったの!?
「ギルドマスターは居るかい?」
ビアンカさんがそう訪ねると。
「ギルドマスターは奥の部屋にいらっしゃいますよ。」
「ありがとな、レベッカ。」
「いえいえ。」
ビアンカさんがドアを開けると一人の男性が縮こまっていた。
「おい!ギルマスになったのならもう少しシャキッとしたらどうだ?」
え、この縮こまってる人ギルドマスターなの!?
「そんな事言ったって...。やっぱり俺にはギルマスなんて向いてないんだよ...。」
「まったく、そんな弱気でどうすんだよ。」
なんか、姉弟みたいだな。
「イマリ君、紹介するよ。私の弟のレオだ。」
本当に姉弟だったよ!え、似てなくない?
「こいつも元Sランクなんだけど、どうも小心者でさ。」
「うるさいなぁ...。それで?用事は何?」
「ん?あぁ、そうだった。」
「忘れないでよね。こっちだって仕事あるんだから。」
「んじゃ、イマリをSランクに任命するから。申請よろしく。」
「え?は?どういうこと?」
「こいつはワイバーンを単独撃破した男だ、しかも一撃でだ。」
「それ本当!?」
「なんだ?やけに嬉しそうだな。」
「だって、強いモンスターが出ても僕がてなくて済むじゃないか。」
「そん時は強制的に連れてくから。」
「そ、そんなぁ...。」
こうしてイマリはSランクに認定されたのだった。
イマリが覚醒するのはいつになるのか...。