19、学園編(工房にて)
工房の中は薄暗く、小さな窓から指す光は壁にかけられた槌に反射して鈍色の光を放っていた。
その槌の隣の棚にはブロートソードや短剣が置かれていた。
「あの剣は失敗作です。」
「普通に作れていると思うんだけど、どこが失敗作なんだ?店で売っても大丈夫なくらいなのに。」
「普通じゃだめなんです。私が作りたいのは精霊武器なんですから。」
精霊武器か、ヘルにアドバイスでもしてもらった方がいい気がするんだけど。
《私がアドバイスですか。》
「うわぁっ!」
「どうしたんですか?大きな声を出して。」
「な、なんでもないから。」
いきなり出てこないでよ!ビックリするじゃないか!
《すみませんマスター。》
聞いてたなら話は早い。この子にアドバイスしてくれないか?
《仕方の無いマスターですね》
「あの、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。じゃあ、僕の刀を見せようかな。」
「はい!お願いします!」
「ヘル、出てきていいよ。」
「はい、マスター。」
刀が発光して光の粒子になり、ヘルが顕現した。
全裸で。
「なんで服を着てないんだ!」
「マスターがいけないんです。」
「僕のせいなのか!?」
「他の女に鼻の下を伸ばさないでください。」
「そんなことないから!」
「イ、イマリさんが変態...。」
「ケリーも誤解しないでくれ!ッてゆーか一旦落ち着いてその槌を降ろしてくれ!」
ギャァァァァァァァァァーッ!!!!!
ケリーにボコボコにされました。なんでヘルは助けてくれないんだ...。
「マスター、少し反省してください。」
理不尽だ...ガクッ
イマリは意識を失った。