17、学園編(魔法剣術)
あの一件依頼色々な噂が流れているようだ。
どこかの大貴族の子だとか賢者の弟子だとか...。更には男の子が生まれなかった貴族が娘を男として育てた、なんて噂もある。
僕はちゃんとした男なのに...。
さて、今日の午前中は一般教養だったから午後は魔法剣術の授業か。
今度は目立たないようにしよう...。
そう思いながら第2アリーナへ向かった。
ちなみに、アリーナは5つあり、一番大きいものをアリーナと呼び、その他は第2~第5アリーナと呼ぶ。
第2アリーナへ着くと20人ほど集まっていた。先生も来ているようだ。
「よし、全員来ましたね。私が魔法剣術を担当しているマルク・ガフです。よろしく。」
このガフ先生って人は余計な筋肉を付けてなく、スラッとした見た目をしている。黒髪で眼鏡をかけている。20代半ばくらいかな?
「魔法剣術とは、剣に属性魔法を付与させる剣術のことです。魔法武器というものもあるが、あれは魔力の消費が少ないが属性が固定されていて汎用性が低い。だか、様々な属性を武器に付与することでどんな相手にでも対応できる。これが魔法剣術です。」
なるほどな、確かに便利だ。
「それではこれから実践して見せますので、よく見ておくように。」
そう言ってガフ先生はレイピアを抜いた。
おぉ、かなりの業物だ。
「はあぁぁぁぁぁっ!」
あっという間に緑色のオーラのようなものがレイピア全体を覆った。
「このように淀みなく武器に行き渡らせることで属性を付与します。それではやってみましょうか。自分の武器がない生徒は前に置いてあるので取りに来てください。」
よし、何となくだけどやり方はわかった。
イマリは腰の刀を抜いた。
「いい刀ですね。ん?こ、これは!?」
「どうしたんですか?」
「この刀は精霊武器ですね?」
「そうですよ。よくわかりましたね。」
「見ればわかります。いや、こんな所で御目に掛かれるとは思いもしませんでした。」
「そうなんですか?」
「えぇ、ぜひ良ければ精霊の方も見せてくれませんか?」
「まぁ、いいですよ。」
イマリがそう言うと刀は光の粒子になり人形を形成し始める。
「お呼びですか?マスター。」
「おぉ!人形とは!高位の精霊ですね。」
「え、武器精霊に位階なんてあるんですか?」
「ありますよ。低位の精霊は小動物、中位の精霊は中型から大型動物、高位の精霊は人や伝説上の生き物の形をとるそうです。」
「なるほど。で、続けてもいいですか?」
「あぁ、すみません。続けてください。」
「わかりました。いくぞ、ヘル。」
「了解です。マスター。」
ヘルは光の粒子になりイマリの手に収まった。
やり方は...自然体になって魔力を練る。刀を身体の延長と考えて魔力を流す。
「すごいですね。まさか1回で出来るようになるとは思いませんでした。」
やっぱスゲェな。なんつーか…次元が違うってゆーか。
イマリ君かっこいい!女の子みたいだけど真剣な表情はキリッとしてていいね♪
あー、また噂が...。
頭を抱えたくなるイマリだった。