16、学園編(授業)
朝、目が覚めると布団の中に違和感を感じた。
またヘルが布団の中に潜り込んでるのか?
「ヘル、布団に入り込むなって言ったろ?」
そう言って布団を捲ると、そこにはヘルだけではなく玉姫も居た。
「玉姫も居たのか...。とりあえず、服を着ろよ。」
「マスターは女の人に興味が無いのですか?」
「何でそうなるんだ!?」
「妾達がどんなに誘惑しても一向に手を出してくれないのじゃ...。心配もするじゃろ?」
「あのなぁ...。僕だって興味が無いわけじゃないんだよ。どっちかって言うと...。って、何言わせようとしてるの!?早く服着て!」
「わかりました。」
「仕方がないのぅ...。」
そう言ってベットからお利用とした時だった。
「おっす、イマリ。起きたの...か...。」
運悪く、ジョギングにでも行っていたであろう格好のフーガが帰ってきた。
「イマリの裏切り者!なんだお前ばっかり可愛い娘とイチャイチャしやがって!」
「まってくれ!誤解だ!」
「最近、マスターが私を使ってくれないので不満です...。」
「そうなのじゃ、妾のことも呼んでくれんしのぅ...。」
「イマリ...お前...。」
「あーもう!お前らちょっと黙っててくれ!それと、フーガは少し落ち着け!」
朝食を食べに向かいながらイマリはフーガに理由を話した。
「んじゃあれか?この黒髪のべっぴんさんが武器精霊で、こっちの茶髪のべっぴんさんが使い魔の玉姫ちゃん。」
「そうですよ。」
「それで間違いないのじゃ。」
「どんな関係なのかはわかった。わかったが...なんで一緒に寝てたんだ?」
「その方が魔力の補給がスムーズに行えるからです。」
「主様と寝てると温かいのじゃ!」
「玉姫さんの方は理由が無いんかい!」
そんな話をしながら朝食を食べ終え、授業の準備をする。
1年の授業は一般教養と選択科目があり、魔法薬学、防衛魔法学、攻撃魔法学、魔法剣術、剣術がある。
2年になると新しい科目が増えるんだけどね。
僕は攻撃魔法学と魔法剣術を選択している。
「イマリも攻撃魔法学を取ってるんだな。俺と一緒だ!」
「そうなのか?じゃあ午前中は一緒だな。」
そう言ってアリーナに向かった。
アリーナに入ったのはいいんだけど...
「なんでヘルは顕現したままなのかな?」
「ダメですか...?」
「ウグッ...。わかった...。」
「マスターは優しいです。」
話していると先生らしき人がアリーナに入ってきた。
「私はクリス・マタルディ。攻撃魔法学の担当です。よろしく。」
マタルディ先生は黒髪をボブカットにしている女性だ。
「それでは出席を取ります。」
全員の出席を取り終え、授業に入った。
「攻撃魔法というのは文字通り相手に攻撃を与える魔法の総称です。より早く相手に攻撃を与えることで相手に攻撃の隙を与えない。まさに攻撃は最大の防御ということなのです。」
なんか、熱く語りだしたよ...。長くなりそうだなぁ...。
15分後...。
「であるからして...。あら?少し話しすぎましたかね。それでは話はここまでにして実践に移りますか。」
やっと終わった...。よし、ここからは頑張ろう!
「それじゃあ、入試で一番成績がよかったイマリさんにやってもらおうかな。」
「あ、はい。わかりました。」
「それじゃあ、なんでもいいから私に魔法を放ってください。」
「え!?いいんですか?」
「はい、なんでもいいですよ。」
えー...どうしよう。とりあえず威力を抑えないとなぁ。よし、これにするか。
「蒼炎魔法弐ノ型【鳳仙花】」
イマリの周りに青い火の玉が10個ほど現れる。それがマタルディ先生に向かって放たれた。
「え!?キャァァァァァッ!」
先生は魔法を防ぎきれず直撃してしまった。
「せ、先生!大丈夫ですか!?」
こうして最初の授業は先生を失神させてしまい、途中で終わってしまったのだった。