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角が有る者達 番外編または短編集  作者: C・トベルト
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【短編小説】悪女と補完計画 さいご!

『惚れ薬は誰の手に?』


あらすじ

1、皆で夏休み、海にいこう!

2、シティとダンクは海の家に!

でもそこには何故かノリとペンシが従業員として働いていた!

ヤバいね!

でもダンクのイケメンスマイルでごまかせた!

殴りたいね!

3、海の家で楽しんでいると果心林檎が変な男と一緒にやってきた!

しかも何か怪しい話をしているぞ!

盗み聞きだね!

4、果心が話していたのは恐ろしい計画の一部だった!

だけど、変な男曰く『そんなのやめて化粧品会社はじめましたー!』

残念だったね!プークスクス!

5、果心は海の家を去る直前に、『惚れ薬…?

それはあの無人島に置いてきた、欲しけりゃくれてやる、探せ!』

の一言でシティ、ノリ、ペンシの三人がそれぞれの方法で海へ出る!

世はまさに、第海賊時代!!

そんなこんなではっじまっるよー!




夕陽が輝く砂浜でジョセフィーヌとアイは楽しそうに走っていた。


ジョセフィーヌ『うふふー、アイさまー、私を捕まえてごらんなさーい(はぁと)』

アイ「あははー、まちたまえー、ジョセフィーヌー(はぁと)」

ジョセフィーヌ『うふふふー、嫌ですわー(はぁと)

だって、もっとあなたと走りたいものー(はぁと)』

アイ「あははははー、よーしアイちゃん本気出しちゃうぞー(はぁと)捕まえちゃうゾ(はぁと)捕まえちゃうゾ(はぁと)」

ジョセフィーヌ『うふふふふふふー、私はここよー、捕まえてごらんなさーい(はぁと)』

アイ「あはははははははー、まてまてー、あはははははははははーまてま………………ちょっと待てぇぃ!!」






アイ「ぜなあああああ!!!」


ガバッと起き上がったアイは急いで辺りを見渡す。

海岸ではあるが、まだ太陽は傾いてないしジョセフィーヌという女性はどこにもいない。


アイ「夢…夢か…夢で良かった。

あんな気持ち悪い夢、二度と見たくない…って、誰だよジョセフィーヌって?」


アイは銀色の手で自分の顔を触る。

血の通ってない金属の腕は冷たく、パニックに陥った彼の頭を冷やしてくれた。


アイ「あー、なんで俺は寝てたんだ?…確か、海賊キャプテン・チャーシューの宝を獲るために氷でボートを作って…ダメだ、その後の事が思い出せない…」


と言った所でアイはハッと気付いて海の方を向く。

そこには、自分が苦労して作った筈の氷のボートが無くなっていた。


アイ「あああああああ!!

俺のボートがない!!」


アイは驚いて飛び上がり、急いで海岸を捜索し始める…が、何処にもボートは見つからない。


アイ「ボート、ボート…一体何処に行ったんだ~!」


アイはしばらく砂浜を探し回ったが、ボートは見つからなかった。


アイ「あーあ、ボートはないし、変な夢は見るし、最悪だ…。

義腕じゃ海に入れないしな、仕方ない、皆が戻るまで海の家に行くか」


そしてアイは重い足取りで海の家に向かっていった。

しかし丁度その時である。

仕事を終えたケシゴが海の家の目の前に現れたのは!


ケシゴ「やれやれ、やっと海の家に着いたな。

馬で車道を通っては行けないだと?

ちゃんと法律でも「馬オッケー!」と書いてあるというのに、全く…ん?」

アイ「あーやれやれ、酷い目にあった。

海の家で昼寝させてもら…お?」


後に二人はこう語る。

この一瞬、何故かある歌が頭の中で流れてきたそうだ。

その歌詞は、これである。


『見つめあーうとー、』


アイはくるりとケシゴに背を向ける。

ケシゴはアイに向けて手を伸ばす。


『すなーおにー、おしゃーべりーできーなーーいーー』


アイは「ふざけんな」と言いながら全力で走り出す。

ケシゴは「貴様、アイだな!?」と言いながら走り出した。


『ツナミのよーーな、わびーしさにーー、』


アイは海に向けて走り出し、アイスボムを発射するとボムは海に当たり、一面を凍らせた。

ケシゴもまた鴉を集め、その背中に乗り込んだ。


『I know, 怯えてる、Hooーーー』


アイ「フーじゃねえよギャーだよチクショー!

つーかーまーるーかー!」

ケシゴ「でかい獲物だ、捕まえて動物の餌にしてやる!」

アイ「いーーやーーだーー!!」


アイは全速力で海を凍らせながら走っていく。

そのすぐ後ろを鴉に乗ったケシゴが飛んでいった。











一方、惚れ薬を探しにいったノリは…。


ノリ「あったッス!

遂に惚れ薬を見つける事に成功したッス!」


あっさりと惚れ薬をGETしていた。

ノリが手に入れた惚れ薬はピンク色の液体が、装飾されたガラス瓶の中に詰め込まれている。

そのすぐ近くには、瓶をしまってあった宝箱が置いてあった。


ノリ「海賊の地図って書いてあったから罠とか怪物とか出てきたらどうしようかと思ったッスけど、

何にも出ないし何にも起きなかったッス。

それに…」


ノリはガラス瓶と一緒に置いてあった紙に目を向ける。


そこにはこう書かれていた。



『実は惚れ薬なんてなかったのさ。

ただ、俺が惚れちまった貴方に俺が愛したこの景色を見せたかったんだ。

そして、今度は貴方がここに大切な物を置いて欲しい。

この島は貴方の大切な物を決して汚さない』



ノリ「…この宝を置いた海賊は、誰にこの『惚れ薬』を送りたかったッス?

…推理すれば分かるかも知れないッスけど…」


ノリはこう見えて『捜査の天才』である。

僅かな物証や文章から、これが『いつどこでだれがどうしてどうやって』を推理できるのだ。

この小説がもし推理小説ならば、ノリは間違いなく『相棒』ばりの推理を行えただろう。

しかし…今回は推理するのを止めた。


ノリ「…止めておくッス。

だって、こんなに綺麗な景色を見れたッスから」


ノリは海の方を見る。

外界から隔離された綺麗な砂浜、美しい海に静かに揺れる水面。

それは、どれほど金を積んでも見る事の出来ない素晴らしい海であった。


ノリ「あーあ、これなら無理矢理にでもハサギさんを連れていけば良かったッス。

…そうすれば、きっと……言うことも出来た筈なんだけどなぁ」


ノリはちょっと拗ねながら、惚れ薬を宝箱に戻し、ボートに向かって1人砂浜を駆けていった。


ノリ「『惚れ薬』はなかったけど、素晴らしい経験は出来たッス。

さよなら、美しき夏の恋の島…

ん?なんスか?」


ノリはじっと海の向こう側を見る。何かがこちらに向かって飛んで来るのが見えたからだ。


ノリ「あれは…?」


小さな点が2つ、こちらに向かってくる。

ノリはじぃぃっと見つめて…ギョッとした。

何故なら、その点の正体を知ったからだ。

更に言うなら、その正体の恐ろしさをよく知っているからだ。



シティ「全く、つい戦いに夢中になってしまったわ…本命は惚れ薬なのにね」

ペンシ「同意したくはないが、その通りだ。私達が幾ら戦った所で、惚れ薬が勝者の物になるとは限らない」

シティ「それならば、ここは先に惚れ薬を手に入れた方が勝者ということで…」

ペンシ「うむ。

惚れ薬を手に入れたらまた戦い合えばいいのだ。

というわけで」

ペンシ&シティ「我等、とりあえず惚れ薬同盟を組むとしよう」



ノリ「シティと…ペンシさん!?

あ、あの二人がなんで一緒にこちらに向かって来て…?」


そこで、ノリの驚異的推理力が働いた!


ノリ「……。

そうか、あの二人も惚れ薬を…しかも、あの様子だと手に入れるまでの間、共同前線を開いたッスね。

(まずいッス……!)」


ノリはあの二人の力を良く知っている。

電柱を操り、あらゆる建物を破壊するシティに、

武術を操り、あらゆる強敵を打ち破るペンシ。

この二人が戦えば、地形が変わる。


ノリ(そうなったら…あの箱の持ち主の気持ちが壊れてしまう!

それだけは…それだけはさせない!)


ノリは拳をぎゅっと握りしめ小さくうなずくと、

真っ直ぐボートに向かって飛んでいった。


シティ「あら?あそこに誰かいるわ?」

ペンシ「あれは…ノリではないか、あいつも惚れ薬が狙いか?

…ならば、誘ってみるか」


シティとペンシはノリに気付き、そちらに向かおうとする。

しかし、ノリは氷で出来たモーターボートに乗り込み、海へ出ようとしていた。


ノリ「あ…シティ!ペンシさん!」


ノリは二人に手を振りながら、もう片方の手でモーターのエンジンを操作し、ボートを動かした。


ドルウウウウン!!


ノリ「残念だったね!惚れ薬はボクが手に入れたぞ!!

もうあの島には何もない!」

ペンシ「何だと!?」

シティ「あ、貴方…人の宝を盗んだというの!?

許せん、盗賊め!」

ノリ「あれ、シティも盗賊じゃなかったッスか?」

シティ「私は義賊だから盗んでいいのよ!

って、そこじゃない!

返しなさい!それ私が使うのよ !」


シティはそう言いながら、乗っている鉄板をボートにぶつけようとしてくる。


ノリ「うわ!危ない!」(でも計画通りッス!

このまま二人を島から引き離さないと…)


ノリはボートを上手く操縦しシティの一撃をかわした。


ノリ「なにするッスか!?

危ないじゃないッスか!」

シティ「ち、惜しい」

ノリ「ヤバい、この人殺す気だ!逃げなきゃ!」


ノリはボートを海に向けて発進させる!その後ろからシティの怒声が聞こえてきた。


シティ「待ちなさい!

ペンシ!追うわよ!」

ペンシ「当然だ!

あれがなければ、私の目的は叶わないのだからな!」


シティは鉄板に乗って空を飛び、ペンシは海の上を走ってノリに向かって来る。


ノリ「嘘!?

ペンシさん、海の上を走れるってどれほど脚力があるッスか!?」

ペンシ「脚力の加減など忘れた!!

片師流(ぺんしるー)奥義、円櫃怪呪鯉(えんぴつけずり)!!」


ペンシは突然、海の上で高速回転を始める。

しかし走る事で海の上に存在できたのにそれを止めてしまったのだから、ペンシの体は当然海に沈んでしまう。


ドプン…


ノリ「?

何で沈んだッスか…?」

シティ「あいつ、一体何を…?」


シティもしばらくペンシが沈んだ海面を見るが、何も浮かんで来ない。

しかし、ノリのボートのすぐ近くの海が突然、渦を巻き始める。


ノリ「うわ!?

まずい、急いで脱出しないと…」

ペンシ「そこだぁ!」


怒声と共に渦の中心からペンシが飛び出す。

狙いはノリのボートだ。


ノリ「うわ…」ペンシ「貰った!」


バリン!!


氷のボートの先端に当たり、その部分を削りとった。

ボートの先端が当たった事でバランスが崩れてしまい思うように進めなくなる。


ノリ「あ、あわわわわわ

ぼ、ボクの仲間が人間やめてる…でなきゃあんな変な技できない!」

ペンシ「ち、かすっただけか…

だが次は外さない!」


海から飛び出たペンシは空中で回転し、ビタリと空中で停止する。


ノリ「え?

空中で…停止?」

ペンシ「武術を極めた者は空を飛べる!知らなかったのか!?」

ノリ「ええええ!?

じゃあなんでさっきは海の上を走っていたンスか!?」

ペンシ「ただのノリだ!」

ノリ「え、ボク?」

ペンシ「違う!

だがこれからは真面目に奪わせて貰うぞ!」


ペンシはノリに向かい、真っ直ぐ空を飛んでいく。


ノリ「ひ、ひえええ!?」

ペンシ「………ん?」


しかしペンシは急停止し、向こうを見る。

海の向こうで何かが見えたからだ。


ペンシ「なんだ?」

シティ「何かが近付いてくる…?」

ノリ「え、もしかして誰かが助けに…」


アイ「たーーすーーけーーてーー!!」

ケシゴ「待て獲物!!

鴉よ、もっと早く飛べ!」


アイがアイスボムで海に氷の床を作りながら、ケシゴから逃げていた。


ノリ「求めてたー!?

あっちの方が助けを求めていたーー!?

ええ、一体どうしてこうなったッスかーー!?」

ペンシ「ケシゴ!?

それにあれはアイ!

……これは捕まえるチャンスだ!」

シティ「え、ちょちょっと待ってよ!惚れ薬はどうするの!?」

ペンシ「今はアイを捕まえるのが先だ!手伝え!」

シティ「え、あ、うん!」

アイ「シティ!?

なんでここにいるんだ!?

なんでそいつらと一緒にいるんだ!?

なんでニコニコ笑いながら電柱こっちにむけて飛ばしてくるんだあああああ!?」

シティ「えっとねー………ノリで?」

アイ「ばっきゃろおおおおおおおお!!!」


ノリ「……………………」


あっという間だった。

あっという間にアイ、シティ、ペンシ、ケシゴは海の向こう側にいってしまった。

あっという間に、広い海の上にノリが一人、残ってしまった。


ノリ「…な、なんか良く分からないスが、助かったみたい…ッスね。

今のうちに、海の家に戻るッス」


ノリは急いでエンジンのスイッチを入れ、静かに戻っていった。


そして、無人島には誰もいなくなった。











その夜、それぞれの合宿先で。


~ゴブリンズ~


スス「今日は楽しかったね、ルトー」

ルトー「そうだね、スス!

あ、明日はこの辺探さない?

きっと綺麗な貝がとれそうだ!」

スス「いいわねー、それ!

いこいこ!」

アイ「シティ!

お前本気で電柱投げてくんなよ!

死ぬかと思ったじゃねーか!」

シティ「だからごめんって!

ほら、最後はちゃんと逃げられたんだから良かったじゃん!

だから、許して(はぁと)」

ダンク(……やれやれ)


~G対策課~


ハサギ「ゴブリンズがいただってえ!?」

ケシゴ「うむ、まさか本当にいるとはな……」

ノリ「え?本当にって?」

ハサギ「あ、いやこっちの話(まさかこれが潜入捜査に見せかけたただの慰安旅行、なんて今更言えないな)」

ケシゴ「(プラスその理由は、いつも人一倍頑張っているノリのため、なんて言えないな)」

ハサギ「(うっせ)」

ペンシ「みんなー、夕飯の準備ができたぞー!」

ハサギ「待ってました!

さあ皆、じゃんじゃん食べよーぜ!」

全員「おーー!!!」




~無人島~


誰もいない無人島。

雲一つない空からは、綺麗な満月が映し出されている。

綺麗な砂浜の奥にある岩の影に、『惚れ薬』の入った宝箱が置いてあった。


その宝箱に、誰かが近付き箱を開け中を確認する。

中に入っているピンク色の液体が入った瓶と一緒にある紙を見つける。

その紙を拾い上げて読み上げると、その紙を箱の中に閉まった。


果心林檎「全く…

私の計画を無茶苦茶にした挙げ句、こんな変な罠を仕掛けるなんて、アイツは何を考えているのかしら?」


果心林檎はピンク色の液体に気にも止めず、箱の蓋を閉める。

そして砂浜の方を見る。


星と月の光だけで照らされた砂浜はとても美しく、

砂浜の砂は一粒一粒が白く輝いている。

波の音だけが静かに木霊し、ここが世界から切り離された場所だと思い込んでしまう。


果心「それにしても、綺麗な海ね…。

月も申し分なく輝いているし、プライベートビーチにはピッタリだわ。

……アイツめ、告白の仕方が下手くそなのよ。女に冒険させるなんて紳士失格だわ」


果心はそう言いながら、宝箱を見つめる。岩の影に立っているせいで顔は見えないが、頬が赤くなっているのは隠せない。


果心「……ま、いいわ。

果心様は偉いのだから、許してあげる。

……嘘じゃないわ。証拠を見せてあげる。もしアイツが次にここに来た時、どんな顔するのか楽しみだわ」


そう言いながら、唇に口紅を少しだけ厚く塗る。

そして宝箱にそっと口付けをした。




夏の特別企画小説 fin

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