【短編小説】悪女と補完計画 そのろくっ!
『nice boatは流れない』
注意
この話は夏の物語です。
この話にシリアスは殆どありません。(というか他の話でシリアス使いきった)
考えたら電柱が降ってくる。
あらすじ
果心の部下が化粧品会社始めました。
更に惚れ薬まで作りました。
でも果心はいらないようなので、
シティ、ペンシ、ノリの三人が惚れ薬を巡って競争を始めました。
ハサギ、ダンクはσ( ̄∇ ̄;)こんな表情をしています。
それでは、はっじまっるよー!
シティ「イイイヤッッホオオオオオオ!!!」
シティは電柱に乗り、無人島に向けて飛んでいく。
その速度は凄まじく、海が衝撃で割れている。
シティ「この島に近い無人島なら知っているわ!
無人島の何処かにある惚れ薬、必ず私が手にいれる!
電柱よ!
全速全しーん!!」
シティは楽しそうに電柱に乗りながら命令する。
しかし、そのすぐ後ろで何者かが海の上を走っていた。
…………ペンシだ。
ペンシ「む!
なんと……あれはシティか!?
何故あそこに!?
……………………分からん!
よし殴ろう!
拳で語れば全て理解できる!」
ペンシは海の上で跳躍し、真っ直ぐ電柱に向かっていく。
そして、蹴りの構えをとった。
ペンシ「ペンシーキック!!!」
シティ「!」
声に気付いたシティは電柱から思い切り跳躍した。
次の瞬間、電柱がペンシの蹴りによって真っ二つに裂ける。
ペンシ「あ!」
シティ「ぺ、ペンシ!?
何故ここに…!?」
シティは自分の足元に2メートルはある鉄板を出現させ、足場にする。
シティ「分からない!
よし殴ってから聞こう!」
思考回路はペンシとほぼ同じだ。
そしてペンシは新たに電柱を空中に出現させる。
シティ「くたばれ!!
『電柱一本』!!」
シティが叫ぶのと同時に巨大な電柱が真っ直ぐペンシに向かって飛んでくる。
ペンシはニヤリと笑い、空中で更に空を飛ぶ。
次の瞬間、ペンシのいた所を電柱が通り過ぎていった。
シティ「!?」
ペンシ「そ、空を飛んだ!?」
シティ「私は武術の天才だ…。
だから、気を操れば空を飛ぶことだって出来る!」
シティ「全く意味が分からないわよ…」
ペンシ「ま、それはともかく吹き飛ふがいい!
片師流奥義、赤射炉円櫃!!」
ペンシの気が両腕に集まり、両腕が赤く光り始めた。
シティ「腕が光り輝いている!?
何それかっこいい!!」
ペンシ「先程の言葉、使わせて貰う!
くたばれ!
花・丸・砲!!」
ペンシの腕に凝縮された真っ赤な気が掌から、シティ目掛けて放たれる!
真っ赤なぁ誓いいいい!!!
シティ「何そのビーム効果音!?
出ろ、鉄板!!」
シティは自分の目の前に鉄板を出現させ、盾代わりにする。
ビームは鉄板に激突したが、あっさりと貫かれてしまう。
フタエノキワミー!!
アッーーー!!
しかしシティはその隙に抜け出し、光線を回避しつツッコミを入れる!
シティ「だから何その効果音!?
なんか色んな所に喧嘩売ってない!?」
ペンシ「良いツッコミだ!
お前筋がいいな!」
シティ「え、今なんで褒められたの?」
和月伸宏先生ごめんなさい!
あ、るろうに剣心の劇場版第二回が始まるそうですね!
イヤー楽しみだなー!!
シティ「地の文うっさい!!」
ペンシ「そうだ!
これから我々の本編並みの素晴らしい空中戦を描くのだからもっと真剣にやれ馬鹿者!」
いやーこれから激しい戦いを書きたいんだけど、それだと話が全く進まないんでー、
別のシーンに映したいと思いまーす!
シティ&ペンシ「はあ!?
なにそれふざけ」
海岸・ノリサイド
ノリ「うーん、どこにあるッスかねぇ…」
無人島の地図を手に入れたノリはボートを探していた。
だが、何処を見ても海水浴を楽しむ客しかいない。
ノリ「勢いだけで飛び出しちゃったけど…。
やっぱりこんな海水浴場にボートなんてあるわけないッスね…」
ガックリと肩を落としながら、ノリは砂浜を歩く。
…すると。
「はーい、ヒーラ・ガーナとカータ・ガーナの姉妹が経営する、海の家へ来ませんか~?」
可愛らしい女性の声が聞こえてきた。
振り返るとそこには栗色の長髪の可愛らしい女性が、
水着姿で何か叫んでいた。
クーラー・ボックスを抱えていて、中には氷水に浸けたコーラやジュースが入っている。
それを見たノリは、少し羨ましくなった。
ノリ(いいなあ、あの人あんなに可愛らしいッス。
…ボクがもう少し可愛かったら、こんな思いをしなくて済んだッスかね?)
ノリは自分の姿を確認する。
『海の家』と書かれたエプロンに、白いTシャツとジーンズ。
この服では、自分が女だと誰にも理解されない。
ノリ(くぅ…ちちしりふとももがない自分が憎いッス…!)
「はあ………ん?」
ノリはふと辺りを見渡すと、そこにはあまり人はいなかった。
しかし代わりに透明な氷のボートが置いてある。
ノリ「こ、氷のボート!?
なんスかこれは!?」
「わーっはっはっはっ!」
どこかで聞きなれた声が聞こえて、ノリは急いで振り返る。
そこにはアイが高笑いしながらこちらに向かってくる所であった。
しかも両腕には何かを抱えている。
…ボート用のエンジンだ。
ノリ「!」
アイ「こいつをアイスボムで冷やして…と」
アイがアイスボムを使い、氷のボートとエンジンをくっつけさせる。
アイ「完成!
『アイシクル号』と名付けよう!
さ、早くこれに乗って……ん?」
そこでようやく、アイはすぐ近くに誰がいる事に気づく。
ノリはノリで、目の前に自分が追っていた組織のボスがいる事と、あまりに奇抜な言動に呆気をとられて動けなかった。
ノリ「あ…」
アイ「誰だ…って、お前、ハサギの部下のノリじゃねえか!?
何でこんな所に!?」
アイは急いで右手の掌をノリに向ける。
銀の義腕で出来た右手からは凍らせる玉、アイスボムが発射できるのだ。
ノリ(まずいッス…。
今の僕は丸腰、なにも出来ないッスよ…)
対してノリは武器になる者は何も持っていない。
今戦闘になれば、負けるのは自分だ。
ノリ「そもそもボクはペンシさんみたいな戦闘派じゃないッス!
ボクはどちらかというと、ホームズみたいな…」
アイ「…少なくとも、
敵の前で変な事呟く奴はホームズになれない気がするぞ?」
突然変な事を言い始めたノリに、アイは呆れながらつっこみを入れる。
ノリ「あ…。」
アイ「妄言は終わりか?
それなら凍らせて終わりに」
ノリ「待って待って待つッス~~!!
き、今日は貴方にお願いがあってきたッスよー!」
アイ「お願い?」
凍りたくない一心でペラペラと喋るノリに、思わず聞き返すアイ。
ノリ(はっ!不味い、ボクは思わずなんて事を!
……いや、もうこうなったら進むだけッス! )
「そッス!お願いッス!
お願いするッス!
そのボートに乗せて欲しいッスよ!」
アイ「…ボートに?
犯罪者と警察が一緒に乗るなんてあり得ないだろ、常識で考えて」
ノリ「うう…そこを何とかお願いするッス」
アイ「駄目だ!」
ノリがどう懇願しても、アイは首を横に振るだけだ。
そして今だ自分に向けられ続ける右手の掌。
ノリ(うう…どうしようもないッス。
当然と言えば当然ッスけど…。
でもボクじゃそんな凄い事出来ないし、一体どうすれば…!)
アイ「…ったく、おまえは『男の癖』にだらしねえな」
ビシ!!
ノリの中で何かが割れるような音が聞こえた。
アイ「いきなり来てドンパチするのかと思いきやあわてふためいて…。
見ているこっちが恥ずかしくなるぜ。
『男の癖に』ハサギがいないと何にも出来ないのか?」
ビシビシビシ!!
ノリの頭の中で何かが引き裂かれる音が響いていく。
アイ「お?
イラついたか?
なんだ、お前も『男らしい』とこあるじゃないか」
ビリーーーーーーーーーー!!!
ノリの中で、何かがトンだ。
ノリ「ボクは…ボクは…」
アイ「お、なんだ?
なんか言いたい事があるならはっきりと言えよ」
アイは余裕の表情でルトーを見つめる。
それが更にノリの怒りを逆撫でさせた。
ルトー「ボクは!!
男じゃ」「はいそこまで」
ルトーのセリフを、突然誰かが止める。
後ろを振り返ると、そこには全身包帯で出来た魔法使い…ダンクが立っていた。
ノリ「ダンク!?」
ダンク「リーダー。
弱い者いじめとは、感心出来ないな」
アイ「別に良いだろ、こいつ実際に気が弱すぎるし。
これじゃあ警察にいてもお荷物なんじゃないのか?」
ノリ「!!」
ノリがアイに掴みかかろうとするそれより前に、
ダンクはアイを殴り飛ばした。
バキィ!
アイ&ノリ「!!?」
ダンク「…すいませんね、リーダー。
…でも人を無用に傷つけるのは、俺も嫌いでね。
無理矢理止めさせて貰いましたよ」
ダンクはがらんどうの目でアイを睨み付けた。
中身の無い拳ではダメージがなかったようで、アイはすぐに立ち上がる。
アイ「ダンク…テメ…!」
ダンク「悪いけど、今回は俺が勝たせて貰う。
白色魔法、『メリーさんの羊』」
突如、アイの目の前に羊が現れる。ふわふわの羊毛にくるまれた、可愛らしい羊だ。
アイ「な、なんだ?
羊がでてきた…?」
ダンク「いけ」
ダンクは羊に命令すると、
羊がふわふわの羊毛をアイに擦り付けた。
アイ「なんだ、この羊…!
くそ、離れろ…。
はなれろ………。
は……な……れ……………………グゥ」
擦り付けられたアイは最初、抵抗しようとしたが段々羊毛の感触が心地よくなり、
遂には眠ってしまった。
ノリ「ね、寝ちゃった……!?」
ダンク「……。
さて、これでお前はボートに乗れるな、さっさと行きたい所へ行くがいい」
そういうと、ダンクはくるりとノリに背を向け、去ろうとする。
ノリ「ま……待つッス!」
ノリの言葉にピタリ、とダンクは足を止める。
だが、振り返ろうとはしない。
ダンク「……なんだ?」
ノリ「な、なんでこんな事をするッスか……?
ボクはお前の敵なんスよ!?」
ダンク「理由?
そんなのないさ、ただリーダーが女性に対して失礼なセリフを吐いたから止めさせた、
……ただそれだけだ」
ダンクは静かに答える。
そして足を動かそうとして…止める。
ダンク「そうだ。
もしお前がいく所にシティがいたら、伝えといてくれ。
『さっさとバカな事は止めて、また一緒にばか騒ぎしようぜ』
…とな」
それだけ言って。
ダンクは静かにその場を去っていった。




