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角が有る者達 番外編または短編集  作者: C・トベルト
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デュエルつのつの~お仕置き~

「色の魔法使いと灰色街の悪女」



むかしむかし、あるところにおおきな街がありました。

街の中の物は全て灰色で、街の中の人も全て灰色の服を着ていて、空はいつもどんより曇り空。

みんな毎日つまらない顔をして暮らしていました。

 それを見た魔法使いは、どうにかして彼等に笑顔を取り戻そうと考えました。

そして魔法使いは、ある魔法を使う事を決めました。

 その魔法は色を操る魔法でありました。






ノリ「やったッス!!やったッスよ!!」

ルトー「シティが勝った!」

ペンシ「うおおお!

 シティイイ!!……あれ?」


デュエルが終わって、三人は興奮しながら勝利を分かち合おうとシティに駆け寄ろうとする。

しかし、シティもダンクもデュエルが終わったのに動こうとしない。


ペンシ「シティ…?」

シティ「ダンク、何故?」


ダンクはちらっとシティを見ながらデュエルディスクをしまう。


シティ「『色鬼ダンク』の最後の効果、フィールドから離れた時に除外出来る効果。

 あれは『ネクロバレー』があれば除外は封じられる筈。

 なぜ、除外できたの?」

ダンク「…。

 簡単な事さ。『色鬼ダンク』の最後の効果は『無効化出来ない』と書いてある。だからネクロバレーで除外を封じる事は出来なかったんだ。」

シティ「もう一つあるわ!」


シティは一歩前に出てダンクを睨み付ける。

ダンクはシティに目を合わせないまま、答えた。

だがそれは、まるで文章を読むように淡々としたものだった。


シティ「あの『魔都アタゴリアンからの使者』。あなた強力なカードの割りに使いたがらなかったわね。

 それは何故?」

ダンク「あのカードはゲームバランスを完全無視したカードだ。

 むやみに使うとデュエルが楽しくなくなる。だから使いたくなかった。」


シティはしばらくダンクを見つめていたが、やがて諦めたように、


シティ「そう、分かったわ」


と答えた。

そしてシティの頭上に数本の電柱が現れる。


シティ「力づくで真実を聞き出す。

 それが私からあなたへの『おしおき』よ」

ダンク「……。

 それが『おしおき』なら全力で逃げるとしよう。

 もっとも…」

シティ「『電柱の檻』!!」


ダンクを中心にした半径5メートル付近に、20センチ間隔で電柱が突然立ち並ぶ。

シティの能力、『2メートル以上の単純な形の単純な物質を操る』能力で電柱を操ったのだ。

普通の人なら、間違いなく震え上がり土下座するシーンだ。

だがダンクはフッと笑い、パチンと指を鳴らす。


ダンク「…もっとも、シティに俺が捕まえられればの話だけどな」


すると真っ直ぐそびえ立つ電柱が全てぐにゃぐにゃになり、全て倒れてしまった。


シティ「うう、その魔法が出来る力は卑怯過ぎるわよ。」

ダンク「自分でもよく思うけど、何故かシティには言われたくない。

 本当に何故か分からないけど」


ダンクは頬をポリポリと書きながら答える。

ペンシ達は頭を抱えた。


ノリ「どっちもチート過ぎるッスよ…。」

ルトー「あの二人に色んな意味で勝てる気がしない…」

ペンシ「お前、よくあんな奴らの仲間やっていられるな」

ルトー「まあ、電柱が飛び交うなんて日常茶飯事だし…」

ノリ「電柱が飛び交う日常って一体…」



一方、シティとダンクの戦いは少しずつ激しくなってきた。

シティは電柱やら廃バスやら廃ビルやらとかく馬鹿でかいコンクリート物を遠慮なくダンク目掛けて放り投げる。

全て一撃で人も要塞の壁も簡単に破壊出来そうなそれを、

ダンクは嘲笑しながら魔法を使って無力化している。その動きは到底普通の人…いや、強力な能力を持つ特別な人でも限られる程少ないだろう。


ダンク「ハッハッハッハッハッ!!

 シティ、お前の能力じゃ俺には勝てないぜ!

 何故なら!!」


ダンクは自らの右腕の包帯を引っ張る。

すると中身が現れ、肌色の物質があるはずのそこには、空洞が広がるだけだった。


ダンク「俺の本体は包帯だからな!!

 殴ろうが潰そうが全然痛くないんだ!!

 包帯だからな!」

シティ「だったらアバンギャルドな姿に変えさせるだけよ!!」

ダンク「ハッハッハッハッハッハッ!!

 そんなの出来るわけ」


ズバン!!!



ダンクの足元数センチ右の道路が真っ二つに裂けられた。見ると、巨大な鉄板が高速回転しながら浮遊しているのだ。


ダンク「うお!?」

シティ「包帯なんて斬れば終わりなんでしょ!?

 もっともっと行くわよ!!」


シティが右手を上げると、上空に鉄板が現れた。

数は6枚。

6枚の鉄板が空中でぐるぐると回り始め、それはまるで銀色のUFOのようであった。

それが一斉にダンク目掛けて飛んでいく。


ダンク「透明魔法、『閉じた世界の海賊船』!」


ダンクは右手の人差し指を動かして小さな魔法陣を作り上げ、それを握りつぶす。

砕けた魔法陣が地面に落ちると、地面が急激に変形してダンクを守る大きなドームに早変わりした。


ギィン、ギィン、ギィン!!!


ノコギリがドームの表面を少しだけ削り、全て上空に飛んでいく。それを見たシティは軽く舌打ちした。


ダンク「この魔法はまだまだ終わらない!

 『殻』を変形し、猛々しい姿を作り出せ!」


ドームの中のダンクが叫ぶとドームが変形し、20メートル程の丈を持つ大きな茶色いガラスビンに変形した。


シティ「は?ガラス瓶?」

ダンク「野郎ども!出航だぁ!!」


ダンクが叫ぶとガラス瓶の中が透けていき、中にあるモノを映し出す。

それは大きな海賊船だった。

先頭には海賊帽を被ったダンクが高笑いしている。


ダンク「フハハハハハハハ!!

  見よシティ!!これぞ男のロマンが詰まった海賊船だあ!!」


そしてそれを見たシティは瞳をキラキラと輝かせた!


シティ「なんてカッコいいの!?

 壊したい!!(*⌒▽⌒*)」

ダンク「その感性はどうかと思う…(~_~;)

 ま、まあともかく、覚悟せよ、シティ!!」

シティ「あなたこそ、壊してあげるから覚悟しなさい!」




二人のやり取りを見た三人の表情。


ペンシ「( ・_・;)(ポカーン)」

ルトー「(・ω・)(アッチャー)」

ノリ「(   )  ゜ ○ ゜」(ドーシテコーナッタ)


こんな顔してましたー!( ̄∇ ̄)アハハハ、ヘンナカオー!


ペンシ「何考えてるんだあの二人は!?

 ガチな殺し合いじゃないか!」

ルトー「ごめんほんとごめんシティが恐ろしくてマジでごめんなさい」

ノリ「というかなんであの二人は戦いあってるッスか!?

 馬鹿なの!?」

ルトー「い、いやあ…。

 あの二人、好戦家だからよくあんな勝負シテルンダヨ…(°°)」


語るルトーの表情からだんだん生気が抜けていく、

それでどれだけルトーが普段苦労してるのかよく分かった。


ルトー「ホント二タイヘンナンダヨ。

 マイニチマイニチデンチュウヤラテッパンヤラオチテキテサア。

 ダレガカタヅケルとオモっテルンダ

 ハハハハハハ!(@_@)」

ノリ「る、ルトー君が壊れかけてる!?」

ペンシ「戻れ、戻るんだルトー!!」


ペンシは思い切りルトーの頬を叩く。


ルトー「がは!?

 は、僕は誰?ここは一体?」

ペンシ「…強すぎたか、もう一度!」

ルトー「あべし!

 痛い痛い、暴力反対!誰か知らないけど」

ペンシ「…今度は弱すぎたな。

 では間をとって連続ビンタといこう」

ルトー「え?ちょ、ちょっとま…

 あ゛〜〜〜〜〜!!!!」


ルトーとペンシが馬鹿な事をしている間、シティとダンクの闘いは激化していた。

異世界にいったり、電柱で怪物作ったり、魔法で変装して逃げたり…。


その戦いの全てを記せば、この話40話くらいいくので

カット!!

というわけで、戦いが終わった辺りから話しが始まります。





魔法使いは悩んでいました。

魔法で街を赤くすれば明るくなると考えていましたが

みんなすぐ喧嘩するようになってしまいました。

青くすれば、みんな悲しくなって、しくしく泣いてしまいました。

黄色くすれば眩しくて全然落ち着けません。


ーーどうすればこの街はあかるくなるのだろうか?みんな笑えるようになるのだろうか?ーー


 色の魔法使いは悩んでいた。





シティ「ぜぇ、ぜぇ」

ダンク「う、うへぇ…

シティ、本当に人間かよ…あんな戦術使うなんて、まともじゃないぜ」

シティ「あ、あなたこそよく私の攻撃を凌いだわね…普通の人なら一撃でやられるのに」

ダンク「はっはっはっ、

 俺は人間やめてるからな!」

シティ「……!」


と、ダンクは大きく口を開けて笑う。

しかし、その口の中に舌も歯もない。

空洞が広がっているだけだ。

今までの長い戦いより、その事実を受け入れる方が、

実はシティは怖かった。


ダンクは本当に『疲れて』いるのだろうか?

私との戦いを『楽しんで』いるのだろうか?

手加減せず、『本気で』私と闘ってくれたのだろうか?

あのデュエルでも、ダンクは常に上から目線で闘っていた。

自らの肉体と引き換えに全世界の魔法、魔術を手に入れたダンク。

しかしその代償は体だけではなく、この世を感じる全ての感覚を失ってしまった。

包帯という無機質な体から見た世界は、やはり無機質な感覚で終わるのだろうか?


ダンク「…。

 『魔都アタゴリアン』は、俺が人間だった頃に住んでいた街の名さ」

シティ「え?」


不意に、ダンクが語り始める。

シティは虚をついた表情でダンクの横顔を見た。

少なくとも、その表情からはいつもの余裕は見えなかった。


ダンク「あの街は、魔法使いが作り上げた街で半数以上が魔法使いだった。

 俺もその中の一人だったけど、誰よりも魔法に固執していた。

 そうすれば、捨て子の俺を誰かが拾ってくれる、誰かが俺と手を握ってくれると思って」

シティ「……」

ダンク「だけど、ダメだったな。

 あの国は魔法を操れても世界を操れない。

 時代の波に流されて、魔都アタゴリアンは消えていった。

 そして俺は一人になった

そして俺は……一人になるのが嫌で、魔法を手に入れる事を思い付いた。

 しかし、魔法は俺の心を満たさない」


ダンクは自らの右手を見る。

包帯の白と空洞の黒で作られたその右手は、無機質という言葉通りの存在だ。


ダンク「俺がこの手で手に入れたのはただ一つ

 …虚しさだけだ。」

シティ「ダンク」


ダンクはフッと笑った。

シティはしばらくダンクを見つめていたが、やがてパチンと指を鳴らした。


シティ「隙あり」


ゴォン!!


ダンクの頭の上に金ダライが落ちる。


ダンク「うお!?」

シティ「全く…今はそんなむずかし〜話ししてるんじゃないでしょ!

 あなたが本気でデュエル出来たかどうかを、聞いてるのよ!」

ダンク「う!?ば、バレた!」

シティ「全くあなたと言う人は…」


シティは頭をがしがしと乱暴にかく。

そしてダンクをキッと睨んだ。


シティ「ええいこうなったらもう一度デュエルよデュエル!!

 今夜は私が満足するまで寝かさないわ!寝ても叩き起こす!」

ダンク「ええ、あのデュエルをまだやるの!?

 俺は今、魔力が減って疲れてるんだけど」

シティ「問答無用!!

 さあデデュエルィスクを構えなさい!」

ダンク「分かった分かった…だがやる以上今度は勝つぜ!」

シティ「勿論よ!さあかかってきなさい!」


二人はデュエルディスクを構え、決闘の合図をする。

その中で、シティはある事を考えていた。


(…あなたが、何も手にしてないなんてありえないわ!

 私が保証する。

 だって、私はあなたといるととってもとってもとっても、楽しくて嬉しいんだから!

 だからあなたも私と一緒に、沢山楽しみましょう!!)


そして、ダンクもある事を考えていた。


(…確かに俺は今まで何も手に入れてはいなかった。

 だけど、アイに出会いススに出会いルトーに出会い、初めて仲間といる楽しさを知った。

 そしてシティ、君に出会って俺は…。

 いや、この言葉はまだ語るのを止めよう

いつか君が、今より沢山の世界を見て聞いて感じて大人になった時、真正面からこの言葉をぶつけてやろう。

 その時君がどんな反応をするか、

…今からとっても楽しみだ。)





色の魔法使いは諦めかけていた。

どんな色を魔法で作り出しても、みんなは幸せにならない。それどころか迷惑をかけている。

毎日毎日魔法を作り続けて疲れた魔法使いは、あやまって魔法の鍋をこぼしてしまう。

しかしその瞬間、今まで数千の色の魔法を作り上げた魔法の鍋の中から、

魔法の液体が飛び出し、それは魔法使いの家を出て街中に広がる。


その時、奇跡が起きた。


灰色の街に様々な色が付いたのだ。

りんごやトマトやお日様は赤色に、

空は空色に、水は水の色に、建物には住んでいる人が好きな色で丁寧にコーディネイトされ、石畳は灰色に、洋服は着ている人が好きな色になり、

灰色の街はとてもとても綺麗な街に染まった。


そしてそれを見た魔法使いは思わずこう言ったのだ。


「世界はなんて素晴らしい色で埋め尽くされているんだろう!

こんなに沢山の色があって、慌てる事も悲しむ事も喧嘩もできて、なんて綺麗なんだろう!

 何故私の魔法が今まで上手くいかなかったのか分かったぞ!

 そして今度は同じ失敗をしないよう、私はこの街を愛する事にしよう!」


こうして、街のみんなは、魔法使いも含めて、幸せになりました。

              〜Fin〜











ルトー「こっちはまだ終わってないよ〜!」

ノリ「片付け、誰か手伝って〜!!」

ペンシ「おのれ、ゴブリンズめ〜〜!!」

これにてデュエルは決着しました。

 昔はまだ先輩小説への憧れから抜けられなかったので自分らしい小説を書く第一歩になれて良かったなと思っています。

 またデュエルを書きたいけど、今はテキスト多いカード一杯あるからなあ・・・。

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