第二話 初めての出会い
こんにちは。
タイトルのスペルが間違っていたので修正しました。
MASIC → MAGIC
『おい・・・・、起きるのじゃ・・・。』
何か聞こえないでもない・・・・。
『起きろといっているのが聞こえんのかこのカス!』
「俺はカスじゃねぇ!」
いかん!
つい突っ込んでしまった!
生前はいつもこういう役回りだったもんだから・・・・。
『やっと起きたか・・・。』
「なんだよ。」
『頭の上に手を持っていってみるのじゃ。』
言われたとおりに持っていくと・・・・。
何かフサフサしたものが・・・・・?
俺の髪の毛・・・・?
いや、俺の毛はすべて硬い毛質だ。
こんなに触り心地のよいものではない。
俺はそれをつまんで目の前に下ろしてみる。
「うん?」
ふわふわした毛質。
頭についた毛に覆われた耳。
柔らかい肉球。
丸くつぶらな瞳。
細くしなやかな身体。
そこから伸びる尻尾・・・・・・。
・・・・・・・・猫?
いやいや。
おかしいだろ。
魔物のいる世界に猫はちょっと・・・・。
もう一度みてみる。
うん・・・・・・。
・・・・・・間違いなくこれは猫だ。
『何度確認しても猫は猫じゃ・・・・。』
「なんで猫がいるんだよ!」
『ちゃんと戦闘要員になりうる猫じゃから安心せい。』
猫が戦闘要員?
WHY?
なぜ?
年齢に似合わぬ見た目といいどこかいかれた野郎だなと思っていたが・・・・・。
・・・・・・このガキついに頭までいかれたか?
『ゴルァ・・・。しばくぞカス。』
「全力ですみません・・・・。」
謝っておくのが無難だろう。
『ただの猫ではないのじゃ。』
ただの猫以外にどんな猫がいるのか聞いてみたいもんだ。
『そもそもそれは猫ではない。』
猫じゃないと?
じゃあこの猫にしか見えないものは何だ?
『王獣じゃな。』
王獣?
あの、NHKが本気で製作したアニメの?
獣の奏者エ〇ンに出てくる翼の生えた?
でもあれは犬だっただろ?
『この際突っ込まんでおこうと思ったがやはり教えたほうがよさそうじゃな。』
ん?
『その世界にはヒト・魔物・亜人|(獣人など)・精霊・獣(犬とか猫とか)に聖獣がいる。』
はあ・・・・。
意外といっぱい種類がいるのね・・?
『で、それは聖獣の一種の神獣の幼生。見た目は完全に猫だから分からないがの。』
こんなちっこいのがねぇ・・・・。
『本気で戦うときはなんかデカイ虎になるがの。』
一応強くなるんだ。
「それならいいや。うん。」
『名はまだ付けていないからお主がつけるのじゃ。』
名前か・・・・・。
じゃあ例の作品から拝借して・・・。
「リラン・・・・でどうだ?」
『おぬしも存外悪じゃのう・・・・・。』
人聞きが悪いな・・。
俺が何をしたって言うんだ?
ハハハハハハハハ!
幸い名づけられた当の本人も特に何もないらしいからいいだろう。
「よろしくな。リラン。」
「なう。」
猫の鳴き声で『なう』はどうかと思うが気にしないでおこう。
その後の事を聞こうと思ったら何か知らないけど念話が切られていた。
・・・・・・・・まあいいや。
「じゃあ行くぞ。リラン。」
「なう。」
その時、どこかから耳を劈くような咆哮が聞こえた。
なんだ?
「リラン!急ぐぞ!!」
「なう!」
俺は小脇にリランを抱え高まった身体能力で森の中を駆けた。
そして、森を出ると同時・・・。
そこには遠くてはっきりとは見えないが、巨大な狼の群れに追いかけられている馬車の姿があった。
「あれは少々まずいかな?」
魔法を使ってみるか・・・。
走る速度とかを強化したいから・・・・月かな?
詠唱は適当でいいや。
間違いなく厨二病になるけど。
「月輪ここに光臨せす・・・。我の内なる力を解き放て・・・。《神走》!」
もうこれはほとんど瞬間移動のイメージだな。
少しずつ移動していく。
少しずつといっても普通に走るのの五倍以上は出ているが。
俺はそのペースを保ったまま。馬車に乗っていた女の子を抱えて一気に後退した。
「きゃっ!」
女の子は急に身体が浮き驚いているみたいだが。
狼?の群れは俺達の急停止についてこられず少し誰も乗っていない馬車に並走する。
途中で気付いたらしくすぐに方向転換をしてきたみたいだが。
多いな・・・・。
見えるだけでも六頭はいるぞ。
一気につぶすためには殲滅・・・・夜だな。
俺は俺の少し前方の上空に魔方陣をイメージした。
すると四つの紫色の魔方陣が展開される。
「すべてを闇に包み込む光・・・大いなる災いとなりて我に仇名すものに降りかかれ・・・。」
四つの魔方陣が中心に集まり一つの巨大な魔方陣が形成される。
「その光はすべてを無に返すだろう。・・・・・《夜空の砲撃》!!」
その瞬間上空の魔方陣から紫色に輝く収束砲が降り注いだ。
凄まじい爆音と爆風が俺達と少女を襲う。
「くっ!!」
「なー!!」
「きゃあ!!」
「《神速》!!」
俺は再びリランと少女を抱え爆風から逃れた。
・・・・・。
「し、死ぬかと思った・・・・。」
転生してまもなくあの神に会うとこだった。
「なう・・・・。」
さすがのリランもお疲れ気味だ。
そこでずっと口を閉ざしていた少女が口を開いた。
「あ、あの・・・!」
「え?」
「助けてくださってありがとうございました!」
「あー。いいよいいよ。別に通りがかっただけだし。」
「冒険者の貴方がいて助かりました。」
「冒険者?何の話?」
「えっ?貴方冒険者ではないのですか?」
「うん。」
「そんな、あり得ませんよ!」
何をそんなに興奮してんだか。
「私はあんな魔法を見た事がありません!大体あの円は何ですか!?」
円・・・?
ああ、魔方陣の事か?
「魔方陣だけどそれが?」
「この世界に魔方陣なんてものはありません!」
えぇっ!?
「それにあれだけの威力の魔法を使うとなるとかなり高ランクの冒険者しか・・・・。」
「そういえば君はあそこで何を?武器はしっかり持っているように見えるが・・・・。」
「私は今から王都に冒険者申請をしにいくんです。」
「冒険者志望ならあれくらいやればいいのに・・・。」
「一対一ならまだ分かりませんがあの数は無理です!貴方が規格外なだけです!」
規格外・・・規格外・・・・・規格外・・・・・・・・規格外・・・・・・・・・・・・。
うん。
この言葉、俺には相当な攻撃力を持つみたいだから気をつけよう。
まあいいや。
俺はちょうどいく当てがなかったんだ。
「よかったら、俺も連れて行ってくれないか?」
「いいですけど。どうするつもりですか?」
「俺も冒険者に志望する。」
「それが妥当でしょうね・・・・。」
「じゃあ早速行こう!」
「今から三日はかかりますよ。」
「え?なんで?」
「馬車が壊れてしまったからです。」
「普通に歩いて三日ってことか・・・?」
「はい。」
「もっと早くいける方法あるから気にしない。」
「え?」
「どっちに行けばいいの?」
「あっちです。」
そういって彼女が指した方向には大きな街が見えないでもなかった。
「俺の名前はテンシ。テンシ・ヤガミだ。」
「テンシさん・・・。」
「さん付け禁止!敬語も禁止!」
「はい・・あっ・。うん。わかった。私はアスナ・シルフィ。」
「アスナか。よろしく。」
「よろしくね。テンシ。」
これが俺達の出会いだった。
第二話はお楽しみいただけたでしょうか?
まだまだ駄文ですが、日々精進したいと思っております。
応援のほど何卒お願い致します。