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何でもいいと言われたので転生特典をありったけもらって転生したのに、実家がなくなったので妹と共に魔法を極めます  作者: あっきー


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特典EX「いつか、子を想う父の背中を」


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グレイによると王国騎士団による事後調査が行われているらしい。

それにより手が足りなくなり、公爵家による貴族の身辺調査も同時並行。

俺も人ごとではなかったものの、オーグレイ公爵様とリンクス公爵様の口添えにより問題なしの判断。

晴れてタクミ・イスタル伯爵としてある程度の自由が約束された。


身体は歩ける程度には回復してきており、本調子まではもう少しといったところだ。

今回の事件で失ったものは大きい。

王国そして貴族の信用。

俺個人も生活を普通にこなせるようになるまでの時間を要している。

伯爵となったことで任される仕事も大きいものになってくるだろうし、早いところ回復したいものだ。


信用という面では国民に向けて王様が王宮から広場に向けての謝罪があり多少は緩和されている。

しかし貴族への信用という面で見ると、今までよりも大きな溝を感じる。

今まで散々威張り散らしてきておいて国民の命を危険にさらしたのだ。

平民からの反発はあって当然だろう。

これに関しては時間をかけて信用を回復させていくしかないだろうな。



ひとまずそちらは本調子に戻ってから全面的にバックアップするとして。

戻る前にやっておかなければならないことがある。

俺の人生のなかで最大の関門と言っていいだろう。

吐きそうになるほど緊張しながら、リンクス公爵家へとやってきた。


そう、結婚のご挨拶だ。



「よく来てくれたね、タクミくん。」


いつも通りにこやかなリンクス公爵様自ら出迎えられた。

ご挨拶に行くと伝えてあるから居るのは知っていたのだが、いきなり玄関から迎えられるとは思ってもいなかっただけに面食らってしまった。

色々出てきそうだ。


「リンクス公爵様、お時間をいただきありがとうございます。」


「全然大丈夫だよ。

まあ立ち話もなんだし、部屋に行こうか。」


言うがままに部屋に案内され着席。

侍女さんが紅茶を出してくれて一口いただくも、まったく味が分からない。

先程まで言おうと考えていた文言が全てどこかに吹っ飛んでしまっている。

こういうときは深呼吸でもして、一度落ち着くとするか。


「すぅー・・・・・・ふぅー・・・・・・。」


「アハハハ!バチクソ緊張してるねえ。」


「バッ・・・!?まあ、はい、こんなこと初めてなので。」


「今日はもう仕事を終わらせてきたから、ゆっくりで大丈夫だよ。」


にこやかにしているリンクス公爵様にお礼を言い、肩を動かしもう一度深呼吸。

よし、頭も動くようになってきた。


(頑張ってね、お兄ちゃん!)


先ほど見送られたときのサクヤの笑顔を思い出す。

緊張しすぎてまともに受け答えできてなかったな。

帰ったら撫でくりまわすとしよう。


「お待たせいたしました、もう大丈夫です。」


「それじゃあ、改めて聞こうか。」


「はい!・・・リンクさんと、結婚させてください。」


「喜んで!」


二つ返事ぃ!!

いや、分かってはいたけども。

反対されるとは思ってなかったけども。

これだけ緊張もして、あれこれ考えてきた言葉もまったく必要なく人生最大のイベント終了するもんなの?


「鳩が豆鉄砲くらったような顔をしてるね。

僕はもともとそのつもりだったし、タクミくんは最近例の事件のせいで英雄扱いだろう?

そんな英雄とのつながりを作ろうと考える貴族は多いはずだ。

実際見合いの申し込みも凄い数が来てるんだってね。

だったら早いこと相手を公表しちゃったほうが君にとってもプラスになるはずだよ。」


そう、事件以降見合いの申し込みが100を超えているのも事実。

すべてサクヤ秘書が勝手に捌いているものの、そろそろうっとおしく感じている。

だからこそ早めに挨拶にきたというわけだ。

全て見透かされているとは恐れ入る。


「もう2人とも結婚できる歳になってるわけだし、すぐにでも式の準備しちゃおうか。

段取りは僕に任せてくれれば資金も全額出すから安心してくれ。」


「いや、さすがにそういうわけにはいきませんよ!」


「資金に関しては貴族としての見栄という面もあるからたててほしいかな。

タクミくんに期待するのは1つだけだよ。」


そう言って立ち上がるリンクス公爵様。

その目は俺の目をまっすぐに見据えてー


「公爵としてではなく、1人の父親としてだ。

娘を幸せにしてやってくれ。」


深々と頭を下げられた。

こちらも立ち上がるも、頭をあげてくださいなんて絶対に言えない。


ここで言うべき言葉は、たった1つだけだ。


「はい、任せてください!」


言葉を聞いたリンクス公爵様は満面の笑顔を向けてくれた。

そのまま侍女さんに合図をすると、豪華な料理がたくさん運ばれてきた。

料理の最後には大きなケーキ。


そして普段の可愛らしい姿ではなく、綺麗な白いドレスを身にまとったリンリンが部屋に入ってきた。

顔が真っ赤になっているのはいつもどおりだけど、口元が嬉しそうな表情だ。


「タクミ・・・どう?」


「めちゃくちゃかわいいぞ。」


「ふふ・・・よかった。」


「それじゃあ今日はパーッとやろう。

サクヤちゃんも呼びに行ってるから、家族ぐるみで楽しもう!」


すぐにサクヤも到着し、豪華な料理に喜んでいた。

そんな姿をリンリンと並んで座りながら穏やかに笑い合う。


この日常を護れてよかったと、心から思うよ。



しばらく宴を楽しんでいると、リンリンのお姉さん2人が帰宅。

お祝いの言葉とプレゼントを頂いた。


とまあそれはいいのだけど、リンリンとはまったく似てないんだな。

いや目の周りとか凄いそっくりではあるのだけど、身体の発育が違うといいますか。

背も高くてスタイルも良い2人とリンリンを交互に見やると、目があった。


「どうせボクは・・・出涸らし。」


「たしかに成長は似てないかもしれないけど、リンリンとサクヤが1番だと思ってるぞ。」


「やっぱり・・・タクミは、ロリコン?」


「シスコンだがロリコンではない。

一緒に居て落ち着く空気が好きなんだ。

成長とか関係なしに、俺はリンリンと一緒に過ごしたい。」


「真顔で言うの・・・ずるい。」


「幻滅したか?」


「ううん・・・・・・大好き。」


真っ赤な顔をしながら肩に頭を乗せられ、頭を撫でようとして気づく。

全員にニヤニヤしながら見られてるじゃねえか。

サクヤだけは満面の笑みだけど。

リンクス公爵様が驚きの声をあげるのも分かる気がする。


「いや、なんというか。

リンクもそういう表情するようになったんだな。」


「ふふ・・・こんなにも、幸せなの・・・はじめてだから。」


「そうか・・・ッ・・・良かったな・・・!」


後ろを向き、左手で顔を抑えてしまった。


娘の幸せを心から願う本当に優しい父親の背中。

いつか俺も、こんなカッコいい背中を見せれる時が来るといいな。



「リンクお姉ちゃん、これからよろしくね!」


「なんか・・・ゾワッとする・・・リンクで、いいよ。」


「んー・・・じゃあリンクさん!」


「ん・・・それが、いい。」


こちらもこちらで仲良くなれそうでよかった。


こうして賑やかな宴も終わり、アイテムボックスによる引っ越しも完了。

といっても3軒しか離れていないのだけど。


我が家に新しい家族が増えたのだった。



「改めまして・・・不束者ですが、よろしく・・・お願いします。」


「こちらこそいっぱい苦労をかけると思いますが、今後ともよろしくお願いします。

たくさん思い出作ろうな!」


「家族が増えるって嬉しいね!

あ、でも子どもとかできたらもっと増えていくのかな?

楽しみだねー!」


そんなサクヤの無邪気な言葉に、みるみる赤くなってゆくリンリン。

あっ、これは妄想乙女モード発動だ。


「ここここここ子どもっ!?

それはもう10人くらい欲しいです、いやタクミとの子どもだったら100人居ても嬉しいですけど!!

でもやっぱり式をあげてからとかしっかり順序を護ってですね!!」


「落ち着けリンリン。

100人はたぶん寿命的に無理だ。

あと10人もなかなか(稼ぎ的に)頑張らないといけないぞ。」


「頑張って産むので大丈夫です!!

それにちゃんと育てますし!!」


「あはは、我が家も賑やかになるね!」


リンリンを抑えつけて現実に戻しつつ。

2人の言葉に一抹の不安を覚えてしまった、タクミであった。



読んでくださった方々が少しでも楽しんでいただけますように。

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