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次から次へと.....!(半ギレ)

どうぞ最後までお楽しみくださいませ!

「今俺のランクを隠すって言ったのか?いや、そのな。助けてもらう立場の人間が言到底言える事じゃないんだが、無理だろ。どう考えても。」


ランクで処刑される国だぞ?ランク確認がないとは思えないし、口頭だけで通るほど緩いとも考えにくい。


「策があるから提案してんだよ。多分俺が言えば通るぜ。」


「お前王族って訳でも無いだろ?森を見回るような兵士一人の意見で通るとは申し訳ないが思えない。」


「あーあれか?ありゃその日の見回り当番が病気で寝込んじまって空いてた俺が代わりに入っただけだ。言い忘れてたしついでだから言っとくと、この国には兵士団がある。総勢200名くらいの規模だな。国の治安維持が役目だが、今は戦争で駆り出されてるな。割合は戦争7治安維持3くらいだ。」


「兵士団か。レグルスもその中の一人なんだよな?」


「おう。んで俺はその兵士団の副団長だ。こう見えても結構上のほうにいるんだぜ?それに兵団のシステム的にも隠せると俺は踏んでる。」


「は?副団長?」


コイツ今何て言った??副団長?つまり組織のナンバー2?いやいや。一番隠蔽やっちゃマズイ立場じゃねぇか!?お前下手したら追われんぞ?それも重大だが、システムという言葉が引っかかる。何のシステムか気になったので聞いてみることにした。


「どういうシステムなんだ?」


「えっとな。簡単にいうと得点制だ。危険生物の討伐、民間人の補助等国の為に貢献した者に得点が加算されていく。逆に民間人に対して被害を出したり、職務怠慢したりすると得点が減算されていく。この得点で給料や身分が変動するっていうシステムだ。得点が減算されすぎると兵士団を追われることになる。逆に多いと、兵団長みたいな上の立場につける。

それで.....その中で一番得点が高い行動が"Eランク異能(スキル)持ちの人間の処刑"なんだよな。」


「つまり人を殺せば効率よく給料が増えるシステムか。もしこれが常態化してるなら兵団は相当腐ってるんじゃないのか?」


「あぁ。その通りだ。基本的に国家反逆罪以外なら減算点数は一定だし、Eランクを一人殺すだけで簡単に減った分の得点は戻せるからな。なんならおつりすら来る。

それにほぼいないって言ったって毎年普通に子供が生まれる以上、Eランクはいるしな。毎年殺し続けてるから数が増えないだけの話なんだ。それでここに残っている兵団のうち半分は機能していないのが現状だ。」


「何もしなくてもある程度は金が貰えて毎年生まれる弱い人間を殺すだけで金が増えたら真っ当に働こうって気にはならんだろうな。」


「得点でそれが一番高く据えられたのは"人を殺すという重い行為には兵士の精神的負担を考えてこの位の報酬が妥当”って理由なんだがな。」


「それが精神的負担どころか、兵士の堕落の原因になってんだから皮肉なもんだなよ。」


「その尻拭いをやらされる俺の身になってほしいぜ。」


レグルスはうんざりだ、というような表情でそう言うと言葉を切る。

いや機能してないじゃねぇか。ホントにこの国は治安大丈夫なんだろうな?

しかも尻拭いは上に押し付けるとか終わってやがる。

というかこのシステムだと、上の立場であればあるほど相対的に人を殺すことになるんじゃないのか?

なら副団長のレグルスは.....?俺は気になって思わず聞いてしまった。


「レグルスは"処刑(ソレ)"をしたことはあんのか?」


「ねぇよ。」


レグルスはそう一言だけ言うと、一度言葉を切って俺に向き直る。その時の目は真っ直ぐで淀みを一切感じさせなかった。レグルスは一拍置いて話し始める。


「実力主義の社会だ。綺麗事だけじゃ生きていけないのも重々分かってる。けど超えちゃいけない一線があるだろ。戦争での人殺しなら仕方ねぇ。戦争ってのはそういうもんだ。でも自分の金や地位の為の人殺しすら大義にしたら、正当化し始めたら。ソイツはもう人間じゃなくなるんだよ。俺は胸を張って人間として生きていたいんだ。だから俺は一度もしたことはないし、これからも絶対にしねぇ!」


その言葉を聞いた俺は素直にカッコイイって思った。信念っていうかそういう真っすぐなものを感じて、その言葉を信じたいと思えた。けど、疑問が邪魔をする。

Eランクの人間の処刑(効率的なポイント稼ぎ)をせずにどうやって副団長にまで上り詰めたのか?それが分からなければ、この引っ掛かりが取れる事はない。


勇気を出して聞いてみた。色々なリスクはあるだろう。それでも俺は目の前のダチを心から信じたい。だからこそ問う。少し声は震えたが、何とか質問は口に出せたようだ。


「じゃあレグルスは何で......副団長になれたんだ?」


「俺はな、帝国に入ってきたドラゴンをぶった斬ったんだ!その武勲が認められたのさ。後は何だろうな?普段の真面目さとか?」


「.....ごめん。想像の斜め上過ぎて言葉出ないわ。」


この世界ドラゴンいるんだな。ちゃんとファンタジーじゃねぇか。まぁそれをぶった斬ったヤツが目の前にいるんだけども。というかあの熊とは訳が違うだろ。どうやって両断したんだ?そう思っていたらレグルスが苦笑しながら口を開いた。


「スゲェだろ?話がそれちまったから戻すとお前のランクを隠す策なんだが、お前を兵団に入れて俺が素早く手続きをする。履歴書やら何やらは俺が改竄する。そのままランクを偽造し兵団員が持たなきゃならねぇ身分証で発行する。これで何とかなるだろ。ちなみにシステムの話すると、Eランクを庇うメリットが俺には一切存在しない。俺は団長の座を狙ってると公言してるからな。その行為をしているという発想に周りは至らないだろうな。」


「いや、怪しむ奴いたら終わりじゃねぇか。」


「兵団から正式に支給される身分証があれば大丈夫だ。兵団の中にも身体強化系統は結構いるしな。それに戦闘に一切役に立たない農業とかに関連するやつがBランクだったりとランク分けの明確な基準は俺たちもよく分かってないから怪しまれることはないだろ。なんならスピード系統の身体強化でAランクいるぜ?」


「普通にそいつの下位互換じゃね?俺。」


「それは時期尚早ってやつだ。レベル0って事は使用したことすらないんだろ?スキルに表示されるレベルは上昇条件を満たした時点で上がる。そんな大事な事柄を国が研究しないわけがないだろ?統計取ったりしてんだよ。まぁ始まったのは最近だし小規模ではあるけどな。それである程度分かってきてる。さすがに全レベルの条件とか分かったわけじゃないが。」


「条件なんか表示されないからな。聞けるんなら聞いときたい。」


そういう情報があるのはありがたい。メモ用紙とかないから頭でしっかり覚えないとかないとな。


「レベル0の条件は異能(スキル)の一定回数の発動。身体能力者に限りそれに加え一定回数の身体的損傷だ。統計だから信用していいもんなのか分からんがな。」


一定回数?何回か斬られたり殴られたりしないとダメなのか?俺の回避者(アヴォイダー)は回避主体なのに強くなるために被弾しなきゃいけないなら本末転倒じゃね?いや、あの強化じゃどちらにせよ攻撃食らうか。

それもいいが他にも入団に試験があるのか気になるな。ただでは入れる気はしないし。


「入団試験とかあるのか?それとも普通に手続きすれば入れるのか?」


「試験があるぞ。試験の内容は能力の習熟測定、サバイバル、俺との模擬戦の3つだ。」


「マジで?ドラゴンぶった斬ったヤツと模擬戦はヤバいだろ。勝たなくていいんだろうな。取り敢えず詳細をざっくりと頼めるか?」


「一つ目は何が出来るのか、だな。自分のスキルの出来ることを試験官に説明し、度合いを見せるって感じだ。ここで落ちる奴はいない。この試験は次の試験の参考材料になるだけだからな。お前で言うならスキルを使えばどのくらいまでなら避けられるのかとかが習熟度に当たるぜ。

2つ目は専用の試験場でサバイバルだ。ランダムに選ばれた試験者の半数にバッジを渡されそのバッジを取り合う。終了時にバッジを持っていないやつが失格だ。3つ目は俺と模擬戦。説明は別に不要だろ?審査は俺と他幹部3名の合計4名でやる。」


「いや難易度高くね??俺が受かるためにはやる事多いぞ。まずはレベルアップを果たさないとな。」


「前向きだな。受かるかどうかを気にせずに自分のやるべき事を考える。いいじゃねぇか。さてまずは識別紙(アセス)の情報を空窓(ウォンドウ)に移さないとな。」


そう話していた時、ドタドタと足音がしたと思ったら部屋の扉がバン!と音を立てて開けられる。そして元気な少女が部屋の中に入ってきた。透き通るような銀髪に藍色の瞳。美しいや綺麗というよりは可愛い感じの顔立ちである。腰には剣.....にしては細いような気がするがとにかく武器を下げている。


「先輩!資料持ってきました!」


そう言って紙の束を持っているが、何の書類だろうか?というか誰だ?と色々な疑問はあるも、まぁいいか、ととりあえず黙っておこうとしたのだが.....マズイ事に気付いた。今彼女がいるすぐ近くの床に俺の識別紙(アセス)が置きっぱなしなのだ。見られたら終わるので、お願い!気付きませんように!!そう祈ったのだが....


「ん?識別紙(アセス)?先輩だらしないですよ~?整理整頓くらいしないと。ってこれEランクじゃないですか。もしかして....そいつのですか?」


そう言う彼女の声は冷え切っている。先ほどの元気な声とは真反対だ。彼女は俺を睨みつけながら素早く腰から剣を抜く。その先端、というか刀身は針のように細い。前世のフェンシングで見たことある。

レイピアかそんな名前だったはずだ。その切っ先は俺を向いている。見逃す気はないのだろう。彼女はもう一声だけ俺ではなく、レグルスに向かって発する。


「先輩。答えてください。そいつは処刑対象ですよね?」


一難去ってまた一難とはこういう事を言うのだろう。俺はこの鉄火場で呑気にそんな事を考えていた。俺は本当に無事に異世界生活が出来るのだろうか?

全ての書き溜めの吐き出しがこれにて終了しました。もう指の感覚が全くありません。

しかし、改めて書いていて楽しいなと思いました。これからも精進していく次第ですので、どうぞよろしくお願いいたします。


誤字脱字などあれば報告よろしくお願いします。

そして、ここまでお読みいただきありがとうございます!!

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