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もし、明智光秀が秀吉の援軍に向かったら? 81 天正十一年冬 5
むろんすでに臨戦態勢に入っている北条は否。
千葉氏とともに旗色を鮮明にする。
その一方、信長のターゲットになっている佐竹氏であるが、信長の軍門に下ることを承知する。
常陸のみを領国する。
人質を差し出す。
この二点については承知し、兵糧米を供出の代わりに千葉氏討伐軍への参加を提案する。
当然佐竹氏の影響下にあった国衆はすべて信長に臣従する。
これによって、ここでこれからおこなわれる戦いが織田対北条・千葉の連合軍ということになった。
そして、佐竹氏が信長側についたことで北条・千葉の連合軍は西方・北方だけではなく東方にも注意を向けなければならない状況になった。
佐竹氏と敵対関係にあった芦名氏は北条と手を結び佐竹氏を攻撃したいところであったのだが、状況を鑑みて様子見を決め込む。
武士道を強調されるのはもっと後の時代。
この頃は勝ち馬に乗り生き残ることがすべて。
自身の利益を優先するために同盟者を見捨てることは珍しいことではなかった。




