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もし、明智光秀が秀吉の援軍に向かったら? 8 中国編
毛利側としては体制立て直しのために五か国を手放して休戦することが最良の一手と考えてもおかしくない。
それだけの根拠と手立てがあるのだから。
一方の織田側。
敵は一切許さず皆殺しにするというイメージがある信長であるが、それは最後まで敵対した場合。
許すことによって大きな利がある場合は意外にそれを許すことが多い。
その点を考慮して、高松城を手に入れた信長が毛利と本物の講和をする条件。
それは五か国に加え、石見銀山を含む石見の割譲。
ここを手に入れることによって自己の力が増大するとともに、毛利の弱体化が確実となる。
この状況であれば講和しても後々の憂いはない。
逆に毛利としては石見を手放すことは本物の滅びに繋がる由々しき事態。
簡単には承知できない。
もちろんこの条件を毛利が飲まなければ羽柴、明智連合軍に徳川や織田本隊を加えた大軍で滅ぼすことになる。
そして、ここで毛利の生き残りをかけた交渉がスタートする。