王太子妃教育
ふう、部屋に入って、やっと王妃様の質問攻めが落ち着いた。
部屋の中には、もう一人いた。
「紹介するわ。今日からあなたの王太子妃教育を手伝ってくれる、
マインド伯爵夫人よ」
「ルリアナ嬢、これからよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「さて、始めましょうか」
「はい、よろしくお願いします」
「最初はカーテシーからです。やってみてください」
「分かりました」
そうして始まった王太子妃教育は、昼から夕方まで続いた。
「はい。今日はここで終わりです」
「ありがとうございました」
そうして、馬車に乗り、家に帰る。その次の日の朝、起きて支度をして王城に
行き、王太子妃教育を受ける。
そんな日々が十何日か続いた頃,,,
私は、ジェラルド様とお茶会をしていた。
「お久しぶりです。ジェラルド様」
「久しぶり、ルリアナ」
「ところで、私たちは何でお茶会をしているのでしょうか?」
「何言っているのさ。婚約者なのだから、当たり前だろう」
「そ、そうなんですか」
知らなかったし聞いてないわよ!と心の中で叫んだ。
「王太子妃教育はどうだい?無理してないか?」
「はい。毎日(ほとんど知っていることばかりだが)たくさんのことが知れて、
楽しいです!」
「そうか。母上から大体は聞いているのだが、やはり本人から聞いた方がいいな」
「王妃様から聞いていたのですか」
「ああ、私が教えてほしいと駄々をこねたからな」
ジェラルド様が、駄々をこねる?
あまり想像できない姿に、思わず笑ってしまった。
「わ、笑うな」
「仕方ないではありませんか。だってジェラルド様が駄々をこねるなんて、
想像できなくて」
「まあ、そんなことはどうでもいい。母上からの伝言だ。これからは行く回数が
月に1回とかになるそうだ。マインド伯爵夫人にも伝えておいてくれ」
「そうなのですか,,,これからは王妃様に会う回数が少なくなってしまうの
ですね。なんだか寂しいです」
そんなこんなでお茶会は終わった。
これからも月に何回かはジェラルド様とお茶会をするらしい。
お茶会といっても、最近のことを話すだけなのだが,,,
今日も王太子妃教育はあるので部屋に向かう。
「よろしくお願いします。マインド伯爵夫人。それから、殿下からの伝言です。
王妃様は来れる回数が少なくなるそうです」
「そう。では早速始めるわよ」
そうして、忙しい日々が続いていくのだった。