婚約の承諾
応接室に入ると、使いの者と、なぜかジェラルド様がいた。
(なんでいるの!?使いの者を送るとしか聞いてないわよ!)
「本日は、どのようなご用件で公爵邸に?」
お父様、緊張している。
まあ仕方がない。第一王子なのだから。
ジェラルド様が笑顔で、
「そこにいるルリアナ嬢と婚約を結びたいと考えている」
「,,,それは、ルリアナは承諾しているのですか?」
「ああ、そうだよね?」
「はい。その通りです。お父様」
お父様も困惑でしょうね。
だって急に王子が家に来て、あなたの娘と婚約したいって言ってるんだもの。
「レオナルドとソフィアに話す時間が欲しいです」
「ああ、いいよ。その間に私はルリアナ嬢と話してもいいかな?」
「はい、ルリアナ、あの庭園にお連れしなさい」
「分かりましたわ、お父様。殿下、行きましょう」
庭園を歩きながら、私は聞いた。
「殿下、なぜ使いの者と一緒に来られたのですか?」
「もうジェラルドでいい」
「ではジェラルド様。質問に答えてください」
「君の顔が見たかったからでは駄目か?」
「駄目です。少し前まで一緒にいましたわよね?それに、ジェラルド様が
話されてしまったら、使いの者の人の役割が無くなってしまうではないですか」
『通じなかったか。テヘペロ☆』みたいな顔をしても駄目よ。
「はいはい。本当はね、あわよくばレオナルドのがっかり顔が見られるかなと」
「思ったんですね」
「そう!レオナルドは君のことが大好きだからね」
「私は普通ですが」
「レオナルドにそれを言ってみな?数日は余裕で引きこもってしまうよ」
お兄様が引きこもるのはあまり想像できない。
「それにしても、ここも綺麗だね」
「はい。我が家の自慢です」
「そうか。それはよかったね」
その後は、他愛のない話をずっとしていた。
「おや、そろそろ時間みたいだね」
ジェラルド様と同じ方向を見ると、お父様とお兄様が走って来るのが分かった。
「結論はまとまったかい?」
「はい、この婚約、承諾したいと思います」
「親子どちらとも同じ結論で嬉しいよ」
「僕は不服ですがね、ジェラルド」
「やあレオナルド。どうだい、妹の婚約者が僕の気分は」
「最悪ですよ」
「それは良かった。ルリアナ、明後日から王太子妃教育だ。頑張ってね」
そう言うと、ジェラルド様は私の手の甲にキスをした。
「!!」
「またね」
「はい,,,」
ジェラルド様はフッと笑うと、馬車に乗って帰っていった。
「ジェラルドめ、許さん,,,」
と言う小さいお兄様の声が聞こえてきた気がするけど、気のせいだよね?
,,,気のせいにしたいから気のせいにしよう。
投稿する時が不安定になるかもしれませが、応援よろしくお願いします!