家族へ話を
つぶっていた目を開けると、驚いた顔の大司祭様と家族がいた。
「ルリアナ!大丈夫か!」
真っ先にお父様がこっちに来て抱きしめられる。
「はい、大丈夫なので、お父様は落ち着いてください」
「あ、ああ、そうだな」
お父様が咳払いをして、背筋をピンと伸ばした。
「気を取り直して、さっきの光が出てきた後をお伝えしましょう」
「お願いします」
あの後、私が消えたのだそう。みんなで慌てていたら、また光が出てきて、私が現れたらしい。
「教えてくれる?ルリアナ。あの後あなたの身に何が起きたの?」
「分かりました。ですが、決して他言はしないでくださいね。国王陛下と王妃様には伝えてもらって構いませんが」
「分かったわ」
そして私はさっき起きたことについて語った。
「つまり、あなたは女神アマリリスと会ったのね」
「はい。そうゆうことです、お母様」
「その上祝福をかけてもらったと」
「はい」
「祝福をかけてもらった者など、かれこれ200年もいませんぞ!確かに、他言しないほうが得策と言えましょう。かならず約束しますぞ」
大司祭様が興奮気味に言った。
「ありがとうございます。大司祭様」
「はい、それではお帰りください。これからの事を話し合う必要もありそうですし」
「そうですね、確かに娘のこれからについて話し合う必要がある。では失礼させてもらうぞ」
「ええ、またいつか」
そうして、私たちは我が家に帰った。
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「それで、話とはなんだね、ルリアナ」
今、私たち家族は人払いをしてお父様の執務室にいる。
理由は私が話したいことがあると言ったから。
「はい、これから話すのは、少し信じ難いかもしれない。それでも聞いてくれますか?」
「もちろん」
「聞くわ」
「当たり前だ」
そんな家族の返答を聞き、聞いてくれることに安堵した。
「では、話します。私の前世”たち”について」
そうして語ること20分。
「ーーそして、私は学園の卒業パーティーで、第2王子殿下に冤罪をかけられます。誤解は解いたのですが、彼のエスコートを受けていた男爵令嬢の方に突き飛ばされてしまい、ちょうど突き飛ばされた先が階段でした。そして私は死んでしまったのですが、逆行して今ここにいます」
話を聞いた家族は涙を流していた。
「そんな人生を歩んでいただなんて、私ならとても耐えられないわ!」
「すぐに心が壊れてしまうよ」
「よく今まで頑張ったな、ルリアナ。話してくれてありがとう」
「!!!」
頑張った事を認められて、私も泣いてしまった。
しばらく家族で抱き合って泣いていた。