女神とご対面
「女神アマリリス!?」
「ええ。私が女神アマリリスよ。私の可愛い愛し子」
「愛し子,,,?」
「そうよ、ずっとあなたの人生を見てきた」
「それならなんで、私はいつも若くして亡くなっているのですか、、、」
「ごめんよ、ルリアナ。なぜか介入できなかったのだ。ずっと苦しんでいる姿を見ているだけで愛し子と助けることもできないなんて」
アマリリスから涙が溢れる。
「でも、やっとこうして話すことができたことを嬉しく思う」
「アマリリス様,,,」
「お詫びに、私の加護をあげよう。さらに、前世達の能力も一緒に」
「え、いいんですか?」
「ああ、少し目を閉じてくれないか」
アマリリスに言われて、目を閉じる。
すると、アマリリスの指が額に当たる。
「女神アマリリスの名の下に命ずる。我が愛し子に、記憶と能力の復元と、我の祝福を!」
目を閉じていても感じる光。その光は、暖かくて心地よかった。
「もう目を開けて良いぞ」
目を開けると、思い出す記憶の数々。
「あ、魔力が,,,!」
「ええ。魔力も技術も、暗殺者としての力も戻っているわ」
「本当だ,,,」
久々の感覚に気分が高揚する。
これ以上嬉しいことはない。
「あの、魔法を使ってもいいですか?」
「ああ、いいよ」
よし、了承をもらった。
集中するために、目を閉じる。
魔力を体の隅の隅まで行き渡らせる。
そこから、指に魔力を集中させる。
基本は、8属性。
けれども、私は自分の魔法を何個か持っている。
誰にも明かしたことのない、私だけの完全オリジナル魔法。
今は、それを使いたい気分だ。
懐かしく思いながら、一言。
『「マジックミラー」』
詠唱した瞬間、鏡が出現する。
それは、私の過去を映したものだ。
映されているものは、今世の幼少期だ。
もう思い出してから半年くらい経つのね,,,
マジックミラーを閉じる。
「スッキリしました。なんか気持ちが晴れたみたいです」
「そう、それは良かったわ。そろそろ、時間みたいね」
「そうですね。少しの間でしたけれど、楽しかったです」
そう言うと、キョトン、という顔をした女神アマリリス。
いつもの表情に戻ったと思ったら、
笑って、
「別にこれで最後ではないわ。言いたいことがあったら、また来てちょうだいね。強く願うと、また来れるわ」
と言った。
「それと、貴女の家族には、ちゃんと真実を話すこと。転生している事とか、全部ね」
「分かりました。また、来ますね!」
「ええ、絶対よ」
「では、またいつか!さよなら、アマリリス様」
そう言うと、眩い光が私を包んだ。目を閉じた時、
「またいつかね、ルリアナ」
と、聞こえた気がした。