女神の洗礼
とうとう今日は洗礼を受ける日である。
すごく楽しみなのである。
そして今、目の前に神殿がある。
前も思ったけど、この神殿デカすぎないか?王城くらいあるんだが?
まあ教会でもあるしね!
私の前に大司祭様が来る。
王太子妃教育で培った、全力の淑女のカーテシーをする。
「お初にお目にかかります、大司祭様。ルリアナ・ブルームーンと申します」
そしてニコッと微笑む。これ大事!
「これはこれはご丁寧に。初めまして、大司祭にのレイザックと申します。では、洗礼の仕方を説明させていただきますね」
その前に、と言われ、
「ルリアナ様。この国の成り立ちをご存知ですか?」
「はい、存じております。確か、魔物がこの世界に蔓延っていた時代に、1人の女神の加護を持った勇者が立ち上がり、元凶の魔王を倒したと」
「はい、その通りです。博識ですね。そこから、女神への信仰が始まり、洗礼を受けるようになったのです」
「なるほどですね」
話していると、洗礼場所まで着いた。
「洗礼の受け方は簡単です。あちらの水晶に自分の夢を思いながら触れてください」
「分かりました」
深呼吸をして、水晶の前に立つ。
そしてボソッとつぶやく。
「,,,自分の、夢。私の、夢」
そんなの、もう決まっている。
私は,,,,,生きたい。
今度こそ、何としてでも、何がなんでも生きる。長生きする。
それが、私の今世の夢だ。
そう思い、水晶に触れた。
「!!!!!!!」
反射的に目を瞑った。
水晶が太陽のごとく輝き、あたりが見えなくなった。
瞑った目をおそるおそる開けたその先には、
「女神アマリリス!?」
なんと、女神がいた。