王家からの制裁(中編)
今、私は謁見に間の玉座の隣に立っている。
「ジェラルド様、何故私はここにいるんですの?」
「そりゃあ、今からある事をするからね」
「いえそうではなくて、私は本来玉座の向かい側にいるべきでは?」
「今日は私の婚約者としているからね」
「そ、そうですか」
一応納得はしたけど、今から何が始まるのだろうか?
そう思ったところ、扉が開くのが見えた。
そして、入ってくる人物に目を見開いた。
「マインド伯爵夫人,,,?」
その人は悠々と歩き、国王陛下に頭を下げた。
「頭を上げよ」
少し前に聞いた、あの声。
その声で顔を上げたマインド伯爵夫人がこちらを見た。
私を見て驚いたのは気のせいだろうか。
「マインド伯爵夫人、どうして呼び出されたのかは分かっているか?」
「?いえ、存じ上げておりませんが」
「今回は、余のとなりにおるルリアナ嬢についたの事だ」
あ~~!私分かったかもしれない。
あれだ、十中八九王太子妃教育で、私をいじめたからだろう。
ふっ、ざまあ。
「ルリアナ嬢の王太子妃教育にて、明らかに10歳が勉強する範囲外の所をテスト
としてだしていたそうだな」
「私がテストの内容を見てみましたが、私が勉強しているところよりもずっと
後のところでした」
え、そうなの?嘘でしょ?
「それに加えて、鞭で体罰を与えていたようだな」
「そ、そのようなことは、断じてしておりません!」
「口を慎め。許可を出しておらぬぞ」
「も、申し訳ございません」
何て無礼なのかしら。
陛下の許可無しに話をするなんて。
「ルリアナ嬢、さっき余が言ったところに偽りはないか?」
「あ、はい、ありません。前者の方は驚きましたが,,,」
「そうか。マインド伯爵夫人。何か弁明はあるか?」
「そこの女よりも、第一王子殿下の婚約者には私の娘の方が相応しいのです。
テストをしても娘の成績の方が優秀で,,,」
ハア、と陛下のため息が聞こえた。
「聞いた余が駄目だった。そもそもお前の娘とルリアナ嬢では歳の差が
5もあるだろう。そちらの方が今優秀なのは当たり前だ」
「で、でも!」
「黙れ、もうしゃべるな」
「あ、あ、ああ、あああぁぁぁ!」
マインド伯爵夫人は謎の声を発しながら、膝から崩れ落ちた。