王家からの制裁(前編)
少し短めです。
私が次に起きた時は、もう朝だった。
机にあったベルを鳴らし、侍女を呼ぶ。
来た侍女は、いつもと違った。
そういえば、ここは王城だったわね。
すっかり忘れてたわ。
「はい、何か御用でしょうか」
そう言われたところで、私の腹の虫が鳴った。
「…朝食を、持ってきてくれますか」
「かしこまりました」
そう言って王城勤めの侍女は部屋から出た。
穴があったら入りたい。
仕方ないではないか。昼食も夕食も食欲がなくて食べていないのだから。
しばらくして、扉をノックする音が聞こえる。
先程の侍女が来たのかと思い、
「どうぞ」
と言った。
だけど、扉を開けて入ってくる人物に目を見開いた。
「ルリアナ、おはよう」
「ジ、ジェラルド様!?おはようございます。なぜワゴンをお持ちに,,,」
「ああ、これはね。ルリアナのいる部屋に運ぶ予定のものだと聞いたから、
侍女に変わってもらったんだ」
「な、何故」
「何故変わったのかって?ルリアナに会いに行く口実を作るためさ」
「なっ!」
顔に熱が集まるのが分かる。
「半分冗談だよ」
ジェラルド様はそう言うと私の髪を一房取り、キスをした。
それ、半分は本当ってことですか。
「食べ終わったら一緒に謁見の間に行くから、ここにいるんだ」
「謁見の間?何故ですか?」
「それは行ってからのお楽しみだ」
何でなんだろ。
謁見の間に行くなんて、私、何か変な事をしてしまったのかしら。
朝食はお粥だった。
病み上がりだから、消化に良い物じゃないといけないもんね。
おいしかった。
「食べ終わったかい?じゃあ行こうか。と、言いたいところなのだけど」
「?」
「先に着替えた方がいいよね」
「あっ」
そう言われ、私は寝巻きだったのに気がついた。
「侍女を呼んでくるよ」
その後に来た侍女達によって私は自分には素敵すぎるドレスに着替えた。
「うん、似合ってるよ」
「あ、ありがとうございます」
「それじゃあ行こうか、私のお姫様?」
そう言って、手を差し出された。
「ふふっ。ええ、行きましょうか」
私はその手を取り、謁見の間に向かうべく歩き出した。
…侍女に温かい目を向けられながら。