第一王子の怒り
ルリアナ+ジェラルド視点です。
「ん,,,」
目が覚めると、知らない天井が視界に入ってきた。
「ここは,,,」
「ルリアナ!目を覚ましたか。良かった,,,」
隣を見ると、座って私の手を握るジェラルド様がいた。
「ジェラルド様、何故、私はここにいるのですか?」
「覚えていないのかい?君は部屋に向かっている途中に倒れたんだよ」
少しずつ思い出してきた。確かあの時目眩がして、それで倒れて,,,
「,,,今は何時ですか?」
「今は午後4時半だよ」
「!?やだ、王太子妃教育の時間が!,,,っ」
ガバッと起きたところ、また目眩がした。
「今日は心置きなくここで寝ていると良い。寝不足だと医者が言っていた。
公爵家には事情を伝え、王城に泊まらせると言ってある」
促され、寝ようと思ったが、私は明日テストがあるということを思い出した。
「駄目です。明日はテストがあるんです。良い点数を取らなきゃ、私は,,,」
と言い、私はマインド伯爵夫人に棒で叩かれる想像をしてしまい、身震いした。
ジェラルド様が私の弱気な姿を見て驚いた。
「どうした。マインド伯爵夫人と何かあったのか?言ってごらん」
と言って抱きしめてくれた。
私は全てを話した。
そうしたら、ジェラルド様は怒ってくれた。
「それは許せないな。父上と母上に相談する。明日も王太子妃教育は休みでいい。
ごめんな。そしてここまで耐えたね。頑張った」
頑張った。
マインド伯爵夫人が認なかった頑張りを、ジェラルド様は認めてくれた。
その事実にひどく安心し、涙腺が崩壊した。
「あああぁぁぁぁぁ!!!」
泣くだけ泣いたあと、私は疲れて寝てしまった。
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寝てしまったか。
泣き疲れて、自分の腕の中で寝た婚約者を見て思った。
ルリアナをベッドに寝かせ、この後のするべきことを考えた。
まずは父上と母上に報告だな。
きっとものすごく怒ることだろう。
当然だ。将来の自分の娘を傷つけられたらだから。
そして、明日にマインド伯爵夫人を王城に呼び、罪状をいい、処罰を下す。
結構な罪になりそうだ。
どんな処罰がお望みなろだろうか。処罰を下した瞬間、どんな顔をするのか。
考えただけで笑いそうになる。
ルリアナが近くで寝ているので今は笑えないが。
絶対に後悔させてやる、マインド伯爵夫人。
当たり前だろ?だって、俺の大切な婚約者を傷つけたのだから。