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第五話:最初のダンジョン

ライオンをシンナラとして、ライオネスをレオライとして従魔契約をして仲間にした後、俺はルシファーに料理の話をしていた。

そう、彼女のステータスを見た時に通常スキルに”料理”が含まれていたためである。


「俺は一応料理はできるが、お前には通常スキルには料理があるんだが?」

「それはきっと、知識ですね」

「知識?」

「そう、あなたが生前に生きていた世界とは違って、料理もあなたの感覚では明らかに異なります。

調理法なども全部異なるので、その違いに気づけば、あなたも料理スキルを取得できるはずです」

「なるほど……確かにどう作ったら良いかもわからなかったしなぁ……なんせ魔獣の肉とかがあったからね」

「まぁ、誰もがそう言いますよ。

でも、安心してください……あなたにはあなたがするべきことに集中して考えてください。

料理などは私に任せてください!」

「あ、あぁ……時間がある時に教えてくれ!』

「えぇ、良いですよ!」


すると、遠くからシンナラとレオライの遠吠えが聞こえてきた。


「ガオオォォ〜〜〜〜ッ!!!」

「ガオオォォ〜〜〜〜ッ!!!」


どうやら何かが起きた様子だった。


「何かがあったんですよ!」

「あぁ、すぐに行こう!」


俺とルシファーはシンナラとレオライのところへ駆けつけると、そこには巨大な魔物が現れた。


「グオオォォッ!!!」


その魔物は鼻がデカい巨大な人型の魔物だった。


「なんだアイツ!?」

「トロールですね。

トロールは本来、最も深い森”ディープフォレスト”にしかいないはずなんですが……どうしてここへ現れたのでしょうか?」


するとトロールは俺らに気づいて、俺らの方へ向かって走っていた。

しかし、シンナラとレオライは俺らを守るべく、トロールに噛みついた。


「ガオォッ!!!」

「ガオォッ!!!」

「グオオォォッ!!!」


俺もすぐに参戦しょうとしたが、すぐにルシファーに止められた。


「待って。

その必要はありません」

「えっ?」

「トロールはほとんどの冒険者にとっては手強い魔物になりますが、ライオンにとってはそんなにたいした魔物ではありません。

実際にライオン一匹でトロールを仕留めたところを目撃した人がいるので」

「マジかよ」


しばらく観察していると、本当にトロールはシンナラとレオライにボコボコに攻撃され、そのまま倒された。

そしてすぐに二匹でトロールを食べ始めた。


「た、食べてる……」

「トロールはこう見えて、冒険者にとっては手強い魔物とされていますが、ライオンやトラ、ユタラプトル、グリフォンなどのトロールよりも強い魔物にとってはトロールは肉の塊だとみなされています」

「ライオンってそんなに強いんだ……」

「えぇ、ほとんどの冒険者が最初に立ちはだかる最初の試練でもあります。

ライオン、トラ、ユタラプトル、グリフォン、ヒグマ、グリズリー、シロクマ、タランチュラ、ディノニクス、ヴァキロラプトル、サメ、アナコンダ、ワニ、カマキリ、ワシ、コカトリス、ワームのどれかを一回でも討伐すれば、一人前の冒険者として認められます」

「結構厳しいんだな!?」


するとそこへ、空からカミカゼが飛んできた。


「カミカゼ、どうしたんだ?」

「何かを見つけたのですか?」

「うむ、周囲にはいくつかのダンジョンが見つかった。

そのうちの一つのダンジョンは、誰かが攻略しているようだが、中々苦戦している様子だ」

「それはどこですか?」

「今ここにいる場から反対方向……つまり、後ろへまっすぐ行くことでそのダンジョンへ辿り着けるぞ」

「なるほど、なら俺が行くよ」

「あなただけですか?」

「あぁ、流石にお前らがいたら驚くだろうからな」

「なるほどな」

「……気をつけて行ってくださいね」

「ガルルッ……」

「ガルルッ……」

「心配するな。

すぐに戻る」

「言っておくがここからそのダンジョンまで約35分くらいの距離になるが?」

「大丈夫!

魔物に襲われないように、俺だけが使える秘密のスキルがあるから、それに頼っていくよ!」

「秘密のスキル?」

「それって、時間を止めるスキルのことですか?」

「まぁ、そういうことだ」

「フッ、それなら心配はないな」

「あぁ、じゃあ行ってくる!」


そう言って、俺はスキルですぐに時間を止めて、ダンジョンへ向かった。

時間を止めている間、俺は小走りで向かいながらダンジョンへ向かい、そしてやっと着いた。


「ここか?」


目の前にはまるでイグルーのような石の建物があった。

どうやらそこがダンジョンへの入り口だった。

俺は時間を止めた状態で、入ってみることにした。


「まるで石の要塞のような造りになっているなぁ……」


その要塞には、どうやらゴブリン、インプ、サソリ、クモ、ゴキブリ、ネズミ、ゴーストが主に出現するようだが、時間をとまっているためか、襲われずに奥へと進むことができた。

そしてダンジョンの最終部へ辿り着くと、そこには一人の女性と軽トラックと同じくらいの大きさをして、猫に似たような顔をした巨大なたクモのような魔物がいた。


「あ、アイツ見たことがあるぞ!!」


そう、俺は思い出した。

あの魔物は、俺が知ってる巨大なクモの姿をした妖怪で、俺の親父の背中に入れていた刺青も確か、土蜘蛛だったな……まぁ、刺青でのデザインとはほぼ違うけど、土蜘蛛で間違いないいのは確かだ。


「土蜘蛛だな!

しかもあの人は明らかに追い詰められているなぁ……まぁ、時間がそろそろヤバいから、とりあえずソイツの前に立って、時間停止スキルを解除することにしょう!」


そして俺はすぐに解除した。


「もうダメ……私はここまでね……って誰よ!?」

「悪いあぁ……突然とお邪魔してなぁ。

何が目的でここへ来たのかは知らんが、アイツは手強いんだろ?」

「え、えぇ……もう勝てないと諦めてて……」

「だったら俺に任せろ!」


そう言って、俺は土蜘蛛と睨み合った。


「ギャオオォォ〜〜〜〜〜ッ!!!!!」


土蜘蛛はそう叫びながら俺を襲いかかった。

しかし、俺は迷わずに持ってきた刀で斬りつけた。


「ギャオォッ!?」


体は真っ二つに斬れてしまった。

しかし、真っ二つに斬られてもまだ動き出した。


「チッ、どうなってんだ?」


俺は思わず睨みつけた。

すると、真っ二つに斬られた土蜘蛛は気絶した。


「い、威圧して気絶させた!?」


後ろにいる女性はそう言いながら驚いた。

そして俺は刀で真っ二つに斬られた土蜘蛛の首を斬り落としてトドメをさした。

すると土蜘蛛は灰となって消えた。

どうやらこれで土蜘蛛を倒せたようだ。


ところが、俺はあるものを見つけた。


「……ん?

これはなんだ?」


そう言って、俺がそれを拾うとすると、すぐにその女性がそれを素早く拾った。


「私の代わりに土蜘蛛を倒してくれてありがとう。

でも、こればかりは……私にとっては必要なもので……」


そんな女性を見た俺は少しだけ微笑んだ。


「安心しろ。

別に俺はそれを取りに来たわけじゃない……ただ、放っておけなかったからだよ」

「えっ?」

「何が目的で土蜘蛛と戦っていたのかは知らんが、少なくとも俺の従魔がお前が苦戦していると聞いたからね」

「そ、そうなんだね……ところで、アンタはなんでそんなに強いの?

レベルとか高いの?」

「……いいや、別に?

土蜘蛛を倒した時にはレベル9になったけどな」

「レベル9!?

あ、あのー……ステータスとか確認して良いかな?」

「あ、あぁ……構わん」


その女性は俺のステータスを確認した。

そして案の定、驚いていた。


「あ、アンタ……まさか、この世界へ転生されたの?」

「まぁーな。

そういうお前は?」


すると、その女性は顔を少し照れながら話した。


「じ、実は私、アンタと同じこの世界へ転生されたんだよ。

あ、私のステータスを見るか?」

「良いのか?」

「えぇ……」


俺と同じ転生したという女性のステータスを見せてもらった。


『ヒナセ』

種族:人間

レベル:15

通常スキル:図鑑、収納、翻訳、商売、俊足

固有スキル:連丹、擬態、蘇生

攻撃力:97

守備力:102

速度:38

体力:156


「お前、ヒナセっていうのか?」

「えぇ、そういうアンタはタツヒサっていうのね」

「ところで、通常スキルの商売ってんなんだ?」

「実は私、冒険者でありながら商人をやっていて、主に魔物から落とすレアアイテムを錬丹スキルで様々な薬を作ることがあって、その薬を売っているんだ!

その時に役に立つのが商売スキル!

このスキルは、鑑定することでアイテムなどの価格を自動で決めたり、どんなものが流行して売れているのかを早く知ることができる……といった感じかな?」

「なるほど、確かに商売をするのなら便利なスキルだ。

ところで、どこかのギルドとかどこかの国を拠点にしているとかは?」

「私は放浪しながら商売をすることが多いから、そういうのはないかな?

それに、どれもここに住みたいとは思わないしね……」

「そうか……」


すると、背後から4匹のゴブリンが襲撃してきた。


「うぎゃあぁ〜〜!!!」

「うぎゃあぁ〜〜!!!」

「うぎゃあぁ〜〜!!!」

「うぎゃあぁ〜〜!!!」

「まずい!!

早く出なきゃ!!

でも、目の前に……」

「ハァ、またやるか!」

「何を?」


俺が前に出ようとしたその時、4匹のゴブリン達は突然とゴブリン達の影から黒い手が現れ、その黒い手をゴブリンの体を貫いて攻撃した。


「うぎゃあぁ〜〜!!!」

「うぎゃあぁ〜〜!!!」

「うぎゃあぁ〜〜!!!」

「うぎゃあぁ〜〜!!!」

「な、何が起きたの!?」

「これは!?」


やがてゴブリン達は倒されたのか、灰となって消えてしまった。

そしてそこからルシファーが現れた。


「ルシファー!?

いつの間に!?」

「ちょっと心配したので、急いでここへ駆けつけてきました。

ですが、その様子だと大丈夫そうですね」

「る、ルシファー!?

あのエーリュシオンの元女王!?」

「あら?

あなた、どこかでお会いしましたね?」

「お、お久しぶりです!

私のことを覚えてくださり、誠に光栄です!!」

「まぁ、そこまで敬語にならなくても良いんですよ?

私はもう女王ではありませんので」

「ルシファー、ヒナセとは知り合いなのか?」

「知り合いではないけど、私が女王だった頃に彼女がエーリュシオン王国へ来られて、彼女が私のところへ来て、私にエンジェル族が欲しがっていたアダマンタイトとヒヒイロカネとミスリルとオリハルコンと賢者の石が眠っている鉱山がエンジョル族領にあったことを教えてくれたんです。

おかげで、エーリュシオンはさらに栄え、そして国民もそれらが手に入って、とても喜んでいますね」

「それを聞いてよかったよ!」

「えぇ、感謝しています!

ところで、あなたはどうしてここへ?」

「どうやらこのダンジョンにいる土蜘蛛が持つレアアイテムを取りにここへ来たらしいぞ」

「でも、私が後少しで土蜘蛛に殺されそうになったところにタツヒサが助けてくれたんだ!

まぁ、簡単に倒しちゃったけどね」


そしてなんだかんだ言って、俺はヒナセとルシファーと一緒にダンジョンから出た。

しかし、ダンジョンの外にはルシファーが連れてきたのか、そこにはカミカゼとシンナラとレオライがいた。


「遅いぞ、汝は何をしておった?」

「ガオォッ!」

「ガオォッ!」

「えっ!?」


ヒナセは驚いてしまった。

まぁ、そりゃそうだよな。


「も、もしかしてアレって!?」

「えぇ、目の前にいる魔物は全員、タツヒサの従魔です」

「す、すごい……」

「それと、実は面白いものがありますが、見て行きますか?」

「えっ?」


そして俺らはヒナセを自分の城へと連れて行った。


「この城って、まさか姫路城!?

しかも門をよく見たら、出雲大社にある鳥居にそっくりだし……」


ヒナセは唖然と驚いていたが、城内を案内していると、どうやら気に入ってくれたのか、最終的には俺の城を拠点にすることになった。

ちなみにカミカゼとシンナラとレオライと仲良くなった。

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