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第四十一話:ヤバい男「アドレス」

「確かに俺はタツヒサだ」

「そうですか……では私もあなたの問いを答えましょう。

私はフリースマイルの教祖でありながら、この団体の代表を務めております……アドレスと申します。

まぁ、そちらの表情を見れば、私も察しがついていますが、今回はあえて素直に教えしましょうか?」

「教える?

じゃあ、まさかお前も?」

「そうです。

私はミカアニさんとサンゾロさんと同じくアンデット連合の幹部の一人です」


俺は驚いた。

まさかあっさりと自白するとは思わなかった。

それにどうやって俺の時間停止スキルを?


「その表情、色々と疑問に思うことがあるのでしょう?」

「へっ?」

「私には、相手の心理や内心を読み取れるテレパシースキルと全てのチートスキルを解除するリセットスキルを持っているんです。

どちらも極めて珍しいスキルでね……リセットスキルは本来、特定のダンジョンにいる八岐大蛇などの最強の魔物とそれ以上に強い伝説の魔物が持つシークレットスキルの一つで、ステータスには一切表示されない特別なスキルです。

私はこのスキルを使って、あなたのようなチートスキルを使う者を強制解除しました」

「なんのために?」

「私は既にあなたが私のことを探していることをテレパシースキルでわかったからです。

なので、あえて私自らあなたの所に来て、その合図として、リセットスキルで強制解除させました」

「わざわざ俺のところに来るとは……」

「引きこもって隠れるより、正々堂々とした方がいいと思いましてね。

それより……私はあなたに自らアンデット連合の幹部だと自白しましたが、なぜだと思いますか?」


俺はその質問に驚いた。

なぜって言われても、わからない。

そんな俺を見て、アドレスは悪い顔でニヤリと微笑んだ。


「理由は簡単……あなたにとっては、アンデット連合とは因縁があるからです。

サンゾロさんをきっかけにね……」

「それだけなのか?」

「いいえ、他にもございますよ?

どうせ今から私を捕まえようと思っているのでしょう?

仮に私を捕まえることができれば、おそらくアンデット連合を弱体化できるとお考えになっているはずです。

ですが……」


アドレスが手をかざすと、大きな魔法陣が現れ、何十人かのアンデット連合の組員達が魔法陣から出てきた。


「残念ながらそうはさせませんよ?

この子達は全員、フリースマイルの元信者です」


それを聞いた俺は驚き、思わず聞いた。


「元信者!?

じゃあ、このフリースマイルってのは!?」


アドレスは冷静に答えた。


「……色々と察しられているご様子ですね。

そう、フリースマイルは、アンデット連合の戦力を大幅に強化するための組織です。

表向きは笑顔で幸せになれる善意のある宗教団体ですが、実際は信者を洗脳して、アンデット連合の兵士として育てているのです」


それを聞いた俺は、改めてアドレスっていう男がいかにヤバい男かを思い知った。

そう考えると、だんだんと怒りが湧いてきた。


「それってつまり、信者達を騙しているってことか!?」

「心外ですね。

そこまで悪く見られてしまうとは……まぁ、そうやって変に勘違いされては困ります。

世界を笑顔で平和にしたい……そういう信者達の願いを私が叶えて差し上げているのです。

勿論、今でも私達の大事な仲間であることに、変わりはございません」

「……スマイルッシュルームを使ってまで洗脳してもか?」

「……ほう?

スマイルッシュルームのことはご存知なんですね?」

「知ってるも何も……ヴェルンドさんから全部聞いてるんだ。

そのスマイルッシュルームから取れる胞子を信者達に吸わせて、常に笑顔にしかできないようにしていること!

そのスマイルッシュルームそのものが危険アイテムかつ違法素材だってね!」

「……フッ、なるほどそういうことですか。

30年前にあなたがおっしゃったあの伝説の鍛治師がここに来られてましたね……“息子を返せ”とそう言いました。

一度追い出したのですが、またここに来られたのですね」

「……その息子さんはここにいるんですか?」

「ご安心ください。

既に彼もアンデット連合の組員として活動しています。

この中にいますよ」


組員達をよく見ると、一人だけディノサウロイド族らしきガタイのいい男がいた。


「話はここまでです。

これ以上ここを荒らされるわけにはいきません。

私達の計画を邪魔するものは、全員殺しなさい。

まずは目の前にいる彼からお願いします。

彼は既に私達にとっての要注意人物ですから」


そう言って、組員達は俺を囲い始めた。


「やるしかない!!」


ところがその時、背後から……


「やっと見つけたぞ!!!!!」


血走った目をしたヴェルンドがミスリルミョルニル(MAX)を振り回しながら走ってきた。


「やれやれ、アレから30年経過したのに、まだ懲りていないとは……」


アドレスは呆れた表情をしながらそう言った。

そしてヴェルンドはその組員達の中にいるディノサウロイド族らしきガタイのいい男にミスリルミョルニル(MAX)で腹部に攻撃した。


ドガァッ!!!!!


「グハッ!!!!」

「お前、今までどこに行きやがった!?」


どうやらそのディノサウロイド族らしきガタイのいい男がヴェルンドの息子のようだ。

しかし、アドレスは平然とした態度のまま、冷静に組員達に合図した。


「やりなさい」


そう言った瞬間、アンデット連合の組員達が一斉に襲ってきた。


(また時間を停止しようとしたらまたアイツに阻止されるから、ここは堂々と戦ってやる!!)


俺はオリハルコンポイズンソードで、オリハルコンポイズンソードの固有スキル「ポイズンクロス」を放って攻撃した。


ズバァッ!!!!!


「グハッ!」

「ガハッ!」

「グホッ!」


ドサッ!


ドサッ!


ドサッ!


前の毒剣と違って明らかに強い……流石Sランクの剣だ。

一瞬で組員達を一人を除いて全員瞬殺した。


「!?」


これにはアドレスも流石に驚いたようだ。


「この攻撃力……」


そう呟いたが、すぐにアドレスは不気味な微笑みを見せた。


「面白いですね……サンゾロさんをアヴァロン王国の賢者の石の鉱山から追い出すことができるわけですね!

いいでしょう……ならば私も一肌脱ぎますか!」


するとアドレスは邪悪なオーラを放った。

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