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第四話:ライオンとライオネス

俺は八岐大蛇から逃げてきた元女王のルシファーを仲間として迎え入れ、突然とやってきた伝説の魔物であるククルカンをカミカゼとして従魔契約をした。

しかし、俺はあまりこの世界についてわからなかったため、ルシファーに早速聞いてみることにした。

その間、カミカゼは天候操作スキルによって、一瞬で元の晴れに戻して、その後に俺の代わりに周囲の魔物を一掃してくれていた。


「ここの魔物のほとんどはゴミ以下ではないか?」


カミカゼはそう呟きながら周囲の魔物を最強の風スキルの一つである竜巻を使って一掃し続けた。


「こういうゴミ以下には、竜巻で充分だ。

……余に勝てぬ」


そして俺はルシファーに色々と質問した。


「まず、ここってどこなんだ?」

「ここですか?

ここはただの無法地帯ですよ?」

「無法地帯?」

「地図上では、人間族領アヴァロン王国領に含まれているのですが、誰もこの土地を手にしていないんです。

人間はこの世界では最も多くいる種族で、アヴァロン王国以外にも桃源郷国やカナン王国、アルカディア帝国、ジパング帝国などがあります。

ですが、どうしても問題のある土地があって、そう言ったものは無法地帯として扱われています。

無法地帯で村や町、そして国を勝手につくっても誰も言わないし、その気になれば国として独立することができます。

まぁ、無法地帯だからこその大きな問題に直面するため、未だに新たに独立した国はありませんけどね」

「なるほど、と言うことはその問題を解決すれば、ここを国として独立することができるってことか?」

「そう言うことになりますね」

「じゃあ、その問題は?」

「……魔物が大量発生していることです。

とは言ってもゴキブリやスライムなどの誰でも倒せる弱い魔物しか大量発生してないけど、実は周囲のどこかにダンジョンがいくつか生成されています。

ですが、ダンジョンには必ずボスが存在して、そのボスが持つ強い魔力を放っているのです。

しかし、付近にダンジョンが二つ以上あったりした場合、それはボスが持つ強い魔力が重なり合ってしまい、それが原因で魔物が大量発生するようになっています」

「そう言うことだったか……てっきりこれが普通なのかなと思ってたけど」

「いいえ、普通はあまり魔物が出現することもなありません。

まぁ、少なくともほとんどの魔物達は私達に対しては敵対するからあまり変わりませんけどね」

「なるほど……」

「まぁ、探してみたらダンジョンはすぐに見つかりますけどね」


それから色々と話を聞いていた。

すると、突然とカミカゼが窓から顔を覗き込んできた。


「カミカゼ!?」

「どうしましたか?」

「……汝らよ、ライオンとライオネスを見つけたぞ」

「ライオン?

ライオネス?」

「珍しいですね、ここにはライオンとライオネスなんて本来ならいませんね」

「でも、どうしてそれを俺に?」

「ライオンとライオネスは、余から見たら弱く見えるが、他の魔物を恐れる魔物で、育てることでマンティコアなどへと進化させることができる。

なんなら、この城を守る番人として城を守らせることができる……どうだ?

興味はないか?」

「……わかった。

ライオンとライオネスとの従魔契約を結ぶにしょう!

……ってか、どうやって?」

「余を含めた伝説の魔物は、主人と認められた者しか従魔契約はできぬが、普通の魔物は一撃で失神させることができれば、起き上がって従魔契約が起きる。

主人となる汝がその魔物を気に入った場合はその従魔契約を受けいれば、それで従魔契約は成立する」

「なるほど……」

(まるでどこかのあの有名なRPGでモンスターを仲間にする時みたいな仕様だな)

「ちなみに、私が女王として勤めていた頃、エーリュシオンに伝説の魔物と従魔契約をされた方が来られた時がありました。

その時は確か、”アメノカク”と言う伝説の鹿の魔物を引き連れていた勇者だったような……」

「勇者?」

「えぇ、この世界では稀に”勇者”と呼ばれる特殊な人が存在していて、人間だろうがエルフだろうがエンジェルだろうが種族は関係なく、条件を満たすことで勇者になることができるそうです」

「その条件というのは、伝説の武器を手に入れること、伝説の魔物を従えていること、そしてネザーのボスを討伐したことだ」

「ネザー?」

「地下に存在する地下世界”煉獄”を更に超えた場所に”地獄”があって、その地獄よりも更に奥深い場所に存在するのが”ネザー”と呼ばれ、そこには手強い魔物が生息しておる」

「つまり、地下から煉獄、煉獄から地獄、地獄からネザーってことか?」

「いいえ、付け加えるのなら、煉獄よりも、真っ暗な闇に包まれた”ディープダーク”、それよりも更に上に当たるアンデットがメインの地下世界”アベレーション”、それよりも上が一般的な普通の洞窟です。

まぁ、繁茂した洞窟や凍結した洞窟、熱した洞窟、鍾乳洞、クリスタルの洞窟などのいろんな種類がありますけどね」

「だが、洞窟からアベレーションへ行くには、最低でもレベルが50以上ではないと入れぬ……レベル50未満の者達が入ろうとすると特殊な結界によって、入れないようになっているそうだ。

それだけではない……アベレーションからディープダークへ行くにはレベル65、煉獄へ行くにはレベル75、地獄へ行くにはレベル85、そしてネザーへ行くにはレベル95が必須であり、それ未満の者達は特殊な結界で入れないようになっている。

これは勿論、従魔契約されている魔物のレベルにも影響する」

「しかも、噂ではネザーよりも更に奥……つまり、世界の真っ下に位置する特殊な世界”ワンダーランド”があるらしく、そこには伝説の魔物と互角レベルの最強の魔物やボスが存在するそうで、レベル5000ではないと入れない噂があります。

まぁ、本当かどうかはわかりませんけどね」

「なるほど……話を戻すけど、ソイツらはどこにいるの?」

「……余の背中に乗るが良い。

すぐに案内してやろう」

「私はここに残ります。

何があってもいいようにここを守ります!」

「わかった。

ここを頼んだ!」

「えぇ、任せてください!」


そして俺はカミカゼに乗って、ライオンがいる場所へ向かった。

しかし、カミカゼは新幹線の数倍くらいの速さで飛んでいき、10秒でライオン達がいるところへ向かった。


「ガルルルッ!」

「ガオォ〜〜ッ!!」

「コイツらか?」

(いや俺が知ってるライオンはそんなにデカくなかったような気がするぞ?

明かにオートバイクくらいのサイズがあるだろ!?)

「うむ、余が見つけたのはその二匹だ。

本来ならレベル30以下の冒険者にとっては手強い厄介な魔物だ。

ライオンは立髪で光魔法を放ち、ライオネスは炎魔法を口から放つことがある」

「なるほど……」

「だが汝は攻撃力が高すぎて、この者達は即瞬殺となる。

つまり、ある程度加減しないと瞬殺して死んでしまうことになる」

「でもどうやって?」

「……フッ、汝には余の毒に頼るしかあるまいな」

「毒?」


するとカミカゼは牙から毒を出して、自身の唾液と少し口の中で混ぜた後に俺に向かってそれを吐きつけた。


「な、なんのつもりだ!?」

「まぁ、大丈夫だ。

汝につけたのは、攻撃力が大幅に低下する毒だ。

まぁ、この毒には幸いにも人間がその毒で死ぬことはない」

「そうなのか?」


俺は試しに自分のステータスを見てみると、こう書かれていた。


『タツヒサ』

種族:人間

レベル:5

通常スキル:図鑑、収納、翻訳、威圧

固有スキル:時間停止、創造、回復(最強)

攻撃力:8020(-5000)

守備力:250

速度:24

体力:135

『効果:攻撃力低下の毒(最強)』


「これって!?」

「毒の効果や攻撃力上昇などの効果が付与されると、一時的にそういう風に表示される」

「そういうことね……」

「さぁ、そこにいるライオン達と従魔契約をするが良い」


そう言った瞬間、ライオンとライオネスは俺に攻撃を仕掛けた。

しかし、俺はすぐに時間を止めて、そして俺が最初に作った普通の刀で薙ぎ払い攻撃を1回だけして、そしてすぐに時間停止スキルを解除した。


すると、二匹ともすぐに吹き飛んで倒れた。


「や、やっちゃったかな?」

「……いや、毒の効果で汝の攻撃力が大幅に下がったことで、しっかりと失神しておる」

「えっ?」

「まぁ、みていればわかる」


すると、ライオンとライオネスが立ち上がって、俺に見つめてきた。


「ガルルルッ!」

「ガオォッ!!」

「お、起き上がった!?」

「どうやら合図のようだ」


カミカゼがそう言った後、俺の目の前に従魔契約のアレが出てきた。


『ライオンとライオネスがあなたと従魔契約したそうにこちらを見ています。

従魔契約をしますか?』


その下には、”はい”か”いいえ”が表示された。


「ちなみに一つだけ教えてやる。

従魔契約した魔物同士で繁殖して、その間の子供が生まれた場合、その子供は自動的に汝の従魔として自動で従魔契約される」

「それってつまり、繁殖だけでライオン軍団を作れるってこと!?」

「まぁ、そういうことだ。

ちなみにライオンとライオネスは同じライオンだが性別で名前が変わる魔物の一種で、他にもいる。

通常なら同じ魔物同士で繁殖させることができるが、性別で名前が異なる魔物の場合はライオンとライオネスといった感じで、種類が同じでも性別として異なる魔物同士ではないと繁殖できぬのだ」

「なるほどね」


俺はカミカゼから話を聞きながら”はい”を押して、『従魔契約完了』と表示された後、ライオンとライオネスのそれぞれのステータスを表示させて、それをみて確認した。


『名無し』

種族:ライオン

レベル:30

通常スキル:根性、遠吠え、出血

固有スキル:光(最弱)

攻撃力:168

守備力:173

速度:55

体力:1525


『名無し』

種族:ライオネス

レベル:25

通常スキル:根性、俊足、出血

固有スキル:炎(最弱)

攻撃力:159

守備力:161

速度:63

体力:1213


「悪くないステータスだな」

「……そういや、俺につけた攻撃力低下の毒っていつになったら解除されるの?」

「放っておいたらすぐに消える。

効果はだいたい1分間続くようになっているが、その1分間で毒などの直接影響を与える効果には、回復スキルで治療しなければならん。

まぁ、汝には最強の回復スキルがあるから大丈夫だろう」

「そっか……」


その後、俺はカミカゼと一緒に新たに仲間になったライオンとライオネスを城へ連れて行って、二匹は城とその周囲を守ってもらうことになった。

ライオンにはシンナラ、ライオネスにはレオライと名付けた。

まぁ、名前の由来は俺が子供の頃に親父達と一緒に見たとあるライオンの映画に由来するけどな。

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