第三十話:ティタノボア、エラスモテリウム、アルゲンタヴィス
俺は今、闘技場でマピングアリ、トロール、刑天を倒した。
そして、奴隷となったドワーフの侍”ステイン"、エルフの元冒険者”マンマゴル”、他の奴隷達と一緒に最初のボスである大百足を倒した。
「へぇ〜、やるじゃん!!」
ミカアニは邪悪な笑顔を浮かべた。
しかし、容赦なく部下に指示を出した。
「次は、ティタノボアだ」
「……承知しました」
次に戦うことになったのは、巨大な大蛇”ティタノボア”だった。
「シャアアァ〜〜ッ!!」
「次はティタノボアのようね……まぁ、余裕で勝てるけどな」
「そうなの?」
「うむ、蛇系魔物を倒す時は、喉と腹を狙うのが常識でござる。
特にマンマゴル殿は何度も戦っておる」
「なるほど……」
他の奴隷達は勇猛果敢に立ち向かった。
「お腹さえやっちゃえば、こっちのもんだ!」
「せっかくのチャンスを無駄にはできない!」
「行こうぜ!
無事に自由を取り戻して、家族の元に帰るんだ!」
そう言って、奴隷達はティタノボアに立ち向かった。
しかし、ティタノボアは巨大な尻尾の薙ぎ払いで、奴隷全員を吹き飛ばした。
ズバァッ!
ドサァッ!!
「シュルルル〜〜ッ!!」
ティタノボアは奴隷10人全員を丸呑みにしてしまった。
「奴隷を飲み込んだ!?」
「落ち着きな……今がチャンスだよ」
「えっ?」
「アンタは首を斬り落しな。
その間に腹を斬って、アイツらを助け出すよ。
ステインは奴の気を逸らしな」
「うむ、それがしにお任せを」
ステインは口笛を吹いた。
フイィィ〜〜〜〜ッ!
「!?」
ティタノボアは次のターゲットをステインに向けた。
(……ステインがこっちに来てくれたら、すぐにやれる!)
俺はしっかりと剣を構え、ティタノボアの背後からマンマゴルがいつでもお腹に攻撃できるようにゆっくりと接近していた。
そして遂に俺に接近してきた!
「今でござる!」
「あ、あぁ!」
ズバァッ!!!
ティタノボア、一瞬で首を斬った。
ドサッ!
その隙に、マンマゴルがお腹を斬った事で、中から奴隷10人全員が血まみれになりながら助け出された。
「ブヘッ!」
「苦しかった…危うく死ぬところだった…」
「でも助かった!」
「ったく、しっかりしな!」
ところが…
「シャアアアァァ〜〜〜ッ!!」
斬り落としたティタノボアの首が動いた。
「な、なんで!?」
「蛇系魔物の厄介なところは、普通なら首が斬り落とされてしまえば、どんな魔物でも死んでしまうのだが、ティタノボアのような一時的に首だけでも動くことはある。
だが、放っておけば、力尽きて、死ぬ……拙者達は単純に逃げ回るだけでも充分でござる」
「そうなのか?」
首の近くにいた俺とステインはその場からすぐに離れた。
するとだんだんと動きが鈍くなり、やがて力尽きて、ティタノボアは死んだ。
こうして、ティタノボアを撃破した。
「てっきり苦戦するかと思ったら、そうはならなかったか……だが、次からはそう簡単にはいかないよ」
そう言いながら、ミカアニはワインを飲み干した。
「大百足に加え、ティタノボアまで撃破するとは、流石です!
ですが、次のボスはそうはいかないでしょう……というわけで、続いては、まさに破壊の権化と言っても過言ではない!!
広大な平原ダンジョンの主として君臨する獣…… エラスモテリウム!!!」
そうして、3体目のボスであるエラスモテリウムが闘技場に姿を現した。
ドスンッ!!!!
「ブフンッ!!!!」
「デカッ!?」
「見るのは初めてだが……拙者でも倒せる相手か?」
「私はレアアイテムのエラスモテリウムのツノを入手するために戦ったことはあるが、私でも苦戦する相手だよ。
特に突進攻撃はガチで強力で、普通の人間なら即死するよ」
「ということは、普通のサイよりもめっちゃ強いってことだね」
「なるほど……」
するとエラスモテリウムはすぐに走り出して、突進攻撃を仕掛けた。
ドドッドドッドドッドドッドドッドドッ!!!
「来るぞ!」
「まずは避けろ!」
「あんな巨体で突進されたら、俺達死んじゃう!」
奴隷達がそう騒いでいるが、ステインは刀を構えた。
チャッ!
「それがしの獲物でござる」
「ステインさん?」
「アンタ、正気かい?」
「いかにも」
この構えはそう……居合い斬りの構えだった。
ドドッドドッドドッドドッドドッドドッ!!!!
「…… 北辰一刀流……天下無双」
ズバァッ!!!!
「!?」
ドッシンッ!!!!
エラスモテリウムに大ダメージを与えた。
それを示すかのように、巨大なツノが真っ二つに斬れた。
スパアァンッ!
ドサッ!
「ツノが斬れた!?」
「ほう?
やるじゃねーか」
「サイやウシなどのツノがある魔物を攻撃する時は、真っ先にツノを狙うべし」
「なら、後はアタシがやるよ」
そう言って、マンマゴルは剣を構え、首を狙って走り出した。
「……ここで決める」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ!
素早く走り出したマンマゴルは、エラスモテリウムの首に斬りつけた。
ズバァッ!!!!
大ダメージを与えることができた。
しかし、エラスモテリウムは倒れず、むしろ大激怒した。
「ぐううぅぅおおおぉぉぉぉ〜〜〜〜っ!!!!」
激怒したことで、エラスモテリウムはものすごいスピードで突進攻撃をするべく、走り出した。
ドドッドドッドドッドドッドドッドドッ!!!!
「次は俺の番か」
俺は剣を構え、エラスモテリウムに立ち向かった。
しかし、ステインに止められた。
「お主は温存しておけ。
この獣は、拙者達に任せて欲しいでござる」
「えっ?」
するとエラスモテリウムの背後から10人の奴隷達が攻撃を仕掛けた。
「行くぞ!!!」
「俺達には、タツヒサさんが作ってくれた防具がある!!!
突進されても大丈夫だ!!!」
「倒してやる!!!」
奴隷達は次々とエラスモテリウムに攻撃した。
しかし、エラスモテリウムもそれに抵抗するべく、奴隷達を後ろ足で全員蹴り飛ばした。
ドガァッ!!!!!!
ドサッ!!!!!
壁にぶつかったが、俺の防具のおかげで、全員無事だった。
その隙にステインとマンマゴルの二人でとどめをさした。
ズバァッ!!!!!
「……斬り捨てごめん」
こうして、エラスモテリウムは倒れた。
「なるほど、タツヒサを温存させ、自分達で奴に立ち向かうとはな。
だが、次はそうはさせんぞ」
ミカアニはそう微笑んだ。
「素晴らしい試合です!!!
大百足、ティタノボア、エラスモテリウムを倒してしまうとは流石です!!!」
観客達は盛大に盛り上がっていた。
「いいぞ!!」
「その調子だ!!」
「頑張れ!!」
そして司会者はそのまま続けた。
「ですが、次のボスはそう簡単に倒せるのでしょうか?
続いては、天空から君臨した恐怖の権化!
レイドボスの中ではかなり危険な魔物として知られている…… アルゲンタヴィス!!!」
4体目のボスとして、アルゲンタヴィスが姿を現した。
「ガアァーーーッ!!!」
そう威嚇しながら翼を広げた。
「アルゲンタヴィスか……フッ、簡単な相手でござるな」
「そうね……私とステインで協力したら、たいした敵ではないわ」
「えっ!?
二人で戦うんですか!?」
「うむ、お主とそこの奴隷達は、温存しておくでござる。
アルゲンタヴィスは、拙者とマンマゴルの二人で何度もこの闘技場で倒したボスでござる」
「なるほど……じゃあ、任せていいんですね?」
「えぇ……アンタはその間、彼らを手当てしてあげな」
二人がアルゲンタヴィスに立ち向かっている間、俺は奴隷達の体力を回復させることにした。
「す、すげぇ!!!
傷が一瞬でなくなったぞ!?」
「しかも防具も武器も元通りに治った!!」
「ありがとうな!」
「気にしないでくれ」
「いや、アンタは命の恩人だ!
俺はアンタを一生ついていくよ!」
「俺も!」
そんな俺達の様子を見たミカアニは、ワインを飲みながら見ていた。
「……フッ、まだまだだよ。
そもそも、コイツらは全員、前菜にしか過ぎない。
やっぱり、最後のアイツがメインディッシュになるよ」
意味深な一言を呟いて……




