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第十二話:最強の防具と武器を創造しちゃった

その頃、アヴァロン王国では、瞬く間に八岐大蛇がククルカンに倒されたという噂が出回った。


「八岐大蛇があの神獣ククルカンに倒されたってよ!」

「知ってるよ!

しかも野生のククルカンではなく、誰かの従魔となったククルカンだってよ!」

「互角に渡り合ったらしいけど、結局は八岐大蛇は力尽きて負けたらしいぞ」

「そのククルカンと従魔契約したソイツは今、無法地帯に国を作ろうとしているらしい」

「なんでも創造スキルとかで住宅街を作ったらしいぞ!

そこに10人の冒険者が移住したってさ!」

「まぁ、あの冒険者は金がなく、いつも宿で寝泊まりしていたからなぁ……まぁ、アイツらにとってはありがたいことだろうよ!」


その噂は、アヴァロン王国の国王にも耳が入った。


「その噂は本当か?」

「はい、八岐大蛇はククルカンに倒されたという話は既に出回っております。

そのククルカンは、誰かの従魔となったようです」

「……なるほど、他には?」

「例の無法地帯に国を作ろうとしているそうです。

ですが申し訳ありませんがそれしか情報はありません」

「……そうか。

なら、ククルカンを従魔にした人間を探し出せ。

そして無法地帯のことが本当ならそこに使者を送れ」

「ハッ!」

「そしてククルカンを従魔にした者を見つけたらこう伝えよ。

”アヴァロン王国の国王がククルカンを従魔にした者との面会を所望する”とな」

「ハハッ!」


国王の命令を受けたとある家臣は、すぐに準備に取りかかった。


「ククルカンか……是非ともみてみたいものだ。

それに、ククルカンを従魔にした者はいったい何者だろうか?

実に興味深い」


国王はそう呟いた。


一方、俺達はアレから着々と創造スキルで建物などを建てながら領土を拡大した。

住宅街以外にも畑や牧場などができ、一応村としての形になりつつあった。


「そうなのか!?」

「うん、ヒツジやウシ、ブタ、ニワトリなども全員魔物だよ。

よく見たら前世に生きた私達の世界とこの世界の動物とは異なる部分があるからね!」

「い、言われてみれば確かに、アイツらもライオンにしてはオートバイクくらいのサイズがあったからなぁ……特にライオネスと呼ばれるあのメスライオンをよく見たら小さなツノが生えていたからなぁ……」

「でしょ?

ヒツジも見た目が獣っぽくて凶暴そうだし、ウシなんてこの通り大型トラックの大きさ、ブタもニワトリも魔物らしく恐ろしい見た目になっているからね!

でも、コイツらはそこまで強くはないから、一応食用などの目的で飼育されているよ。

まぁ、私達に飼育される魔物は全体的に見て少ないけどね」

「なるほど」


俺はヒナセと一緒に牧場を見ながらそんな雑談をした。

そこへ住民となった一人の冒険者がやってきた。


「はぁはぁ、見つけたぜ!」

「どうした?」

「作って欲しいもんがあるんだ!」

「何を?」

「これらのアイテムで武器とかを作って欲しいんだ!

鍛治師達に頼んだことがあるが、ことごとく全員から”流石に作れない”と断られたんだ!」


そう言いながらその冒険者はあるものを俺とヒナセに見せた。


「な、なんだこれ?」


俺はそれを見るのは初めてだった。

しかし、ヒナセは俺とは違った反応を見せた。


「こ、これってまさか、ミスリルとオリハルコン!?

しかもドラゴンの鱗に悪魔の心臓まで!?

ど、どこで手に入れたの!?」

「何か知ってるの?」

「知ってるも何もこれらは全部レアもので、高額に取引される希少なもの!

ミスリルとオリハルコンは最も優れた金属の一種で、最強の武器などの材料としてよく使われるけど、その希少性から戦争などの原因にもなってるよ!

エーリュシオンなどのようにその希少な金属が掘れる鉱山を厳重に管理する国があるほどだからね!

それにドラゴンの鱗は50以上の高レベルの最強冒険者10人でやっと倒せるほどの強敵のドラゴン系魔物を倒さないと手に入らないし、悪魔の心臓も同じように50以上の高レベルの最強冒険者10人でやっと倒せるほどの強敵の悪魔系魔物を倒さないと手に入らない超レアアイテム!

ミスリルとオリハルコンはエーリュシオンの時に見たけど、ドラゴンの鱗と悪魔の心臓は商人の私ですら実物を見るのは初めて!!」

「す、すげぇ……」

「ミスリルとオリハルコンはとあるクエストを受けた時の報酬としてもらったもので、ドラゴンの鱗と悪魔の心臓は俺の知り合いからいらねーからやるって言われ、強引に渡されてなぁ……」

「なるほどね、確かにこんなので武器とかを作れと言われても無理な話ね。

なんせそんな貴重なものを使うなんてね」

「そうだよなぁ……でもタツヒサ!

お前には創造スキルがあると聞いたんだ!

もしも可能なら……その……創造スキルで作ってもらえねーか!?」

「……タツヒサ、どうする?」

「なるほどね。

……俺にはそれがどういうものなのかはよくわからん。

その辺はまだ初心者なんだけど……わかった。

やってみる」

「ほ、本当か!?」

「あぁ、それ全部俺に渡してくれ」


タツヒサはその冒険者からそれらのアイテムをもらい、早速創造スキルで作ってみることにした。


すると、小さな光が現れ、その光はそれらのアイテムを覆うように光った。

その光はだんだんと大きくなった。


「す、すげぇ」

「これが創造スキル……」

「一応防具と武器だけど、どんなが出てくるかは俺も予想できねーから、あまり変に期待しないでくれ」

「いや、作れたらなんでもいい!

作れるのならむしろお任せで!」

「わかった」


そして光が消えた瞬間、そこから立派な鎧と兜、そして立派な剣と槍が地面に落ちた。


「な、なんだこれは!?」

「す、すごい……」

「できたみたいだけど、二人ともどうしたの?」

「あ、アンタ!!

ステータスを確認した方がいいよ!!」

「えっ?」


確認してみた。

すると、それらはあまりにも強すぎたことが発覚した。


『タツヒサのドラゴンミスリル鎧』

ランク:S

防御力:1500

耐久値:1200

特性:攻撃力増加、ブレス無効、異常状態無効


『タツヒサのドラゴンミスリル兜』

ランク:S

防御力:1400

耐久値:1150

特性:暗視、温度調整、ブレス無効


『タツヒサの悪魔のオリハルコンスピア』

ランク:S

攻撃力:1300

耐久値:950

固有スキル:悪魔無双、邪悪なる一撃、影(最強)


『タツヒサの悪魔のオリハルコンソード』

ランク:S

攻撃力:1750

耐久値:1400

固有スキル:悪霊斬、呪いの一撃、影(最強)


「な、なんてこった……こんなの持ち歩けねーよ!」

「ご、ごめん!!!

まさかそんなヤバいものができるとは思わなかったよ!!!」

「いや、謝らないでくれ!

むしろ俺が土下座して謝りたいよ!」

「これは流石に変に持ち歩かない方が良さそうね……かといって、売るのももったいないね」

「困ったなぁ……」

「流石に俺がもっとレベルが上がってから使った方が良さそうだ。

今はまだレベルは低いからまだ使うわけにはいかない……作ってもらってすまないが、レベルが上がるまでの間、使わずに保管するよ」

「うん、その方がいいと思うよ」

「あぁ、俺もそう思う。

それとこのことはくれぐれも内密にした方がいい。

ここにいるのは俺達だけだからな……後でお前の家に倉庫を創造スキルで設置してあげるよ」

「本当か!?」


あまりにも強すぎたので、俺が作ったSランクの防具と武器は全て、その冒険者の家の中に、俺が創造スキルで新たに作った頑丈な倉庫の中に封印することになった。


「何かあった時以外、俺はレベル50になるまでは使わずに置いておくよ」

「うん、それが良いと思うよ!」


その日以来、騒ぎになると判断した俺は、俺に武器や防具などを創造して欲しいという依頼人に対して、外ではなく、依頼人の家の中で創造し、そしてそれらを保管するための倉庫を設置するという決まりができたのであった。

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