炎の合コン熱血体育祭!
小説家になろうラジオ大賞4 参加作品。
テーマは「体育祭」
名門高校に入学できたと喜んでいた俺は、驚愕の事実を知ることになる。
この高校で毎秋開催される体育祭。
実はこの体育祭は知る人ぞ知る、有名な合コン体育祭と呼ばれている行事だった。
そんなこと知らなかった俺は、今、行われている体育祭を目の当たりにして後悔していた。
この体育祭、競技中に好きな子に告白するという学校公認のイベントだったのだ。
例えばリレーでは第1・3・5走者は事前に選出される。しかし第2走者は第1走者がその場で好きな子に告白してバトンを受け取ってもらう必要がある。受け取れば次へ。次も同様に告白してバトンを渡す。もし告白が失敗すればバトンは渡らず失格となる。
なんて最悪な行事なんだ……
しかし、観戦している生徒は皆、超乗り気。
今から1年女子の競技、借り物競走が始まる。
好きな人を借りて2人でゴールするという、ふざけた競技だ。
そこに……
「山本君! 私と来て!」
「えっ? 俺?」
予想外の告白?
でも君って誰?
「違う! 山本君は私となの!」
「えっ? 俺?」
まさかの2人目?
「「「ちょっと待ったー!」」」
えー!?
俺ってこんなに人気あったの?
総勢10人の女子達が、俺を奪うため乱闘に。
これでは何の競技か分からない。
その中に同じクラスの佐藤さんが?
優しく可愛い佐藤さんが俺のこと?
実は俺も気になっていた子……
俺は乱闘の中に割って入り、佐藤さんの手を掴む。
「行こう、佐藤さん」
「ありがとう!」
そのまま2人でゴールする。
これで俺たちは学校公認のカップルとなった。
こうして期せずして彼女ができてしまった俺は、残りの競技を彼女と寄り添いながら観戦することに。
まあ、こういった行事も、いいのかもしれないな。
そして競技は1年男子の二人三脚へ。
相手に告白して2人でゴールする種目。
けど、俺には既に彼女がいるから、そのまま2人でゴールすればいいだけのこと。
と、突然、俺の前に同じクラスの田中がやって来る?
「山本! 俺と組んでくれ!」
「お前、男だろうが!」
「「「ちょっと待ったー!」」」
は?
5人の男共が、何故か俺の前にやって来る!?
「初めて会った時から好きだー」
「ぼ、僕と付き合ってください」
「お前ら正気か!」
そう、この体育祭、告白相手の性別は決まっていないのだ!
「ちょっと! 山本君は私の彼氏なんだから!」
「走るぞ」
「えっ?」
「逃げたぞ!」
「追え! ゴールさせるな!」
なんだよ、この学校は!
あと2年、この体育祭をやるだと?
転校、しようかな……