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とりあえず話を聞きなさい
ここで一旦泊まります!
2つの意味でね!(*^^*)
「ねぇ!なんでそんな風にあるいてるの!?面白いから?ねぇ!こんにちワン!」
最近へんな壁人が、鈴を転がすような声を響かせて絡んでくるようになった。
声からして女性であるだろうが、頭が上がらない。足から腰までは何とか見えるが、それ以上は見えない。というのも、この壁に逆らうような動きが出来ないのだ。
落ちないように壁から片手を放すことは出来る。しかし完全に手を下ろすこと、腕を後ろにやることも出来ない。
この壁が私を放したくないみたいだ。
「すまない、私も君らのように歩きたいのだが、人間なのだよ。少なくとも君らとは違うようだが。」
私がそう皮肉を含ませて言ったせいか、気分を害したのか彼女は大きく声を張って返してきた。
「キャー!!しゃべったーー!!なんでー?!おじさんナニものー!?」
彼女は意味不明な言葉を発して何やら慌てているようだ。
それにしても失礼な。それに何回か話していただろう?
あと、こちらからも聞きたい。
「君らこそ何者だね?」