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指揮官の資質は頭脳明晰なサイコパスが二重丸

 孫子の兵法の主役は将軍です。

 将軍が指揮権を把握していれば国は強大になりますし、駄目だと国ごと弱体化します。

 軍の根幹は兵ではなく将なのです。

 そして将軍は頭が良くなくてはなりません。今回はその要求値を見ましょう。



 孫子曰く。

 「戦いは正を()って合い、奇を以って勝つ」

 総じて戦いは正攻法で戦うものだ。そして、戦況の変化にに応じた奇策によって勝利を収めるものである。


 この一文はどちらに重きを置くかで、意味が180度変わります。

 正を以てに注目すると、正攻法こそが至上。

 奇を以てに注目すると、アイデア勝負。

 どちらが大事なのでしょう。

 はい。答えです。


 (。-`ω-)//「両方大事」

 (。´・ω・)。うん。知ってた。


 考察すればするほど孫子の兵法って、将軍の資質に対する要求するレベルが高すぎます。

 正攻法の戦いは出来て当たり前。その上で相手を出し抜くアイデアを出せと言っているのです。

 正攻法だけでは駄目だし、アイデア勝負も駄目です。

 準備を万全にした上で、奇策を捻り出さねばならないのです。その為にはあらゆることに気を配らなければなりません。

 

 「戦いの基本は正と奇の二種類に過ぎないが、これを組み合わせることによって無限に変化する。正は奇を生み、奇は正となり、円環さながらに連なって永遠に尽きないのだ」

 だ、そうです。


 何を言いたいのか分かったような分からんような話ですが、奇策と言うものは考えれば考えるほど、自然とあふれ出てくるものといいたいのでしょう。

 溢れ出てくるかな。(。´・ω・)?

 溢れ出てくる方は将軍の素質があります。



 将軍は頭かいいだけでは駄目です。他の資質も大事。

 孫子は将軍の資質について以下の五点を挙げています。


 才智

 威信

 仁愛

 勇気

 威厳


 威信と威厳の違いが今一つ分かりませんが、立派な人物であることは分かりますよね。

 これらの五点は主に味方に対して示す態度です。

 では、敵にはどのような態度を取るのでしょう。

 これは一言で片づけると「嘘つき」になります。


 「兵は詭道(きどう)なり」


 将軍は敵に対して、どれだけ嘘をつけるか勝負になります。

 孫子の兵法は敵を騙すことに重点が置かれています。


 能力があるのにない振りをする。

 戦わないと見せかけて戦い。

 遠ざかると見せかけ近づく。

 迂回すると見せかけて直進する。


 隠蔽して偽情報を流して相手を都合のいいように誘導します。

 徹底的に敵を欺くのが将軍の仕事です。

 様々な陰謀を企み、人を陥れる狡猾さが求められます。

 敵にも味方にも正々堂々としている人は残念ながら失格という事になります。


 戦局が不利な状況では有利な面を考えて自信をつけ、有利な状況では不利な要素に思いを馳せれば災いを未然に防げます。

 敵が複数いる場合は弱いものを恫喝して、こちら側に屈服させ、策を弄して相手を混乱に陥れ、その後に利益で釣って味方にします。

 徹頭徹尾、頭脳プレーですね。

 三国志の呂布の様に、自ら先頭を切って敵陣を壊滅させる力は求められていないようです。

 絵になるのはこっちですけど。


 また、将軍が犯しやすい過ちが五つあるそうです。


 「必死になると殺される。助かろうとすると捕虜になる。短気だと侮られる。潔癖だと辱められる。思いやりがあると煩わされる」


 無鉄砲に突撃しても、誰も付いてこないので戦死します。

 ビクビクおびえながら戦うと、ちょっとしたことで動揺して降参してしまいます。

 焦って腹を立ててばかりいると敵に馬鹿にされ、いいようにあしらわれます。

 プライドが高いと、誹謗中傷に耐えられず勝機を逃します。

 思いやりがあると、敵にその心を付け込まれます。

 

 確かに、過ちに感じます。


 さて、ここまでに上がった要素が将軍の必要な資質です。

 纏めます。


 将軍は、頭が賢く威厳と威信があって味方を思いやる心があり勇敢。

 敵を陥れることにためらいがなく、嘘、隠蔽、恐喝を効果的に行い、思慮深く、怒りに捕らわれず、無駄な誇りなど持たずに、思いやりがない。


 (;´・ω・)うーん。

 皆さんはどんな人物像を思い浮かべますか。

 私は誰も思い浮かべません。

 あえて言うとこの人は、精神分裂かサイコパスの一種なんじゃないかな。

 一つ一つの要素は、問題ありませんが、これらを一つの人格に集約すると、とんでもない変態が誕生する気がします。

 敵と味方でこれほど極端に、思考のチャンネルを切り替えられる人は少し怖いですね。

 それをしないといけない必要性は理解できますが、理解できるかといって誰でもできる芸当ではありません。

 仮にこんな人が身近にいたとしたら、昨日まで仲良くしていても、何かの拍子に敵に認定された瞬間、容赦ない目に遭わされます。

 個人でも結構怖いのに、将軍の場合は軍隊の指揮権を持っています。

 私が王様だったら、めっちゃ使いにくい。

 こんなサイコパスが、奇策は考えれば考えるほどあふれ出てくるとか言っているんですよ。やばくないですか。

 建国の元勲が、天下統一後に粛清される遠因はここにあるのかもしれません。

 普通に怖いよ。こんな人。(/・ω・)/



 孫子の兵法って頭から順番に読んでいると、違和感に気が付きませんが、このエッセイの為に行ったり来たりしながら読んでいると、それまで見えていなかった部分が出てきました。

 この結果は私としても想定外です。

 とても興味深いです。



                  続く

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― 新着の感想 ―
[一言]  『孫子』は、その抽象性から戦術戦略の他にも応用出来ますね。  今回では、「創作」、【小説家になろう】にも応用出来る内容ですので、ちょっと“遊び”ましょう♪www 「創作は正を以もっ…
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