好きなゲームの悪役に転生。主人公側の女キャラがお気に入りなので勇者と結ばれないよう仕向けることにした。
思い付きで書いたものです。
いや、転生しました。俺。
でもね、でも、あろうことに敵側になっちゃったてわけですよ。
それも敵ボスにね。
おれも倒されたくないから、
相手側、つまり勇者に手紙やらなんやらを送って仲良くしましょうや
みたいなことをしたわけです。
で、どうなったかって?
悪って決めつけられてる俺のことだから、まともに聞いてくれません。
手紙届けてくれた部下に話を聞けば、
「無礼者。ふざけてるのか?」
なんていわれて、手紙を真っ二つに切られてしまったらしいんですわ。
レッテル貼りって怖いな~~。
なんて思ってたけど、自分の身を守んなきゃいけないので一応
悪役に徹することに決めました。
とはいえ、犠牲者を出すことは嫌なので
平和な悪役、
自分でも何言っているのかわかんないけど
これを目指すことにしました。
目標にしましたとか言いましたけど、
俺のことを悪と決めつけた勇者君には怒りを
覚えています。
勇者っていうのは、倒すことが目的じゃなく
平和を実現することが目標でしょ。
せっかくの俺の行為を無碍にしたこいつだけは
許さない。
といっても殺したりとかはしません。
主人公の座を譲ってもらいます。
俺にではありません。
俺のお気に入りの女キャラにです。
ほんとは、俺が勇者に転生して、あんなことやこんなことで
いい活躍してムフフな展開にでもしようと思っていたんですが
敵役になってしまったので、できそうもありません。
なので、せめて、押しの活躍を見て満足しよう。
勇者と押しキャラをくっつけないようにしよう。
そう思ったわけです。
舞台設定はまぁなんと単純。人間VS魔族です。
わかりやすくていいですね。
そんな魔族が人間の土地に侵略するってだけです。
今日は、恐らく順調にいっていれば
勇者が、その女キャラを、さりげなく守っていて、
それに気づいた女キャラが勇者を意識し始めるとか
そんな感じだった気がします。
なので、邪魔したいと思います。
とりあえず、勇者がいる町を襲います。
えっ、さっき無駄な犠牲は生まないって言ってたじゃないかって?
心配無用です。
この村はダミーです。
もともとあった村に住んでる人々には、ここは危ないよなんて言って、安全な村に引っ越してもらってますから。
いまその村にいるのは、勇者一行と、俺の部下たちだけですので
ご心配なく。
とまぁ、とりあえず町を襲わせ、建物に火をつけますね。
燃えやすいように木材で建てたし、保険に油をいっぱい貯蔵しといたから
安心です。
立派に燃えてくれました。
あっ、二階にいた勇者たち焦ってますね。
でも安心してください。
勇者たちがいるところは、燃やしてません。
ちょこっと煙を出してるだけです。
しかも二階から逃げられるように、それぞれの部屋の窓はちゃんと開けてます。
飛び降りてもいいように、それぞれの部屋の下に、
不自然に池を作ってあります。
あ、彼ら飛びました。
みんな生きてます。
でも、勇者君はかわいそうですね。
馬ふんまみれです。
くさそう。
そう、勇者の池は池ではなく馬ふんまみれにしておきました。
こんな姿じゃ、キュンキュンするものもしないでしょうからね。
逆にお気に入りの女キャラの池には、バラの香りがする
いい香水を入れておきました。
ここで俺らの出番です。
わざとらしく
「よくここからにげだせたなぁ」
なんて言ったりします。
でも内心では馬ふんまみれになった勇者を見て
笑っています。
いきなり勇者が弓を俺に向かって撃ってきました。
まぁ、手で薙ぎ払えば、ガードできるんですけどね。
俺の手の風圧により、弓は急にスピードを落して
俺の目の前でバタバタと落ちる。
こんな感じで基本的に俺がやられることはないでしょうね。
勇者も
「なっ…なに?」
みたいな顔してるけど、当り前じゃん。
だって、俺、敵ボスですよ?
でも、最後まで追い詰めることはしません
ここでは途中で、俺たちが帰るという設定になってます。
ほんとになんででしょうね。
弱い状態の今の勇者だったら余裕で勝てるのに
なんて思いますが
システムは絶対です。
で、帰ったふりしてものかげから
見てみると、例のつり橋効果なんてもので
二人が何やらいい感じの雰囲気になるはずです。
ほら、見てください
勇者と俺の押しキャラが、馬ふんのにおいにもかかわらずいい雰囲気になってます
これは主人公補正ってやつですかね?
いつでも、主人公は幸せになるってやつです。
俺はこれに最後まで抗います
確かこのあたりで、なぜか偶然、お気に入りの女キャラが石につまずいて勇者のおでこに軽くキスしてしまう。みたいな話でした。
でも、ご安心を。
戦闘する前に石は全部取り除いておきました。
何なら戦闘が終わった後も、弓のごみやら、盾の割れたゴミだとかは
責任もって素早く全部片づけました。
この世界だって、環境問題はありますからね。
不法投棄ダメ、絶対。
おかげさまで勇者たちに進展はありませんでした。
こんな感じで、勇者に微妙な嫌がらせをしています。
日常の一ページを皆様にお伝えしました。
それじゃっ。