その昔、「重力マシン」ってモンスターがおってだな
今朝(2018/10/03)のニュースを見ていた時のこと。
一般相対性理論の実証実験を行うとやらで、東京スカイツリーに光格子時計なる超精密時計が運び込まれている映像が映った。
その時計がどのくらい正確かというと、なんでも6500万年に1秒の誤差しか出ないのだそうだ。
で、何の実験をするのかというと、もちろん「今日から時計を稼働させて、6500万年後に『あっ! 本当に1秒狂いましたね♡』と、その時のコメンテータさんがニッコリする。」などというモノではない。
相当ひいき目に見ても、スカイツリーが6500万年後にも今のままの状態で聳え立っていると考えるのは苦しい。
じゃあ何をするんだ! という質問に答えるならば
『低い圧力しかかからない場所では、高い圧力がかかった場所よりも、時間が早く進む』
という理論の実証なんだそうである。
2台の光格子時計を、1階の会議室と高さ450mの展望台にそれぞれ設置し、稼働させたら1ヶ月後には『10億分の13秒』のズレを刻むのだとか。
当然理論的には展望台の時計の方が気圧が低い場所にあるのだから、早く「1ヶ月後」に達する事となる。(13/10億秒だけだけどね。)
「ホンの僅かの差しかないじゃん! 大金はたいて何やってんだよ!」と不快に思う向きもあるかも知れないけれど、オイラは純粋にスゲー!!と感服したね。
そして「んんっ? なんだこの既視感は?」と頭をひねっていたら、思い出しました。
――重力マシン!!
『重力マシン』と聞いても、ピンと来ない人が居ると思うから――いや大半か?――説明を加えると、『ミラーマン』という円谷プロの特撮作品に出て来た敵キャラあるいは敵メカなんすよ。
試しに画像検索してもらうと、ビルの屋上にデンと居座っているメカ雲丹みたような写真が出て来るはず。
こいつが稼働して周囲一帯に高圧力をかけ始めると、時間が停止して全ての物が動きを止めてしまうのだ!
重力マシンが生み出す高圧力は、グリーンのブヨブヨした光の広がりとして描写され、そのスライムモンスターみたいな光に追い付かれると、人間も車も凍結したみたいに止まってしまうんですね。
『帰って来た怪獣魂』という特撮作品ムック本には、時間が停止するくらいの高重力をかけたら中の物は停止するより先に潰れてしまうのではないか、と疑問を呈しながらも、時間停止の壁が迫って来る映像的迫力を絶賛している。
だから想像してしまうのですよ。
もしスカイツリーの展望台に運び込まれたのが、光格子時計などではなくインベーダーの侵略兵器たる重力マシンだったなら!
強化ガラスの窓を透過して溢れ出す、蛍光緑色の粘っこい輝き。
驚き見上げる人、人、人。
そしてフリーズする塔の下。
輝く壁となって、タワーから広がる時間停止の波。
パニックが広がる仲見世通り。
波に飲み込まれる雷門。
――なんて事を、忙しく歯ブラシを使いながら考えていたのだが、そう言やぁ重力魔法なんてのもRPGに出て来たなァと思い至った。
昔のFFとかをやっていた時に出て来た重力魔法は、無属性魔法で割合ダメージだったような気がする。
「動きを停止させる」とか「動きを遅くする」のは別に独立した魔法として登場していたので、カブリ回避のために分離していたのだろうか。
ま、何にせよ様々な事を思い出させてくれたニュースではありました。
実証実験の結果報告が待たれる。(忘れちゃうかも知れないけれど。)