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チート能力は主人公?  作者: 穴原昌二
第一章 孤独な王女
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主人公のステルスミッション

 俺は今、5才児の女の子の部屋をあさっている。正直、犯罪を犯している気分でとても悪い気がするが、これも生きていくためなので仕方がない。


 カズキは、初めに自分が寝ていたベットをあさった。まずは、側面続けて正面とカバーを外しながら探している。探しているのはもちろん隠れる場所である。次に机とソファーを探り、隠れられそうな場所がないと本棚に標的を変えた。


 ここもはずれか。大きい部屋だけどあまり物がないから、あまり隠れる場所ってないんだよな。となると、やっぱり隠れるとなるとこのクローゼットかな。


 そう思うとカズキはクローゼットの前に移動してきた。クローゼットを開けると中には高級そうなきらきらした服はなく、まるでわざと汚しましたと言わんばかりの服がある。


 何で王女様の部屋のクローゼットの中に、こんな見るからに高級とはほど遠い服があるんだ?それも男女の服。


 本来ならあり得ない状態だが、あさり続けるとやはり男女の服があり、さらにはそのサイズが女の人用でも明らかにリーナのサイズではないものが入っている。


 どういうことだ?これは絶対にリーナのじゃないだろ。もしかして、成長した時のためってことか?だとしても、何で男性用があるんだ?さっぱりわからんが、とりあえず何かあったらこの中に隠れるか。


 カズキが自問自答していると、コンコンと言うノックが聞こえてくる。その後、失礼しますという女性の声が聞こえ、ガタンという音が聞こえた。


 まずい、この部屋にもあの人が来るかもしれない。隠れる場所は決めたが、隠れる場所の定番すぎて見つかるかもしれない。


 そう思いながらもカズキはクローゼットの中に隠れ、なるべく見つからないように奥の方に進む。すると、カズキの予想以上にクローゼットの奥行きがあり一番奥に進んでいくとなぜか扉があった。


 なんだ、この扉。まさか、ネコ型ロボットの道具とか、ライオンの王様が治める国に繋がってるとか、驚く声を動力にしているモンスターの世界に繋がっているとか、そんなことじゃあるまいな。だがしかし、異世界があると前の世界のフィクションも実在してそうで怖いな。


 カズキがそんなことを思っていると、コンコンと言うノックと「入ります」の挨拶が聞こえ、カズキはクローゼットの隙間から様子をうかがっている。


 入って来た女性は黒髪ショートのメイド服を着ており、手には箒と木製のバケツの様なものを持っている。


 やっぱり来たか。早めにこの中確認して正解だったな。ここ、隅とかに小さなほこりがあるから、あまり掃除をしてないみたいだし。


 そんなことを思い、奥で待機してると掃除も終盤に差し掛かったのか床の履き掃除に映っていた。メイドが、床の履き掃除をしながらクローゼットに近づくと……。


「このクローゼットの中に居るやつ、出てこい」


 メイドはさっきまでの可愛らしい声とは違い、低く人を追い詰めるように言いはなつ。その声にカズキの心臓がドキっと脈打つと顔が熱くなり汗が出てくる。


 何故ばれたし!!どうする、このまま出て行くなんて論外、しかしこのまま突入されると大ピンチ。もしかしたらカマをかけているだけかもしれないし、ほんとどうしよう。


 メイドが一歩二歩と近づくにいつれ、カズキも一歩二歩と後ろに下がるが事態は一切改善されてはいなかった。


 やばい!!やばい!!冗談じゃない!!こんなところでばれたら間違いなく殺される。うまく彼女に合わせて動き、なおかつ音も出さないようにしなくては。


 カズキはメイドがクローゼットの中に入ると、服をかき分けて移動してくるのでそれに合わせ対照的な動きをしている。


「うん。何か違う匂いがすると思うのですが気のせいでしょうか。けれどさっきは視線を感じましたし、どうなんでしょう?」


 なるほど、見すぎたせいでバレそうになってるのか。って納得できるか!!視線を感じるって何!!それ物語の中の奴じゃないの?

 メイドに合わせて動いていると、メイドはクローゼットから出て行った。


「やはり疲れているのでしょうか、勇者召喚とかのせいで仕事が増えていましたし、相当溜まっているのでしょう」


 そう言うとメイドは、「失礼しました」と言葉を残し部屋から出て行く。その数十分後、カズキもクローゼットから出てきへたり込んでいた。


「あっぶねー!!マジで見つかると思った!!てかよく考えればこの世界にはスキルがあるんだから、人間感知とかのスキル持ってたら見つかってた」


 カズキは緊張から解放された解放感から、ドッと来る疲労感に勝てず、メイドが交換を済ませたベットにダイブするのであった。


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