表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート能力は主人公?  作者: 穴原昌二
第一章 孤独な王女
5/43

強くない主人公

 カズキは服を着替え終えると、ベットには着替え終えたリーナが座っていた。何とも可愛らしい服装であるが、ベットの上に女の子座りで座っている姿は、何とも言えない背徳感をカズキに与える。


 そんなことを思いながらも、カズキが一番興味を轢かれたのは、リーナがやっていたステータスの表示である。


 さっきのステータスって言ってたよな、俺にもできるかな。


「ステータスオープン」


 興味本位でリーナのまねをすると、カズキの目の前に画面が出てきた。



名前:カズキ・サトウ

天命:主人公 Lv1

種族:人間 Lv1

年齢:16才

生命力 50/50

体力 20/20

魔力 ―

筋力 10

耐力 10

俊敏 12

幸運 15

適正

火1 水1 風1 電1 土1

光1 闇1 無1 生1 死1


スキル

【言語変換】 Lv―

【メニュー】 Lv1

【経験値振り分け】 Lv―


称号

【異世界人】【勇者】【主人公】



 まるで魔法の様な出来事に感心していると、カズキは自分のステータス画面を見て考察する


 ふむ、弱いな。ものすごく弱いな。それも、リーナに負けるレベルで弱いな。これどっちが正常なんだろう?リーナが正常なのか?けど、5才児が俺を持ち上げるなんて不可能だし、そうなると俺がこの世界で一般平均なのか?うん、わからん。


 それと、突然のことで気にしなかったが、リーナ言葉がわかるのはこの【言語変換】ってやつか。もしかすると、他にもこのステータスを俺のわかる言葉に変換してるのかもしれない。あと判んないのは、【メニュー】ってやつと、【経験値振り分け】ってやつか。


 カズキはそう思いながら彼方此方見ていると、ステータスの上に矢印があった。


 何だこれ。さっきリーナが見せたやつにはなかったよな。


 カズキはさらに興味を刺激され、矢印をタッチすると……。



ステータス

****

**

***

**

***

**

**

*****

**



 ステータス画面は畳まれ、今度は違う画面が開かれる。


 さっきのステータスとは違い、数字は無くステータスだけは読め、そのほかは*になっていて読めなくなっている。


 これ、メニューってやつの効果か?となると、レベルを上げるか何か条件を満たすと使えるようになる

のか、正直判んないな。


 カズキがさらなる思考の世界に旅立とうとしていると、袖を引っ張られる感触があった。引っ張られた方を見ると、リーナが不服そうな顔でこちらを見ていた。


「ねえ、何してるの」

「えっとね、自分のステータスを見てたんだよ」

「リーナも見たい」

「えっ!!」


 リーナは純粋無垢な瞳をカズキに向けているが、カズキの方は顔が引きつり見せるかどうか悩んでいた。

 なぜなら、リーナは小さい子なので、彼方此方に言いふらさないか不安である。さらに王女という立場は、カズキ達をこの世界に呼び込み、戦争に利用をしている。どう考えても信用できないが、彼女はとても幼い。もしかしたら戦争の話しはされておらず、王女と言う立場から何か知っているかもしれない。


 クソ。最悪ばれて捕まるかもしれないけど、今の俺には圧倒的に情報が少ない。捕まるのは嫌だけど、何も知らないから何もできない。あーどうする。


 カズキは悩みに悩み抜いた結果、リーナにステータスを見せることにした。リーナはとてもニコニコしているが、見せるカズキは心臓バクバクである。


 カズキはリーナにステータスを見せると、リーナは食い入るようにステータスを見る。それを見ているカズキは、内心やってしまったのではないかと思っていたが、リーナの発言で安堵する。


「お兄ちゃん弱い」

「あっうん、お兄ちゃんのステータス弱いから見せたくなかったんだ。けどリーナには特別だよ。絶対に誰にも話したら駄目だからね」

「うん、わかった」


 カズキはリーナに釘をさすと、リーナは頷いて了承した。カズキは全く当てにはならないが、言っておくことに意味があるだろうと思っていた。


「けど、この【異世界人】て言うのと【勇者】って言うの、前にここにいた人たちと一緒だね」

「本当か?」

「う、うん」


 カズキがリーナの肩を勢い掴み、思いっきり詰め寄ると、リーナは驚き困った顔をしていた。


 やっぱりリーナは何か知ってた。しかも、俺と同じ称号?を持ってる人がいるって言った。とりあえずの目的は、ここから脱出してその人たちに会いに行くことかな。もしかしたら他のクラスの人かもしれないし、それにリーナが口滑らせたり、城の人に見つかったりしたらマズイしな。


 カズキは先ほどの不安感は完全に吹き飛び、むしろいろいろなことを知れたことの喜びでいっぱいだった。


「そっか、そっか。今その人たちどこに居るか知ってる?」

「うーん?父様が「修業させる」って言ってどっか行っちゃった」

「そっか。俺も合ってみたかったな」


 とりあえずここから脱出しないと、城の人に見つかったら俺の首が飛ぶ。間違えなく物理的に飛ぶが、まだこの城の構造、警備の数や徘徊の通りなど知らない。ノ―プランでは出れないけど、まあ騒ぎが起きなければこの部屋は安全だと思う。………多分。


 カズキは勇者召喚の破壊や、異世界からの脱出よりも先に、城からの脱出を優先目標に置いた。その準備段階として、リーナに必要なものを持ってきてもらうよう頼み込む。


「ねえ、リーナ。お家の中が分かる本とか、このお家のどこに人がいるかとか教えてくれる?」

「いいけど、リーナからもお願い良い?」

「うん、何?」


 カズキは予想外の要求に戸惑うも、今までの感じから難しいことは無いと思っていた。


「今日の夜、本を読んで一緒に寝て」

「いいよ。その代わり、みんなには俺のこと内緒にしないとだめだよ」

「うん、わかった」

 カズキの予想はズバリ当たり、要求としては難しいものではなかった。カズキは2度目の釘をさすと、扉の方からコンコンと言うノックが聞こえる。


「リーナ様。お食事の用意が出来ました」


 声は女の人の物だった。恐らくリーナ専属のメイドの様なものなのだろう。カズキはドキッとすると、リーナは今までカズキと話していた時と違い、暗い顔をして出て行った。


 リーナの奴、あんな暗い顔をしてどうしたんだ?


 さっきまでとは明らかに違う顔の変化に、さすがのカズキも違和感を覚えた。しかし、だんだんと自分の置かれている状況を理解していくうちに、カズキ自身にそんな心配をしている余裕は無いことに気がついた。


 リーナが部屋から出てって気付いたけど、水とか食べ物とかトイレとかどうしましょう。というかこの部屋に掃除とか来るよな、他にもリーナが喋ったら即アウトだし、これって結構ピンチだったりしない。


「やばいなこれ、とりあえず急いで隠れられそうな場所を探さないと」


 そう言うと、カズキは隠れられそうな場所を探し始めたのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ