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剣双と星のイルシオン~Lost Memory~  作者: 紅月レン
【序章】獅子座の世界
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第四話:遺跡探索 [道中3]

シオナちゃんの尻尾もふりたい。

「んー、気持ちいい!」


今は朝で川で水浴びをしていた。

魔獣などが来ても大丈夫なように剣は服と一緒に置いてあるため対応可能だ。


「昨日見張り中に寝ちゃったのバルダさんに謝らなきゃ。

 それにこの森...森の奥は危険か。」


水浴びをして体を綺麗にしたところで、あまり長くは入っていられないため早々に出ることにする。

その後は服を着て、朝食になりそうな果物を見つけるために近場を散策する。


「あ!あった!」


果物が木いっぱいに生っているのを見つけると、シオナはすかさずお得意の風魔法で木を揺らして取っていく。


「この森の自然が豊かなおかげで、いっぱい採れて良かった。」


美味しそうに熟れた果物を見つけられたことからシオナは鼻歌でも歌ってしまいそうなくらいの気分でテントを目指して歩いている。


「皆さん、戻りましたよー」


隊員の皆は私を おかえり と温かく迎えてくれ、その後は朝食の準備とはいいがたいが採ってきた果物を川で洗う為に川へと向かう。

川に着いた後、マントを地面に広げて果物を地面に置くいて洗っていると、後ろから足音が聞こえてきた。


「あ、おはようございます、バルダさん。」


足音の正体は隊長のものだった。

隊長は私の隣にしゃがむと果物を洗うのを手伝ってくれた。


「ありがとうございます。

 それと、昨晩は見張り中にもかかわらず寝てしまってすいません。」


「いや、こうやって皆の為に頑張ってくれている、それだけで十分だ。

 それに、昨日はいきなりの戦闘で疲れたであろう、気にするほどでもない。」


怒らるのではと少しびくびくして、耳が垂れ下がってシュンとしていたが、隊長からの言葉を聞いた途端、耳がピンと起き上がった。

その後も色々な話をしながらささっと大量の果物を洗っていく。

洗い終わった後は、隊長と一緒に抱えてテントまで持っていき、武器の手入れなどやっていることは様々な隊員に果物を分けていく。その後はいつもの流れだ。


「星神レグルス様に感謝を。」


「「「感謝を。」」」


果物にガブリとそのまま噛みつくと、噛みついた途端ブワッと甘い果汁が溢れ出してきて甘くてとても美味しかった。

皆一様に果物にかぶりついており、しっかりと熟れているもの選んだおかげか酸っぱいということは無く、美味しそうに食べていた。


その後は地図を確認し、フェザーウルフが生息していると言われる場所と遺跡の場所を照らし合わせルートを決めていく。

予定としては、フェザーウルフを討伐した後森を抜けて更に歩いたところに小さな村があるらしいのでそこに寄るということになった。村から遺跡は歩いて1時間くらいとのことで割と近いようだ。


「それじゃあ、出発するぞ。森は深い、気を抜くなよ。」


「「「了解!」」」


8人で歩くというのは非常に目立つ。

それでも、魔物はそれほど馬鹿ではないため、迂闊には近づいて来ない。


3時間ほど歩いただろうか。

日差しは真上から照り付けているが、森の中ということもあり葉の隙間から光が漏れる程度でコンディションとしてはかなり良かった。

魔物の強襲なども特に無く順調に進んでいた。

そして、そろそろフェザーウルフの住むとされる場所を歩いてると、近くの木々をガサガサと素早く動き回るものがいることに気が付いた。


「へへ、見つける手間が省けたってもんよ。

 ここじゃ、気が多くて戦いづらい。少し走って開けた場所で戦おう。」


隊長からの指示があると、隊員はスピードを上げ一定のスピードで森の中を駆け抜けていく。

森の中を走っていると、左右に何かが並走しているのがわかった。

木々が生い茂るところで戦うのを避けるためにフェザーウルフがいると思われる方にはあまり寄らないようにしていた。


だが、それは間違いだった。

否、目的の開けた場所に辿り着けたのだ。


「くそ、誘いこまれたか・・・。

 オルゴ、敵の数はいくつだ。」


敵の数を把握するため、ゴブリン戦と同様に敵の数を耳の良さから聞き分けられるオルゴへと問いを飛ばす。


「20・・・いや、30・・・?!

 それと、な、なんだこいつは!」


刹那、場に突風が吹き荒れた。


「「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン」」


あまりもの恐怖に体が震え、肌がビリビリと恐怖した。



"フェイズⅡ"


隊員の誰かがポツリと呟いた。

この世界の魔物の強さはフェイズというもので表されている。

フェイズはフェイズⅠ、Ⅱ、ⅢとありフェイズⅠが弱くフェイズⅢが強い。

ちなみに、フェザーウルフはゴブリン同様フェイズⅠであり、フェイズⅡはフェイズⅠの上位種とされており、更にその上がフェイズⅢだ。

フェイズⅡはそれなりの腕の冒険者が8人で1対倒せる程度の為、探究者達は8人で隊を組んでいる。

フェイズⅢは賢者や剣聖と呼ばれるレベルのものでなければ抗うことすら不可能だが、滅多に現れることは無い。それこそ、神話のようなものだ。


今シオナ達の目の前に居るのはフェザーウルフより2回りも3回りもある上位種のブラストウルフが2匹も現れたのだ。それだけならどうにかなったかもしれないが、その周りにはフェザーウルフがなんと30匹という大規模な群れだった。

恐らくフェイズⅡが2匹居ることから、オスとメスのブラストウルフが互いの群れを統合し、より強い群れへと進化したのだろう。はっきり言って、運が悪かった。

ギルドの方から討伐隊が組まれてもおかしくない数の群れだからである。

クエスト内容はたったの10匹だったのだ。

なんと3倍+意味が分からない奴2だ。運が悪いでは話が片付けられないだろう。

それでも、戦はなければならないため戦況を判断し、隊長のバルゴは指示を出す。


「カンナ、でかい魔法で敵は一掃できそうか?」


「まとめてくれさえすれば倒せるわ。」


「よっしゃ、作戦はゴブリン戦と同じだ。

 だが、一つだけ違う。今度は敵を誘ってひとかたまりにしてやれ!

 カンナの魔法の完成まで時間を稼ぐぞ!」


「「「了解!!」」」


「生きて帰るぞおおおお!」


隊長は剣を高く掲げ隊員の指揮を上げると、副隊長と共に無理を承知でブラストウルフへと対峙した。


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