逮捕
え?
口を思わず手で塞いだ。
周りを見ると、みんなが門の方に注目している。
何々?
「その男は、盗賊ですよ」
美形だ。
白馬に乗って美形が現れた。
金色の波打つ髪を後ろで一つに縛って、碧のキラキラした瞳で男を睨みながら、美形が現れた。
細身でありながら、鍛えていることが分かる身体を軽量な鎧で覆い、育ちの良さが滲む柔らかで真面目そうな顔を顰めて、美形が言う。
「その男を、捕まえなさい。」
その声に反応した、門番たちの動きは早かった。
もちろん、あんちくしょうも抵抗したが、多勢に無勢でサクッと御用になった。
私は当然、被害を被らないように下がって野次馬をしていた。
あー、あんなに悩んだのに。あっさり解決してくれちゃって。
美形は馬から降りて、門番と話している。門番はあからさまに畏まっている。
あの美形って何?王子?
気になって【鑑定】すると
名前 ウィリアム・スターヒルト
年齢 22
職業 正騎士
称号 剣神の愛し子
スキル 生活魔法(2)剣術(8)体術(1)鑑定(5)戦闘指揮(3)
騎士だった。
へー、他人の隠蔽してるステータスって、同じスキルレベルで見られるんだ。
へー、こっちの神様って実際に個人に関わってくるんだ。
・・・へー、神様に愛されててもスキルレベル8なんだぁ。
・・・へー、そっかぁ。
・・・・・絶対にスキルは隠し通そう。