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門番
ああぁあぁあ。
自分の番じゃないのに、ドキドキするわ。
あんちくしょうが小さな板を門番に見せてる。
門番の横に立っていた、文官っぽい人が布越しに水晶玉を持って、あいつはそれに手をのせながら、受け答えしているようだ。
私はそこから5、6人ほど人を挟んだ後ろに並んでいる。
そいつ、そいつ悪い奴ですよー。
門番の前にいるけど、つい、「後ろー!後ろー!」って叫びたくなる。
門番、信じてるからお願いよ。
門番は少し話した後、あんちくしょうを捕まえ・・・・・・ない。
なんですと。
ちょ、笑顔で見送ってんじゃないわよ。
手なんか振ってんじゃないわよ。
どどどどどうしよう。
何か見えない印を付けて、後を追うべき?!
引き留めるべき?!
あいつも、笑顔で通ってるんじゃないわよ。
ちょっと、待ちなさいよ。
私が考えてる間くらい待ちなさいってば。
もう、
「待ちなさい!」
え。
私、口に出してない・・・よね?