時魔法
ノウン
「クロックアップ。アクセルブースト。」
ノウンは時の剣で木をばらばらに切り裂く。
クロックアップ 消費MP 30
対象のAGIを一定時間上昇させる。
アクセルブースト 消費MP80
少しの間自身を2倍速にする。
リンゴ
「わあ、素早い連撃。かっこいいです。」
ノウン
「2倍速とかやばいな。」
リンゴ
「でも速さが2倍になるんですよね。速すぎて制御が難しいんじゃ?」
ノウン
「いや、周りが遅くなる感じでそれ以外は普段と変わらないな。」
リンゴ
「そうですか。私もMPがたくさんあれば出来るのに。」
ノウン
「HPを消費して魔法を発動できればいいんだが。」
リンゴ
「やってみます。」
リンゴは集中し生命力を放出しようとする。
しかしなにも起こらなかった。
ノウン
「なにも起こらないな。」
リンゴ
「なにも起こりませんね。」
ノウン
「仕方ないよ。それにそんな簡単に出来たらゲームバランスが崩れる。」
リンゴ
「時の剣ですでにゲームバランスが壊れてる気がしますね。」
ノウン
「それもそうだな。」
リンゴ
「なんか周りにプレイヤーが隠れていますね。」
ノウン
「そうだな。たぶんPKだな。」
リンゴ
「もしかしたら私のせいかもしれませんね。魔物と戦ってた時にレアモンスターと間違えられ襲われたのでやりかえしました。」
ノウン
「大丈夫だ。攻撃されてやりかえしてもPKにはならないし。」
リンゴ
「そうですね。えっと。その。」
ノウン
「ん?どうしたんだ?」
リンゴ
「いや、なんでもありませんが12ほどやりかえしました。」
ノウン
「なんでもなくないですね。何がどうなったんだ?」
リンゴ
「はい。あの。私他のプレイヤーから見ても魔物しか見えないみたいで。」
ノウン
「そういえば何も装備してないな。時の剣ぐらいしか持ってないし。見つめても名前ぐらいしかわからないしな。」
リンゴ
「不便ですね。運営は手抜きでもしてるのでしょうか?」
ノウン
「さあ、でも確かに不便だな。ささっと街まで帰るか。」
ノウンはリンゴ腕とフライングナイフを持ちこねこタウンまで飛んでいく。
周りにいたプレイヤーも追いかけて来るが時の剣に魔力を込め加速しプレイヤー達から逃れた。
ノウン
「ん?何か来る?」
ノウンはこねこタウンの方を見るとフィーネさんが飛んできた。
フィーネ
「ノウンさんですね。先ほどから剣を持ったプチベアにやられたプレイヤーが出てきています。何かごぞんじでしょうか?」
ノウン
「すいません。それは多分リンゴの事ですね。」
フィーネ
「よく思えばプチベアがいますね。」
リンゴ
「初めまして。リンゴです。襲われたのでやりかえしました。」
フィーネ
「襲われた?ノウンさん何か悪い事でもしたのですか?」
ノウン
「いや、ただ別行動していて。」
フィーネ
「そういえば魔物と従魔を見分ける方法がまだ知れ渡ってないですね。」
リンゴ
「見分ける方法があるのですか?」
フィーネ
「技能の鑑定と看破のレベルが上がれば見分けられるけど取得条件が特殊でね。」
ノウン
「看破なら俺もあるぞ?」
フィーネ
「看破は読み込んで、鑑定は出す感じ。」
リンゴ
「何言ってるかわかりません。」
ノウン
「なるほど。やってみよう。」
ノウンは技能 鑑定を習得しました。
リンゴ
「えっ?今ので出来たのですか?私もやってみます。」
リンゴは技能 看破を習得しました。
リンゴは技能 鑑定を習得しました。
リンゴ
「あっ、できました。」
フィーネ
「それにしても時の剣にフライングナイフですか。どちらも強力な力を持った武器ですね。」
ノウン
「ロングレンジスピアと聖なる光の盾もありますね。あとはエンシェントトレントの杖ですね。」
フィーネ
「えっ!?エンシェントトレント!?」
ノウン
「知っているのか?」
フィーネ
「ええ、究極魔獣の一体ですね。私でも苦戦するチートな魔物ですね。もし現れたら私たちが直接倒しに行かないといけませんし。」
ノウン
「そうなのか?」
フィーネ
「まあ。現れるなんてことはありませんし現れても不完全な劣悪種でしょう。」
ノウン
「エンシェントトレントの杖は危険なのか?なんか地面に触れたら白くなったが?」
フィーネ
「そうですね。危険ですね。出来れば回収したいのですがよろしいでしょうか?」
ノウン
「プレイヤーから運営がものをとるのですか?」
フィーネ
「うーん。まあ、そういうことになるね。私達には、プレイヤーに干渉してはいけないとか。ルールとかは特にないからね。」
ノウン
「えっ?そうなのか?」
フィーネ
「そうだね。」
リンゴ
「もしかして無理やりにでも奪うつもりですか?」
フィーネ
「いや、無理やり奪う気は無いよ。ただ、杖をそこらへんに放置して真っ白な大地を作られちゃうと困るしね。」
ノウン
「確かに。でも大丈夫ですよ。使う気はまだありませんし。蛹さんにしばらくは渡しておくつもりです。」
フィーネ
「まあ、蛹さんなら仕方ないですね。」
ノウン
「蛹さんのこと何かしっているのですか?」
フィーネ
「そうだね。詳しいことはいえないけどね。」
ノウン
「蛹さんって人間なんですかね。」
フィーネ
「さあ。ん?」
フィーネが横を向く。
ノウンもフィーネがみている方向を見ると何も無い。
フィーネ
「何かきますね。」
ノウン
「はやいですね。」
フィーネのみている方向から光のような速さで何か近づいていることに気づいた時にそれは隣にいた。
シラフ
「フィーネさんこんなところで何してるの?」
フィーネ
「シラフさんいきなり現れないでくださいよ。」
シラフ
「えっ!ひどい!」
ノウン
「今何が起きたのかわからないんだが、速すぎじゃないか?」
クロノス
「当たり前だ12倍速で飛んでいるからな。」
目の前には、大きな魔獣クロノスとそれに乗った狼の獣人シラフがいる。
ノウン
「12倍速か。すごいな。でもそれだけか?」
シラフ
「僕の力で音速で飛んでクロノスの力で12倍速。」
ノウン
「何それ凄い。」
フィーネ
「相変わらずはやいスピードね。まあ、光の速さで移動できるサテナやミホ、イグニとかよりは遅いけどね。」
クロノス
「さすがに光の速さで倍速を使ったら身が持たないからな。」
リンゴ
「光の速さってすごいですね。」
ノウン
「だが、さすがに制御は難しいだろ。」
シラフ
「そりゃそうだよ。僕だって昔は色々とぶつかってたよ。」
ノウン
「それにしても。こんな早く移動して何をしているのですか?」
シラフ
「僕たちは、まあ基本的に配達とか魔物退治とか潜入とかしてるよ。」
ノウン
「潜入?」
フィーネ
「クロノスは時を止めたり戻したりもできるから便利なのよ。」
ノウン
「もっ、戻したりも出来るんですね。」
クロノス
「そうだな。それにしてもお前が持っているのは時の剣か。」
ノウン
「ん?そうですよ。もしかしてクロノスさんがつくったのですか?」
クロノス
「いや、私が作ったのは。まあ、秘密だな。」
フィーネ
「ALRの情報を簡単に漏らされては困りますよ。」
ノウン
「まぁ、そうだな。きになるならいまガチャをすればいいしな。」
フィーネ
「ちょっと。あなたがガチャしたら出てしまうじゃないですか。ガチャから望んだもの出さないでくださいよ。ガチャはあなたの倉庫ではありませんよ。」
ノウン
「そんなこと言われても。勝手に出てしまうから仕方ないじゃないですか。」
フィーネ
「はあ、クロノスさんが何を作ったのか話しますからガチャするのはやめてください。お願いします。」
ノウン
「わかった。」
クロノス
「またやっかいそうな奴に憑かれたみたいだな。私の作ったものだが。こんなものだ。」
SSR 魔法の剣の装置
魔力を込めると光の刃が発生する。発生した刃は属性を付加出来る。
LR ガトリングマジックロッド
魔力を消費し、様々な魔法をランダムで乱発する。
LR メビウスリング
強い力を持つ指輪。
HP、MP回復速度が大きく上昇する。
ステータス低下、状態異常を時間経過で緩和し、打ち消す。
周囲にいる仲間にも僅かに効果がある。
LR ジャッジメント・レイ
座標を指定して様々な衛星兵器で攻撃できる端末。
衛星兵器のエネルギーが足りない場合は不発、威力低下になる。エネルギーは時間経過により回復する。
SSR 生滅の札
魔力を流すと触れたものを消失させる札。使い捨て。
ALR 運命のコンパス
目的の場所への方向がわかる。
ALR 次元剣クロノス
時と光の魔術師クロノスさんが作った剣。
凄まじい力を持ち、魔力を流すことで時間と空間を操れる。
ALR 虹のリング
装備者にほぼ全ての属性耐性と魔法適正を与える指輪。魔力を流すことで虹色に輝き全ステータス大幅に上昇をさせ、ほぼ全ての攻撃を無効化出来る。
ノウン
「時間と空間を操る剣。無敵の指輪。衛星兵器。よし、ガチャしよう。」
ノウンはガチャをしようとしたが赤い×が付いていて反応しない。
フィーネ
「ガチャは辞めるって約束だったよね。」
ノウン
「えっ?もしかしてずっとガチャ出来ない?」
フィーネ
「そりゃあ。まあ、期限も話してないし、それにガチャの内容もはなしちゃったしね。引かせるわけにはいきませんよ。」
ノウン
「アカウント変更するしかないのか?」
クロノス
「アカウント変更とか古すぎだろ。生体認証で簡単に特定出来るぞ。」
ノウン
「なんでですか。私はただガチャをしたいだけなのに。」
シラフ
「さすがに行動を制限するのはやりすぎじゃないの?」
フィーネ
「やりすぎじゃありません。これでも足りないくらいですよ。」
シラフ
「それほどなの?」
フィーネ
「あるゲームでは、対戦相手に噛み付いたり、雷を落としたり、混乱させたりして、大会で世界一位になったわね。」
シラフ
「なにそれこわい。」
ノウン
「はあ、まあ。ガチャに頼るのは確かに良くないですね。たまには自分の力でなんとかしないとな。」
フィーネ
「あるゲームでは、」
ノウン
「いやいや。もうその話はいいから。」
フィーネ
「そうですね。それでは、そろそろ失礼しますね。」
シラフ
「僕も。またね。ノウン。」
ノウン
「またな。」
シラフとクロノスはぶっ飛んでいった。
フィーネ
「さて、二人きりになりましたね。」
ノウン
「ん?まだ何かありましたか?」