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異世界魔王の耳に念仏唱えたら俺の嫁になった  作者: 森田季節


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第39話 打ち上げ

すいません、自分の別の小説を更新してしまっていました。修正しました!

★魔王ベルエールの陣営


 オークの大臣ドーネに早朝から起こされて、ベルエールは機嫌が悪くなった。


「なんだ、いったい?」


「はい、四天王が……」


「ああ、四天王がマルファたちを殺したのだろう。別に吉報だからといって、僕の眠りを妨げてまで伝えてくれなくてもいいよ」


「いえ、四天王が全滅いたしました……」


 ベルエールの眠けも完全に飛んだ。


「そんなバカな……。あれだけの者に勝てるだけの戦力など、マルファにはないはずだ……。マルファに従って、人間の世界に赴いた者など、たかがしれているじゃないか……」


「なので、敵の主力はやはり前魔王の夫である人間なのではないかと……」


「どんな人間であれば、ドラゴンを倒せるんだ? それにドラゴンだけじゃないんだ。仮にドラゴンを苦労の末に倒したところで、どこかで力尽きるはず……」


「それが、ドラゴンのガルドレントは森の手前の山の上空で雷を受け、即死したもようです……」


「雷? ガルドレントは雲の下を飛ぶような愚かな真似をしていたのか?」


「いえ、それが……どうも雷が大地から空へ伸びていくような姿が見えたと人間の世界では噂になっております……」


「そんな魔法聞いたことがないぞ……」


「はい、私も聞いたことがございません……」


 四天王があっさり全滅したという話はすぐに広まってしまい、結果的に任命者のベルエールの権威も下落した。


 マルファ討伐作戦もそのまま暗礁に乗り上げてしまったのである。


★ゴーウェンの陣営


 四天王を倒した日、神格をねぎらう意味もこめて、打ち上げをした。


 神格は原則、肉食をしないのでマハーカーラに野菜だけでのコース料理を作ってもらった。


「たまにはマハーカーラも一緒に食べたらどうだ?」


 だが、マハーカーラは首を横に振るだけだ。

 不動明王アチャラ・ナータもそうだけど、実体持って出てくるけど、しゃべらずに役目を終えると消える神格もいるんだよな。

 あるいは韋駄天スカンダとか、効果だけが発生する神格もある。


 シュリいわく、

「それはあなたの気持ちおよび、神格側の主義・信条の問題よ」

 とのこと。


「ほら、あなたが韋駄天スカンダのマントラを唱えた時、足速い人が出てきてほしいじゃなくて、足が速くなってほしいって思ってたはずでしょ。神格が出てこない時はたいてい効果自体を願ってるのよ」


「なるほど。一理ある」


 じゃあ、残りが神格側の主義・信条か。


「召喚された神格がその場所に残るか、すぐ戻るかは神格の価値観の違い」


「もうちょっと具体的に言ってくれないとわからん」


「たとえば、仕事が終わったあとに仲間で居酒屋に行こうとする人もいれば、すぐに自宅に帰ろうとする人もいるでしょ。そういう違いよ」


「つまり、マハーカーラは仕事終わったらすぐ帰宅する側なんだ」


「すごく雑に答えるとそういうことよ」


「別に俺が嫌われてるからってことはないよな……?」


「そんなことはないと思うけど」


 まあ、大丈夫だと信じよう。


「うん、おいしいです。とくにこの野菜のソテー、甘くておいしいです」(地蔵菩薩クシティ)

「あ、けっこううまいじゃん、これ」(弁才天サラスヴァティー)

「おー、なかなかいいですねー。デリシャスで-す!」(水天ヴァルナ)

「美味なり」(帝釈天インドラ)


 ひとまず全員、好評だったのでよかった。


「みんな、今回はありがとう。このまま、ここに留まってもらっても、みんなの世界に帰ってもらってもいい。お任せします」


「そうですね、少しは人の役に立つようなことしたいですね」

 クシティがいかにも神格らしい模範回答を言った。


 ほかの神格も似たような見解だった。


 翌日から神格たちが近くの町に出没するようになった。


 ヴァルナは最高水準の水を出して、格安で販売して、評判になった。

 お金とるのかよという話だが、どうやらお布施という扱いらしい。


 サラスヴァティーは音楽神なので、楽器を町の人間に教えた。

「あ~、そこ、違う、違う! もっと強く押さえないとその楽器は鳴らないからー」

 教え方はなかなかスパルタだったが、上達した人間がけっこう出てきたという。


 インドラは武神らしく、剣技を教えることにした。

 さすがにドラゴンを一撃で倒す雷の魔法を教えるわけにはいかないので、そうしたのだが――

 とてつもなく高名な剣士がやってきたということで話題になりすぎて、遠方からも通ってくる人間が出てきてしまうようになった。


 クシティは子供が大好きということで孤児院の先生役をやることになったのだが――

「あっ、そんなところ、触っちゃダメですよ! ダメですからね!」

 あまりにも胸が大きいので、悪ガキたちにおっぱい触られてあたふたしていた。


 とにかく、人口4000人程度のサリアラントの町におおいに貢献はしたらしい。

昨日から大阪のオバチャンが美少女の騎士に転生して、異世界でお好み焼き屋をチェーン展開するという話をネタではじめました。

よろしければこちらも見てやってください!

http://ncode.syosetu.com/n1504de/

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