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異世界魔王の耳に念仏唱えたら俺の嫁になった  作者: 森田季節


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24/50

第24話 魔王との戦い2

更新遅れてすみません! 次回も更新が明日の夜になりそうです。

すいません、魔王倒したあとの回を誤って更新してました!!!!!

ほんと、すいません!!!!!!!

修正しました!!!!!!!!!

 すぐに韋駄天スカンダのマントラを唱える。


「オン・イダテイタ・モコテイタ・ソワカ!」


 移動速度を最大限に上げて、その槍の一撃を回避する。


 できるだけシュリより遠くへ。

 あいつが動けないとしたら、戦闘中に巻きこんでしまう恐れもある。


 こちらも剣を振るうが、敵の槍に簡単にはじかれる。

 むしろ、槍のせいで敵の近くに寄ることすらできない。

 これじゃラッキーパンチすら当たらない

「くそっ! リーチが違いすぎる!」


「なんじゃ、言葉の割にはつまらん剣を使っておるではないか。それは魔王に刃向かう時に使うものではないぞ。その鎧もせいぜい初級冒険者が稼いだ金で買うようなものじゃ。お前は服が破れんと捨てられんタチか?」


「ドレスコード違反か。俺も魔王と戦うことになるだなんて思ってなかったんでな!」

 むしろ、勇者失格ということで処分されようとしてたぐらいだ。


 一度、距離を離す。

 速度だけなら負けてはいない。


 ちょっとやりあっただけでもわかるが、ステータス自体は向こうのほうが格段に上だ。


 アチャラ・ナータを召喚して戦わせるか?

 でも、あの槍が力を発揮してる空間で、神格を出すのは自殺行為かもしれない。


 神格が何も機能しない恐れがある。

 そしたら、その隙が命取りになる。


「おい、貴様! とっとと降伏しろ! 魔王様にはお前でもかなわん!」

 ナリアルまでが声をあげている。これじゃ、俺の味方みたいだぞ。


「でもさ、お前も魔王様が命を狙われてたら、割って入るだろ? それと同じだ」

「くっ……お前はいつも卑怯だ!」


 たしかにあいつに魔王を出すのは反則だったかな。

「けど、俺にとってのシュリだってそれぐらい大事な存在なんだよ!」

 シュリもヴィナーヤカも神格の前に俺の家族だ。

 絶対に守る。守ってやる。


 レヴィテーションの呪文を詠唱する。

 これで飛翔能力を得た。翼のあるマルファと同等に戦える。


 ふわりと樹上に出る。木の上は空間が広がっている。


 さらに――

「オン・アニチ・マリシエイ・ソワカ!」

 今度はマリキのマントラを唱える。


 これで姿を消す。

 それでマルファに対抗するつもりだった。

 だが――


「バカめ! 気配が露骨に残っておるわ!」

 俺の姿のことなどまったく意に介さず、マルファは突き崩しにかかる。


 ダメだ。事前に存在を知られているんじゃ、見えなくなったところで役に立たない。

 すぐに透明になるのを解いた。


「素早さ以外はたいしたことないのじゃな!」

 言われてるとおりだ。

 こっちは槍をかわすことが精一杯で、攻撃に転じる余裕がない。

 厳密にはこんな木っ端武器では槍の間合いに入りこめない。


 ――待てよ。


 なんで攻撃に転じられないかといえば、剣で斬りにいけないからだ。


 剣でなければ、その限りじゃないかもしれない。


 危険はある。


 むしろ、正気の沙汰じゃないと言ったほうが正しい。


 それでも起死回生にはつながる可能性はある。


「なんじゃ。威勢がよかったのは声だけか? これでどうやってわらわの軍を食い留めるのじゃ? 言うてみよ?」

 まだマルファは本気を出し切ってはいない。

 舐められてるとも言えるが、そこにこちらのチャンスも生まれる。


 手に力をこめる。

 次に敵が突っこんできた時がチャンスだ。


 上空で攻撃を待つ。


「さあ、喰らうがよい!」

 一気に空を駆け上がるように、マルファが加速してこちらに来る。


 俺はその槍をかろうじて剣で受けると――


 その剣をマルファに放り投げる。


「なっ……!?」


 意外な攻撃に一瞬、マルファも虚を突かれたようだ。


 とはいえ、体を横にしてマルファはそれをかわす。


「バカ! 唯一の武器を投げ捨ててどうすんのよ!」


 シュリが地上から叫ぶ。

 そう、これは唯一の武器だ。


 武器としてはな。


 俺は体を横に流したマルファにぶつかる。


 スカンダのマントラで得た最高速度で。


「なっ、貴様、自分を――!」


 ご明察。


 俺自身が武器になれば、話は違う。


 そのまま俺とマルファは樹上の空間から地面に突っこんでいく。

 隕石が落ちてきたような無茶苦茶な速度で。


 衝撃が来る――が、俺の下にいるマルファのほうがダメージは大きいだろう。


 これで気絶でもさせられれば、それはそれでありがたいんだが――


「ちっ、くだらん真似をしおって……」


 さすが魔王だ。残念ながらたいして効いていない。

 せいぜい服を汚せた程度だ。


 けれど、ポジションは俺のほうが有利だ。


 俺がマルファを押し倒した格好になっている。


「なっ……! 貴様……無礼であるぞ! 今すぐそこをどけ!」


 マルファの顔が赤い。

 あっ、これ、ラッキースケベ的なやつでもあるのか。

 いや、故意だからラッキーではないけど。


 とはいえ、別に命懸けでお色気展開なんて狙うわけがない。

 ラノベでもボス戦中に胸も揉まないし。ぱんつも見えない。


 とにかく、マルファに接近する必要があったのだ。


 距離は近ければ近いほどいい。


「すぐにここから離れよ! この下賤の者め! 百回処刑しても足りぬ――」

「聞け、魔王」

 マルファにのしかかるようにして言った。


「な、なんじゃ……?」

「俺はマントラを唱えることでここまでやってきた。けどな、マントラにしてもお経にしても聖なる呪文なわけだ」

「お前は、な、何を言っておるのじゃ?」


「そこでふと気づいたんだよ。仏教には魔王を改心させた神格もたくさんあるってな」

「だから、何が言いたいのじゃ!」

 俺が近すぎることで威圧できているのか、マルファはあまり声に力がない。


 そのほうがありがたい。この至近距離で適当な攻撃魔法を唱えられたら俺は終わりだろうからな。


 さあ、聞け。

 俺のマニフェストを。


「お前を改心させて、善良な神みたいな存在にしてやる!」

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