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第五話

 昨夜はあれから、メイセ一人でこの山小屋へ辿り着いた。質素な作りであったが家具一式と、小さいバスルームが備え付けられている。この場所への恐怖心は拭えなかったが、メイセは身を綺麗にしようと沐浴した。室内は綺麗に整えられているが、狼男も以前ここに住んでいたのだろうか。彼は何故、こんなにも自分に固執するのだろうか。帰りたい気持ちは山々であるが、狼男の事を知りたい気持ちが生まれて来たのもまた事実である。ひとまず此処で生活しながら様子を見ようと決め、その日は床についた。


 翌日メイセが目を覚ますと、空は清々しいほどに晴れ渡っていた。昨日の出来事全てが夢のように感じたが、ベッド横に置かれたテーブルには狼男から貰った鍵がしっかりと置かれていた。

 まずは何から始めようか…。そういえばしばらく何も口にしていなかった事を思い出し、何か食べられそうな物はないか家の周りを探索した。幸いにも苺のなった株やさくらんぼの樹が傍に生えていたので、それをいくつか取って口にしてみた。空腹が満たされるほどの量ではなかったが、久しぶりに食べた果物の味はとても酸っぱくて懐かしい味がした。


 一通り辺りを見回し、危険な要素は無さそうだと判断したので山小屋へと戻った。昨日は暗くて分からなかったが、玄関先に白い小さなポストスタンドがあることに気が付いた。鍵が掛かっていないようだったので恐る恐る中を開けると、そこには一通の手紙が入っていた。封筒を取り出し差出人の名前を見ようと裏返すと、そこには“ブリアン・アメルハイザー”と署名が入っていた。メイセは直感的にそれが狼男からのものであると察し、その場でビリビリと封筒を開け中を見た。

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