第3話
今日は2話投稿します。
終業式が終わり、俺と夢海それから友達の大田秀也の3人はホームルーム教室に帰るため廊下を歩いている。
「早く家に帰りて~」
「同感だね。私も早く【NGO】をやりたくてうずうずしている」
「気持ちは分からんでもないがお前ら少し落ち着け」
この2人は学校に来てからずっとこの調子だ。いや、まわりもか……。
あたりを見渡すと「早く帰りたいね」や「早く15時になんないかな~」などの会話が聞こえてくる。
(まぁ、俺も人のことは言えないがな……)
俺も早くゲームがやりたくてうずうずしていた。
◆◇◆◇◆
教室に帰り、担任の話を聞いて帰れるようになると、何人かの生徒が突然走りだし「ウォオオオ」と言いながら帰って行ったやつらが何人かいた。(その中に妹、幼馴染、友達がいた)。
「別にそこまで急がんでもゲームは逃げないだろ……」
俺は顔に手を当ててあきれていた。
◆◇◆◇◆
家に帰り、妹と昼食を食べ、ログイン時間まで今発表されている情報を改めて眺めた。
14時50分。トイレなどを済ませて、ヘッドギアを着け、15時丁度俺はコマンドを唱え、【NGO】の世界へログインをした。
◆◇◆◇◆
『よう、チュートリアル担当AIの黄妖精38号だ!!よろしくな』
前の妖精とは性格違うんだな…。
『さっそくチュートリアルを始める。準備はいいか?』
「あ、あぁ」
『よし、じゃぁさっさとやるぞ。まずはモンスターとの戦闘だ!!』
妖精がそういうと地面が光そして豚が出てきた。
『まずは剣であの豚を倒せ、最初は襲わないように設定してあるから安心しろ。ほれ剣だ』
妖精はそう言い、俺に【見習いの剣】を渡した。
「お、おう」
俺は渡された剣を握り豚を見た、すると緑色のバーが見えた。あれが体力ゲージだろう。その上に【ブギー】と表示されていた。
あの豚の名前なのだろう。俺は剣を振り、豚を切った。
きられた豚は「ブギー」っと鳴き、HPバーが減り半分くらいで止まった。今バーは緑から黄色になっている。このゲームは体力ゲージが減ると緑→黄→赤っと色が変わる。
今の攻撃をあと1~2発すれば倒せるだろう。
俺はもう一度剣を握り切った。こんどは体力ゲージがなくなった、すると豚は光に包まれ風船を割ったように爆散し、光の粒になった。
『よし、次は魔法だ!!同じモンスターが出るから【闇魔法】を使って倒せ、使える魔法はウィンドウを開いてスキルの【闇魔法】をタッチしたら使える魔法とその魔法の効果がのっているから見てみな』
妖精に言われウィンドウを開き【闇魔法】を確認した。使える魔法は【ダークアロー】【ダークカッター】の2つだけだった。
【ダークアロー】
魔法ランク:F
待機時間:なし
効果:なし
【ダークカッター】
魔法ランク:F
待機時間:なし
効果:なし
魔法説明
魔法ランクはF~SSSランクまである。今奈夜刀はランクFの魔法の2つしか覚えていないがゲーム内で魔法を覚えていけば強力な魔法が使えるようになります。
待機時間はその魔法の使用可能時間です。待機時間のある魔法を使うとその時間が経過するまで使うことができません。魔法ランクが高いもの、効果がすごい魔法はこの待機時間が長く、ランクが低いもの、効果がすごくない魔法は待機時間が短いです。
効果はその魔法の効果です。(魔法を当てた相手を【マヒ】や【毒】にするなど)
以上魔法説明でした。
「よしまずは【ダークアロー】から使ってみよう」
俺は右腕を前に出し「【ダークアロー】」っと唱えた。すると腕から黒い矢が出てきてまっすぐ豚の方へ飛んで行った。
矢は豚に命中し、緑のHPは黄色になった。俺は今度は【ダークカッター】を唱え豚を攻撃した。こんどは三日月の形をした黒い刃がまっすぐ飛んでいき豚に当たった。
豚のHPは0になり最初の豚と同じように風船を割ったように爆散して光の粒になった。
『よし、魔法の使い方は大体分かっただろ?次はモンスターが攻撃してくるから頑張って倒してみな』
「わかった」
魔法陣から本日3回目の登場の豚が出てきた。妖精が言ったように今度は攻撃する気満々のようで前足で地面を蹴り突進しようとしている。
俺は腕を前に出し「【ダークアロー】」を唱えた。だが、豚はそれを避け俺に突進してきた。
俺はとっさに剣でガードしダメージはなかったが豚は距離を取りまた突進しようとしている。
今度は「【ダークカッター】」を唱えた。刃は豚に命中し、HPを半分削った。
豚はそれに怒りまっすぐ突進してきた。俺はチャンスだと思い、剣を構え突進してきた豚を切った。豚のHPは0になり爆散した。
『おめでとう、これで戦闘はおわりだ』
妖精はパチパチっと拍手をして終了だと言っている。
(ふぅ~、これでチュートリアル終了か……)
俺はこれで終わりだと思ったら……
『少し休憩したら次は職業チュートリアルを始めるぞ~』
(あ、そういえば職業がまだ残ってた…)
◆◇◆◇◆
『よし、次は【ダンジョンマスター】の職業の説明するぞ~』
俺は妖精から【ダンジョンマスター】の説明を聞いた。
ダンジョンマスター説明
ダンジョンマスターは町や村以外の場所でスキル【迷宮創造】でダンジョンを作り冒険者をダンジョンへ招き撃退する職業です。撃退すれば冒険者の所持金半分、ランダムで所持アイテム3割(装備されているアイテムとアイテムポーチのアイテムは奪えない)がダンジョンマスターのものになります。
冒険者を襲うモンスターはダンジョンマスターがテイムしたモンスターでなければなりません。テイムしたモンスターとダンジョンの地形を組み合わせて冒険者を苦しめよう。
ダンジョンマスターはダンジョンマスターだけが使えるスキルがある。スキルはコンピューターがダンジョンマスターのステータス、種族を見て勝手に決める。例えばダンジョンの宝やモンスターに装備などのアイテムを作る【アイテム作り】っというスキルがある。このスキルは様々なモードがあり【鍛冶モード】【木工モード】などを選択することで様々なアイテムを作ることができる。ただし戦闘と生産の両方が可能なプレイヤーだけがこのスキルを持てるので【魔神】の奈夜刀はともかく戦闘○生産×のステータスを持つダンジョンマスターはこのスキル【アイテム作り】はゲットできない。(生産ができないプレイヤーは自分でアイテムをゲットしたり、買ったり、撃退したプレイヤーの持ち物などをダンジョンの宝にする。)
もう一つダンジョンマスターだけが使えるスキルがある。
それはスキル【素材ワールド】だ、このワールドは薬草を育てる畑や鉱物が取れる鉱山などの素材が取れる世界に行けるスキルだ。このワールドはダンジョンで冒険者を倒せば成長していき希少な素材が取れるようになる。
他にも戦闘系スキルからお遊びスキルまであるがそれらスキルはダンジョンマスターのステータスや種族などの条件がありすべてのスキルをゲットすることはできないがこれらスキルを使うことで冒険者を苦しませることができる。
以上ダンジョンマスター説明でした。
『それじゃ、試しにダンジョンを作ってもらう。スキルはもうお前のスキル一覧に入れたから頑張って作れ』
ウィンドウが勝手に開いた。妖精が言ったとおりスキルに【迷宮創造】【テイム】【アイテム作り】【素材ワールド】があった。
「【迷宮創造】」
俺がそう唱えると別のウィンドウが現れた。どうやらこのウィンドウを使ってダンジョンを造るらしい。
俺はウィンドウを操作してダンジョン造りをした。
迷宮創造説明
このスキルはダンジョンを造るスキルです。まず初めにダンジョンを造り登録します。登録したダンジョンを設置するにはダンジョンマスターは設置する場所に行きその場所でダンジョンを設置しなければなりません。
ダンジョンを設置すると魔法陣が出現し出入りが自由になります。モンスターの設置とアイテムの設置はダンジョンを設置すれば可能になります。ダンジョンの広さは最低1パーティが冒険できる広さがあることが条件です。
以上迷宮創造説明でした。
30分後俺は適当に迷宮を造り登録した。
「造ったぞ」
俺はそういうと妖精は『じゃ、設置して』っと言われたので俺は登録したダンジョンを設置した。
すると魔法陣が現れて妖精は『うん、合格~』っと言ってきた。
『これでチュートリアル終了だ。あとはゲーム内でガンバレ』
「これでチュートリアルは終わりか?」
『あぁ、終わりだ。今からはじまりの町【スタト町】に転移させるからちょっと待て』
「OK、わかった」
しばらく待つと妖精が『準備ができたぞ~』っと言ってきたので俺は立ち上がり妖精の方へ向かった。
「いろいろありがとうな、楽しかったよ」
『別にいいよ、こっちはこれが仕事だからな』
「じゃぁな」
『おう、頑張れよ~』
魔法陣が光、俺は転移した。
読んでいただきありがとうございます。