表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の春  作者: キング
1/5

真っ黒な世界にだって春は来る

大通りを少しそれた路地裏から、肉と肉がぶつかる音と悲鳴と笑い声が漏れてきている。

「勘弁してくれ、もうやめてくれ」

「ハッハッハ、くたばれ、くたばりやがれ」

足音と息を激しく吸ったり吐いたりする音が、遠くからだんだんこちらに近付いて来る。

「おまわりさん、こっちです。はやくっ」

「はいっ」

「ちっ警察かっ、邪魔しやがって」

「あれっ、たしかにいたはずなのに」

「何もないですね」

「すみません、お騒がせさせてしまって、勘違いだっちみたいです。すみません」

「いいんですよ、事件がないにこしたことはないんですから」

警察なんかちょろいもんだ。んっ、この発作は、今日はここまでか。

「あっあああああ、うぅうっ、うわぁーーー」

なんだかまたなんかやってしまったみたいだ。服がえらく汚れてしまった。腕にはなにか鋭いものが刺さった傷があり、そこからはまだ血が滲んでいる。ガラスの破片かな、ビール瓶かも。

腕にまかれた時計をみると、短針は十一をさしていた。母さんに帰ると約束した時間からもう二時間もたっている。母さんがいる日に約束までして家を出たのが間違いだったな。母さんになんて言い訳しよう。

こっそりとドアを押し家にあがった。靴を静かに脱ぎ、足音をたてないように廊下を歩き始めた。いろいろ言い訳を考えた結構、気付かれないようにするという結論にいたった。案の定母さんはもう寝ていた、テーブルに手紙をおいて。

「ご飯は冷蔵庫に入ってるから」

家族とは思えないほどの短さ、家族だからかな。俺は冷蔵庫をあけると、中にはコンビニ弁当が入っていた。驚きはしない、日常だ。弁当を取り出すと、弁当を空けサラダだけ取りだし、レンジにいれた。シャキシャキのキャベツの千切りまで温められてしなしなになられてはたまらない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ