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ツッコミはある日突然に  作者: ついしょ
第二章 ツッコミはある日突然に2
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第15話 嵐の予感

 学校に着き、後輩2人と別れた後、僕達は自分たちの教室へと向かう。

 教室の前まで行ったところで悠が急いで教室へと入っていった。僕はそれを特に気にすることなく教室に入ると、悠が後ろで手を組み僕を見上げるようにして

「おはよう空君!」と、今朝した気がしなくもない朝の挨拶を言ってきた。

 上目遣いが大好きな僕に対しては有効な攻撃と言えよう、僕は片膝をつく。

「お、おはよう悠。いい天気だね、僕の心が!」

 悠は花が咲いたような笑顔を浮かべ

「それはよかった、ちょっと教室でも挨拶がしてみたくってね♪」

 なんとも可愛い彼女さんである。が、妹(?)が黙っていなかった。

「悠ちゃん、抜け駆けですか!? ずるいですよ! お兄ちゃん、もう一度出てください!」

 僕はルーナに背中を押され、教室から出されてしまった。「入ってきていいですよー」というルーナの声に、僕はもう一度教室へ。するとルーナが

「おかえりなさいませ、ご主人さま♪」

と、丁寧なお辞儀をしてきた

――メイドッ!!??

 カチューシャもなければメイド服でもない。こいつはメイドさんをナメている。ふりだけすればいいってわけではないだろう、僕に説教をしろと言っているのか? たしかに格好だけすればいいってものでもない、メイド魂の無いメイドはただのコスプレだ。 くそ、これだから最近の若者は、可愛ければ何でも許すとでも思っているのだろうか、ちくしょう、今から語り出したら途中でホームルームが始まってしまう。あぁ無念、とりあえず一言で済まそう。

「おいルーナ!」

「はい、なんでしょうご主人さま?」

「可愛いから許すっ!!」

「ご主人さま?」の首の傾げ方が最高に可愛らしかった、僕の中の何もかもが吹っ飛びつい、つい叫んでしまった。ああ、僕も未熟だ、未熟ゆえに良い物を良いと言える。それはとてもいいことなはずだ。これでメイド装備完璧だったらとても、とてもグッドだったのに、少し惜しいなぁ。

「その発想は、なかったなぁ……」と悠から聞こえてきた気がした。

「大丈夫だよ悠、クラスメイトも最高だ」

「うん、ありがと!」

「おい空、朝っぱらからいちゃいちゃすんな!」

 と、僕達が席に着いたところで話しかけてきたのが、誰だっけ? こいつは……。

「あ、真野君おはよう!」

 そうそう、真野真野。僕を廊下の窓から突き落とした張本人だ。中学校時代からの親友でもある。

「おう、真野。おはよう」

「今さりげなく上げられたり下げられたりした気がするけど気のせいか?」

「うん? 名前を忘れた後、こいつは親友、なんて言ってないよ?」

「そうか、ならいいんだ。で、だ。朝っぱらからいちゃいちゃすんな! 心が痛くなる!」

 あぁ、分かる。いいなぁって想いが強すぎると、ちくりとくるものがあるよね……。

「べべべべ、別にいちゃいちゃなんてしてないよぉ!」

 と顔を赤らめ否定する悠

「照れる姿も可愛らしいです天野原さん」

 その意見には僕も同意だ、激しくね!

「そーですか、では私がお兄ちゃんといちゃいちゃさせていただきます!」

 と、横から僕の腕に抱きついてくるルーナ。彼女の特に柔らかい部分の形が変わるのがわかる……、良い物をお持ちで!

 真野がぽかんと口を開けている。まずい、この次に何を言われるか……。

 予想1 おい空、お兄ちゃんってどういうことだ?

 予想2 おい空、なんでお前がソネモーントさんといちゃいちゃするんだ?

 予想3 おい空、両手に花ってどんな気分だ?

 予想4 おい空、いつからお前はそんなにモテるようになったんだ?

 では結果発表、ちなみにギャルゲーではないのでこれは選択肢ではありません、どれを選んだとしてもエンディングは悠ENDだけです。ぞっこんだからね!!

 真野は輝かんばかりの笑顔を浮かべ

「なぁ空、死んでくれないか?」

 僕の予想はことごとく外れ、僕の命を脅かすものだった。バッドエンドに「僕の死」を加えておく必要があるかもしれない。

 そこで幸か不幸かチャイムが鳴り、同時に卜部先生が教室に入ってきた。

「お、朝っぱらから楽しそうだな。先生も混ぜてほしいくらいだ。だが東雲を屠るのは後にして、とりあえず今は席に着け」

 みんな先生の言うことはちゃんと聞く良い子なので、おかげで僕の命が数分延ばされた。どうしよう、まだ殺されるわけにはいかないんだけど!

「よし、席に着いたな。じゃあホームルームを始める」

 そう言い、点呼を終え、連絡にはいる。

「もうすぐ体育フェスティバルだが、今年の出し物はどうするか話し合っておけ、そのうち集計するから。ああ、でも3年は受験もあるから自由参加だ」

 体育フェスティバル。

 日本語で言ってしまえば体育祭。だがフェスティバルにはちゃんとした意味がある。

 うちの学校は「体育祭? 祭りなら祭りらしく屋台とかやっちゃおう、ついでに名前もフェスティバルにしちゃおうぜ!」と言う、なかなか楽しい学校で、たこ焼きを食べながら応援したりできる。だが、しっかりしているところはしっかりしている。ゴミの回収を徹底し、それができなかった場合や、マナー違反があった場合は即閉店である。一応今まで閉店になった店はなく、上手くやって来れているので、良い伝統行事となっている。ちなみに何故この時期にやるかと言うと、1年生にとっては新たな友達を作るきっかけに、2、3年生にとっては新しいクラスに慣れるために、というちゃんとした意味がある楽しくて友達もできて一石二鳥だ。

 先生はその他の連絡事項を伝えると「壊すのは東雲だけにしとけよ」と言い残し、笑顔で去っていった。

 僕の命は窓ガラスよりも安いらしい……。

「ねぇねぇ空君、体育フェスティバルって空君が騎馬戦で相手の騎馬を一騎で全滅させたり、短距離走で1位取ったりしたあれ?」

 たしかに去年は文字通り一騎当千の働きをして学食半年分の券をもらったけども……。何故知ってる? とは聞かない、いつから見ていたのだろうか……。

「そうそう、そんなこともあったね」

「ふふ、でも空君。今年はそうはいかないかもね……」

 悠の不敵な笑顔。そう言えば悠は運動全般かなり得意な人だった。今年の体育フェスティバルは荒れそうな予感。

 


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