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どうやら僕は死んだみたいです。

「明日から2日間忙しくなると思うけど今年も皆よろしく頼むよ」

クローズ作業を終えて隼さんが僕達従業員に軽くお辞儀をしながら言う。


「はい!」

僕たち従業員は笑顔で答える。

今年も1年の中で最も忙しい日が訪れようとしていた。


僕の名前は平沢ひらさわ 真斗まさと28歳

自分のお店を持つ事を夢にケーキ屋さんで働いているパティシエだ。


僕の働くケーキ屋『Luminous』のオーナーが

佐久間さくま はやとさんだ。

僕の尊敬するパティシエであり目標である。



明日は12月24日クリスマスイブである。

12月24日と25日は1年の中で最も忙しい2日間だ。


「明日と明後日頑張って乗り切ろう。」

独り言を呟きながら自宅へと帰った。



24日クリスマスイブ当日

いつもと変わらない様子でお店に向かっている途中の出来事だった。


横断歩道が青なのにも関わらずトラックが突っ込んでくるのが見えた。

横断歩道には赤子を抱えた若い女性が見える。このままでは2人は助からない。そう思った時には既に身体が動いていた。


咄嗟に横断歩道へ飛び込めばトラックの進路から外れるように女性の背中を強く押す。

僕は空中を舞いながら鈍い音と共にトラックと衝突した。


目を覚ました時薄暗い部屋に1人寂しく硬いベッドの上に横たわっていた。

辺りを見回してみるとあまり見たことの無い部屋にいた。


身体を起こして目を擦る。


「あ、そうだ早くルミナスに行かなきゃ」

今日は忙しい日だ。遅刻なんてしたら迷惑かけちゃう。

何時か確認をしようと携帯を取り出そうとする。しかしポケットに携帯が見当たらない。


おかしいなと思った時部屋の外から聞き覚えのある複数人の話し声と泣き声が聞こえた。


「あれ?この声…隼さんと父さん…?」


話し声の主は間違いなく隼さんと僕の父さんだった。

気になって部屋の外に出ようと出口に向かって歩を進める。

扉に手をかけようとしたその時触れられずすり抜けてしまった。


何が起こったのか理解できず振り返る。

ベッドには僕が静かに寝ている姿が目に映る。


起きる前に自分の起こした行動と状況を思い出した。

そして僕は死んだのだと理解した。

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