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何か忘れているような2

魔法少女生活7日目


「明後日、王都へ旅立つんだ」

急に幼馴染のロキュがそんなことを言い出した。

「王都」

特殊能力(スキル)の鑑定もそうなんだけど、養成所で訓練を受けてそのまま冒険者として王都で活動しようと思うんだ」

「冒険者」

「強くなりたいんだ、もう、あの時のような思いをするのは・・・二度と御免だ」


妹とのハチャメチャな魔法訓練で、すっっっかり忘れていた。

そうだよ『特殊能力』!とんでもない特殊能力が発覚して騒がれるあのイベントを!

そして『冒険者』!あるんだな!?この世界にも冒険者ギルドが!?

初回登録時に常識外れのステータスを叩き出して一目置かれるイベントが!


「暫くは村に帰ってこれないと思う」


見える!見えるぞ!最強冒険者として周りから、ちやほやされる未来の自分が!


「でも村の皆が危なくなったら必ず駆けつける、絶対に助ける、約束する」


しかし最強の冒険者ってのは何か違う気がする。

そもそもこれまで明確な目標を持たずに過ごしていた。

ゴブリン退治も妹との魔法の特訓も結局は目標に向かうまでの過程に過ぎない。

何者かに召喚されたわけでもなく、何か使命があるわけでもない。

自分が最終的に何者になりたいか、何をしたいのかですら全く決めていないことに気付いた。


「急にごめん、でも決めたんだ」


アニメや漫画なら

『魔王を倒して世界に平和をもたらす救世主になりたい』

『過去に被災した経験があり、災害に苦しむ人を助けられる職に就きたい』

『強い奴と戦いたい、絶対に負けたくない』

そういった心の奥底から渇望するような目的、目標が俺にも何かあるはずだ。

じゃあそれは一体なんだ?


「俺は強くなって今度こそユリィを守れるようになりたいんだ」


「んぁ?」


しまった、全然聞いてなかった。

確か王都で成り上がる的な話だっけ?


「寂しくなるね、たまには帰ってよ」


取りあえずお土産期待してるよくらいのノリで返事をしておいた。


「絶対に強くなって迎えに行くよ、だからそれまで待っててユリィ!」


しっかし目標、ねぇ・・・。

前世でも特に夢らしい夢もなく生きてきた俺が今更、異世界で叶える夢なんて・・・。




女の子とイチャイチャしてぇ・・・!

いや待てよ、異世界ならイケるんじゃねぇか?日本じゃ叶わなかった一夫多妻制、ハーレム行けるんじゃねぇか!?

富!名声!力に女ァ!!!

叶えられるのか!?いや叶えるぞ!!!

やるぞっ!!!


下劣な目標が今決まった。

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