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背後には気を付けよう5

俺は今、分身達が魔法の練習の最中(さなか)、来るべき復讐の時の為に周辺を探し回り見つけた憎きゴブリンの巣穴前に来ていた。


そこにいた2体の見張り役のゴブリンは既に魔法で生成された鋭利な風の刃によって悲鳴を上げる間もなく、スパッと首と胴体が泣き別れになっている。


見張りを(ほふ)り本日の仕事を終えた俺は、巣穴前に魔法で建造された前線基地でビーチチェアに座り脱力しているとゴブリン復讐部隊隊長と化した分身Aが突撃の準備が完了したと報告を受けた。

そう、あれだけテンションぶち上げておいて直接復讐するのは本体ではなく分身なのだ。

実は小心者なので万が一にも死ぬ可能性がある時は分身に任せられるのも、いの一番に分身を習得した理由でもある。

戦闘は他に任せ、自分は優雅にティータイム。最高だね。


「それじゃ復讐楽しんで来て~」


これから巣穴に突入するゴブリン復讐部隊にエールを送り彼らに視線を送る。

分身達は思い思いの武器を魔法で生成し巣穴へ突入していく。

剣、弓矢、ハンマー、メイス、ショーテル、鉛筆、金属バット、釘バット、チェーン、タイヤ、火炎放射器、豆腐など

ん?なんか豆腐の角で死ぬか実験しようとしてるやつがいるな。


巣穴では遠足に来た園児達のように分身達が盛り上がっている。

その興奮具合は巣穴の外まで聞こえてくる。

やっぱズルくねぇ?いやズルくねぇ!?俺も楽しみたい!!


「というわけで本日ご紹介する機能はこちら、感覚共有!これで分身達の視界や聴覚を共有し溜飲(りゅういん)を下げます!」


動画再生のような秘められしスペシャル機能を使い感覚を共有する。


「一体中の様子はどうなっているんでしょうか?」


「イィィィィィィヤッ!!!」

奇声を上げながら剣を振り回す者

「叩きのめす!」

ハンマーでミンチを生成する者

「死ねェェェェ!!!」

身体強化を上乗せした殺人ベアハッグで()め殺す者

「みんな落ち着け!こんなに大騒ぎしたら中にいるゴブリンに、よくある人質を取られるぞ!」

中には冷静な者も

「いやいるわけねぇか!この巣穴から一番近いのは実家だからなぁ!!!オラッ!死ね!!!」

冷静な彼は実に見事な推理を発揮し真実を見抜いてゴブリンを殺しに戻っていった。


「うーむ、この調子なら問題なく蹂躙出来そうだ」


取りあえず一安心し、ゆったりとグラスに注いだオレンジジュースをストローを使い飲む。

後はどうせカスみたいな内容のお宝チェックやボス戦など、まだまだ見所が沢山ある。

「ギャハハ!貴様らの命でじっっっくり楽しませてもらうぜ!この見世物をよぉ!!!」

「うわ、お姉ちゃんが沢山いる!!」


背後から女の声がした。


妹の声が


「やっぱ豆腐の角じゃ無理みたい」

「当たり前だよ」

馬鹿な会話も見えた。

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