〇〇が欲しいか?2
多大な学費に温泉とプールの建造と急に多大なお金が必要になってしまった。
普通に働いても稼げる額ではないがここは異世界。こういう時は冒険者として巨万の富を築くものと相場が決まっている。
俺は大金を稼げるクエストはないものかと再び冒険者ギルドに戻って来た。
時刻は昼間、ギルドはそれなりに賑わっていて活気がある。
目指すはカウンター、そこで受付の職員に大金を稼げるクエストを・・・いや違うな。
『今受けられるクエストで最高難易度のものを』これで行こう、それなら守銭奴っぽくないし、完璧少女のキャラを崩さずに行けそうだ。
「フュリアさん!」
カウンターを目指し歩いていると男性職員に呼び止められる。
分かるぞ!これはイベントだ!絶対イベントだろ!?
金策の事しか考えられなかった憂鬱な脳みそは突然発生したイベントで浮かれていた。
「はい」
だが俺は冷静さを欠かない。フュリアというキャラを崩さない完璧な受け答えでこのイベントを進めさせていただくッ!
「ギルドマスターがお呼びです、一緒に応接室までお越しください」
ふーん、もうわかっちゃいましたよ、この悠太郎くんは。
「わかりました」
言われるがまま男性職員にお淑やかに付いて行く。
さあ来るんだろ?あのイベントが!早く、早く、早く!
応接室に着き、中に入ると恰幅のいい筋肉質な体格の男性が1人椅子に座って待っていた。
彼がこの冒険者ギルドのギルドマスター『ミストルク』黒髪短髪の身長182cm、年齢22歳。
ギルド『黒雷』を設立し若くして最高ランクであるSランクに到達した実力者。
普段はギルドマスターとして職務に当たっているが有事の際にはSランク冒険者として事に当たることもある。と道すがら男性職員が言っていた。
彼は俺を一瞥すると近くのソファに座るように促してきた。
じゃあお言葉に甘えて、よっこいしょ。
「単刀直入に言おう、これから冒険者ランクの昇級試験を受けてもらいたい」
やっぱりね、そうだと思いましたよ、この悠太郎くんは。
「わかりました」
「時間は・・・そうだな、今から1時間後はどうだ?」
「問題ありません」
「では1時間後にギルドで」
「承知しました」
しめやかに応接室を後にする。
今から1時間後か~、こういう時お嬢様キャラって何するんだ?
ウィンドウショッピング・・・には時間が足りないか。う~ん何しよっかな~。
フュリアが部屋から出たのを確認し、ミストルクは呟く。
「どうだ、あのフュリアとかいう少女は?」
先程まで誰も居なかった応接室に2人の男女が姿を現した。
1人はSランク女性冒険者ヴェルウェル。19歳。
もう1人の男性も同じくSランク冒険者、名は『クギア』
身長は179cm、ミストルクと同い年の22歳で細身でミストルク程ではないが筋肉質な体格。
髪はクリーム色、そして肩くらいまである後ろ髪は束ねられている。
彼らは『黒雷』のギルドメンバーで友人同士でもある。
ミストルクの問いにクギアが答えた。
「どうって言われてもなぁ、物静かな子?」
「お前なぁ・・・」
ミストルクはため息交じりに言った。
「じゃあミストルクは分かるのかよ!?戦ってる所を見てもいない状態で!!」
「・・・」
「すまし顔でいつも乗り切れると思うなよ!?」
「分からないから聞いてんだろうが!」
ミストルクとクギアのいつもの喧嘩が始まった。
そしてこの喧嘩を止めるのは毎回ヴェルウェルの役目。
小さな氷を彼らの服の中に入れる。
「「うぅ!?」」
2人して同じリアクションで飛び上がる。
「で誰があの子の試験をするの?」
「クギア」
ミストルクは即答する。
「お前なら実力未知数な新人の相手でもまあ何とかなるだろ」
「はいはい」
「魔力操作は私より上かもしれないから」
「聞いてないぞ!?」
「今言ったから」
「こ、こいつ等・・・」
こいつ等いつも面倒事を俺に押し付けてないか?と思いつつも渋々了承するクギアであった。




