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第五十二話 今までの事、これからの事2

「アンジェ様、いくら何でも、言い過ぎです。」


 珍しく、エリアが、私に意見をしてきた。

 まあ、確かに言い過ぎた分もあるけど。

 でも、駒や数字として割り切れないと、数千や数万の戦いなんて、心が壊れる。


「エリア、貴女の言うことも分かるわ。

 でもね、非情にならないと作戦なんて立案も出来ないわ。

 無用な殺戮なんて望まないけど、情けをかけて味方に犠牲を出すのは、本位じゃないでしょう。」


「アンジェ様が正しかろう。

 ワイズ、俺はお前の作戦が間違いだったとは思わんよ。」


「そうね、今度は勝てばいいんじゃないかしら。

 その時は、損害を抑えれるようにもっと考えればいいのよ。

 ワイズ、ここを守るためよ。

 私を始め、お父様やマクミラン達をもっと使いなさい。」

 これだけ、活を入れたら大丈夫じゃないかしら。


「分かったよ。

 どこまで、力になれるか分からないが。」


『バァン』ワイズは、背中を叩かれダメージを受けた。

「まだ、弱気なこと言ってんな。

 早く、切り替えろよ。」


「ははは」


「まったく、友情を育むことは、また今度にしてくれる。

 それで、街はどうなの?」


 今度こそ、私は聞きたいことを確認することが出来た。

 街も殆ど元に戻ったこと、捕虜の大半がいなくなったこと。

 セトとエルが、会いたがっている事。

 等など、見た目の傷は癒されていようだった。

 私は、本当に眠っていたと感じたのは、まだ昨日の事が皆の中では時間が過ぎた様に思えた。


「時間が過ぎるのは、残酷だわ・・」



 アンジェの思いと裏腹に、時間が過ぎ蟠りだけが多いくなる。


 何故、どうして・・

 私の中は、納得のいく答えは見つからない。

 皆は、なんとも思わないの。

 私は、アニーを亡くして失った事が許せない。

 なのに、誰も私を責めない・・

 私は、自分が許せないのに。


 皆は、静かに沈黙に包まれていた。

 それは、同情と私の気持ちと同じものがあると感じられた。


「で、これからの対応はどうなっているの?」


「今は、再編成の準備中でして・・

 しかし、侯爵と王国側からも支援を受ける予定です。」


「守勢になるのね。

 でも、いつまで耐えられるか。

 せめて、帝国の要塞までは押さえたい所だわ。」


「まだ、そこまでの力はな。」


「そんなこと言って、帝国の7将が2つ3つ来たらどうするの。」

 帝国の7将たちは、それぞれ10万からなる軍団を率いている。

 以前と前回は、何とか退けたものの、いつまでも、このままにしておく訳がない。

(もうそこまでにしておくんだ・

 ノブ・・。私は、許せない今すぐにでも・・。

 分かっている。その気持ちは大事だし、ここにいる皆もきっと同じ気持ちなんだ。

 なら

 いま、帝国に刺激を与えて、大攻勢でも来たらそれこそ持たないだろ。ここは、力を蓄える時だと思うよ。

 納得しがたいわ。)


「アンジェ様、今はまずお体を・・

 お目覚めになられたばかりなのですから。」


「分かった。今日は、疲れたからこれで失礼するわね。

 少し、頭も冷やさないと。」




 それからは、また療養という鎖に繋がれ、悶々とした日々を送ることになった。

 アニーの葬儀は、ここで行われ多くの領民たちに見送られた。

 私は、アニーの髪の毛を少し切りペンダントにしまう。


「アンジェ嬢、良かった。

 其方が、無事で娘も安心している事だろう。」


「いえ、アニーは、私に返しきれない程につくしてくれたの。

 男爵にも・・・」


「おやめなさい。

 それより、娘の事を褒めてやって下され。

 それから、忘れないでいて欲しい。」


「それは、当たり前の事です。

 私は、いつだってこの恩を忘れたことはありませんわ。

 これからも、ずっと。」

 もう、私から涙が出る事はなかった。

 しっかり、泣いて、悲しんで、そして悔やんだ。

 これからは、前に進む時だ。


「アンジェー。

 やっと会えた。大丈夫なの。」


「なんだ、セトにエルも来ていたの?」


「当り前じゃないか。

 姉ちゃんには、色々とお世話になったし、助けてもらったからな」


「そう。皆も、無事で良かったわ。

 今度、時間を作って、会いに行くわね。」


「えへへ。まあ、急がなくてもいいよ。」

『パシッ』

 エルは、セトの頭を叩きダメージを与えた。

「何が、えへへよ。

 アンジェ、楽しみにしててね。」


「何が?」


「いいから、きっと驚くわ。」


「わかった。エル、楽しみにしてるわね。」



 翌日、朝の食事が終わると、私は、気晴らしに庭で散歩をすることにした。

 何が、出来るのかしら。

(まだ、考えているのか?

 当り前よ。ずっと、これだけしか考えられないの。

 前も言ったが、その気持ちは大事だが、それが復讐なら思いとどまることも必要だよ。

 何で、ノブまで。アニーは戦士でも兵士でもなかったのよ。領民に手をかけることが許されるの。

 それが、帝国の作戦なら。でも、俺たちが、同じことをする必要はないだろ。変なことを言うが、ちゃんと戦争をしよう。帝国は、ある意味失敗をしたんだ。ここを、占領しても領民を始め憎しみは消えないだろう。それは、いつ爆発するか分からない物を抱える事になる。だが、私たちは、まだそれをしていない。なら、あえてそんな物騒なものを抱えるより、友好的に、取ればいい。

 そんなことできるの、帝国の兵士の家族にも一般の平民たちもいるはずよ。

 それは、兵士なのだからね、でも家族には手を差し伸べる事が出来るだろ。

 分かるような、分からないような。

 まだ、仕方ないかな。でも、多くの平民たちは分かってくれるように手を打つことが出来るはずだよ。)



 私が、妄想 出はなく考え事をしているとミリーとモーラがやって来た。

 ちなみに、エリアとイリスは、軍の仕事で忙しいから、朝の鍛錬以外はあまり会えていない。


「アンジェ様。

 少し宜しいでしょうか。」


「ええ、かまわないわ。

 どうしたの、畏まって。」」


「アンジェ。」


「ええ、エルなの。何で、その格好はどうしたの。」

 ミリー達の後ろから、ひょこっと現れたエルにビックリした私は、思わず声を上げ驚いた。


「私、今日からアンジェの侍女になるのよ。

 ねえ、ビックリした。」

 ミリーは、得意げに、そして、驚かせたことが成功して、笑顔で私を見る。


「当り前じゃない。

 私は、聞いていないわよ。」


「エル、アンジェ様ですよ。

 もう、お友達気分はお止めなさい。」

 ミリーに、小言を言われているが、余り効果は無いようだ。


「かまわないわ。

 それより、どうしてなの。」


「アンジェの力になりたくて、私は アンジェとアニー姉さんに助けてもらったから。

 どうしてもって、お願いしてたの。」


「よく、お父様もお母様も許してくれたわね。」

 基本的に、身内の人が家に来るので、平民の子が侍女になることは難しい。

 まあ、私にとっては、この人選はありがたい。


「エド様もステフ様も。、アンジェ様が見知っている方をと希望されていましたから。」


 そうか、ロッテ以来のことだろう。

 あの時は、お母様が随分と無理を言ったとか。


「わかったわ。

 ありがとうミリー。

 よろしくね、エル。」


「アンジェ、まかせて、私が守ってあげるわ。」

 エルの、この一言に私はショックを感じた。


「駄目よっ。

 エルは、戦いに来たの?

 違うでしょ。なら、自分の事を粗末にしては駄目なの。

 いい、約束してちょうだい。」


 俯き、残念な様子で立ち尽くす

「分かった。

 出来る事で、アンジェの為に働くわ。」


「うん。それでいいのよ。」


「エル、そろそろ言葉使いから直していきましょうか。」

 モーラも、我慢していた様だ。

 ここは、侍女のルールに従って貰おう。


「アンジェさ ま、セトもね、訓練させてもらってるのよ。」

 ぎこちない。

 それにしても、セトまでなの。




 また、暫くすると、お父様とお母様から大伯父の所に行くように言われた。

 なにやら、お婆様に会ってきなさいとの事だが、それだけだろうか?



ありがとうございます。


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