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第五十一話 今までの事、これからの事1

 金色の瞳が、陽を背に揺れる。

「それで、二人とも、教えてもらえるかしら。」


「はひっ」


 いけない いけない

 私としたことが、圧をかけてしまったわ。


「いままで、迷惑を掛けたわね。

 でも私にとっては、まだ昨日の出来事なの

 何があって、どうしていたのか。」


 ミリーは、緊張しながら

「わかりました。

 そう あの夜からの事です。


 お眠りになられて、朝が来ても目が覚めようとしない事に、ステフ様もご心配になり・・」

 帰って来たのが、朝だったとは言えない。

『びくっ』


「そこは、いいの

 お医者様にも、見て貰ったのでしょ

 一年近くも経って、余り実感も無いのよ

 体も、元気に動くし」


 色々な追及がないと分かったのか、調子を取り戻したモーラが話し始める。

「それは、私たちがお食事を始めお体のケアをさせて頂いていましたから。」


「ふむふむ。

 で、何を。

 んんっ。

 食事?」


「ええ、それは良く食べてもらえましたよ。」


 すかさず、ミリーに視線を送る。


「そ そのとおり で し た わ。」


「最初は、悩んで病人食を少しずつ、食べてもらっていたのですが。

 嚥下もできて、たまたま、パンがあったので千切ったら口が開いたので、スープに付けて見たら租借も出来たのです。

 アンジェ様は、凄いですね。」


「モーラ。

 何か、変に思いませんこと。」


「へっ

 嗚呼、最近は、お食事を持ってくると、喜んでいる様に見えたことでしょうか。」


「えっ

 よ よろ こ・・

 私って、意識ないのにパンが食べれてたの?

 ど どれだけ、食いしん坊なの。」

 思わず、頭を抱えてしまった。


「いえいえ、最近は、魚もお肉も食べていました。」


『くっ』

 モーラを、睨み付けたが、効果は無かった。


「お体は、綺麗に拭き上げてオムツも変えていましたから。

 かぶれも無い様に、 私も頑張りました。」


『ぐふっ』

「おおおおお おむ おむおむ つ

 いや、意識も無いから仕方なかったのかな。

 いやしかし、私の尊厳がっ!」

 床に手を付き、私は、羞恥心で耐えられない。


「日に、2回はストレッチやマッサージもしてましたから・・」


「まって

 モーラ、もういいわ」


 これ以上の、醜態は耳に入れる事は出来そうにないわ。


「意識ない私は、食い意地だけはあって

 この歳で、お おっむつして、あられもない姿をさらしていたの」


「まあ、そんなところですね。」

 笑顔で、答えるモーラに悪気は無い事は分かっているが


「ミリーーーィ」

 私は、ミリーに飛びつくと顔を合わせづらいと訴えてみた。


 優しく、頭を撫でる。

「アンジェ様は、頑張られましたね。

 皆も、同じ気持ちですよ。

 ご自身に起きたことに向き合うこと。

 それから、街の人々のこと。

 アニーも、誇らしかったでしょう。


 アニーの体は、魔法で温度を下げてあります。

 ですが、アンジェ様がお目覚めになられたことで、近く葬儀が行われることでしょう。」


「そうなのね。

 わかった。ありがとう。

 少し、休憩にしましょう。

 マクミランとハンス、ワイズに面会の連絡を入れてもらえるかしら。

 エリアとイリスにも、伝えておいて。

 休憩の間に、気持ちの整理をしておくわ。」



 部屋に戻る間にも、違和感が残る。

「やっぱり、皆も少し大きくなったの?

 いや違うわね。

 もしかして、バレてるのかっ。

 そうに、違いないわ。」

 気が付くと、私は、一人でブツブツと呟いていた。

(もういいんじゃない。

 あっ、ももももしかして、ノーブーじゃないでしょうね。

 何が、同じだよ、動けなかったし。

 ふん。愚かね。動けなかった?何故、それを知っている!

 ぐっ。ホント、動けなかったんだよ。く ち 以外。

 やっぱり、こんな仕打ちをさせて、何様よ!

 毎日、粥にスープって、勘弁してくれよ。寝てるアンジェには、分からない辛さだったんだ。

 でも、肉は無いだろ肉は!気持ち悪いだろう。)


 これで、いろんな視線を向けられた理由は分かったわ。



 ミリーが来ると、お昼からワイズ参謀の部屋に行くことが決まった。


「アンジェ様、お目覚めになったと聞き、胸のつかえが取れる様でした。」


「いきなりね。

 そんなに畏まらないでよ。」


「お待たせいたしましたかな。」


「マクミランにハンスも、お久しぶりね。」


「アンジェ様、ご無事にお目覚めに・・」


「もういいから、それは。

 それより、始める前に・・」


「どうされたのですか。」


「マクミラン団長、アニーの事はごめんなさい。

 守ることも出来ずに、危険にさらして、わたしは・・」


「アンジェ様」

 マクミランは、首を横に振る。


「もう、過ぎたことです。」


「でも、貴方に伝えないと。」


「それも、大丈夫です。

 彼女が、私に何か言い残したことを託されたとして、何となく分かるのです。

 それに、アンジェ様が眠られていた間に、十分に会うことも出来ましたから、こちらが感謝しています。」


 これ以上は、無用なようね。

 マクミランは、自分の中で区切りをつけたんだろう。


「それでは、あの時、あれからの事を教えてください。

 戦場は?街の襲撃者は?それから、今はどうなっているのかしら?」


「戦は、我々の勝利で終わりました。

 被害が、大きく。

 4万の兵が、2万8千程に帝国も、1万5千ほど討ち取りました。」


「やっぱり。

 でも、良く勝てたわ。

 送り出すときに、帰ってこないかもって覚悟しちゃったもの。」


「そうでしたか。

 戦場の雰囲気が感じられるとは。」


「街の方ですが、おそらく30人ほどで、火災と殺害を実行していたと思われます。

 犯人は、10名は討ち取りましたが、残りは逃してしまいました。」


「そんな物よね。

 で、素性は予想はついているんでしょう。」


「それが、証拠も無く。」


「そこで、終わってるの?」


『コンコン』

「遅くなりました。

 入ります。

 エリア、イリス、お呼びにより・・」


「あ アンジェさま~。」


 聞いてなかったのかぁ、エリアとイリスが泣き出したよ。

 二人も、無事で何よりだわ。


「二人とも、元気そうで良かったわ。」


「はい。

 お陰様で、無事に過ごさせていただいてます。」


「お おう。

 そ それは、よかったわ。

 何故?かたっ苦しいなぁ もう。」


「い いえ。」


「ワイズ、あの時のバルムは、この領地か伯爵の所からしか人員は来ない様にしていたのよ。

 国王の所からも、規制していたのよ。

 予想はつくでしょう。」


「そうですね。

 恐らくは、バズール公爵の手の者かと。」


「それは、本当なのか?」


「ええ。

 証拠も無いので、公式に残すことは出来ませんが、高い確率です。

 それと、帝国の攻勢も、ですね。」


「分かっているじゃないの。

 本当は、王都でクーデターでも起こして、ダメでも、鎮圧の功労者でも狙っていたでしょう。

 捕虜を、ここに移したことで狙いを変えたってところかしらね。」


 ワイズは、目を丸くしている様だけど、何があったの?

 全く、大事な話をしているのに、困ったもんだ。


「アンジェ様、何処でお知りになったのですか?」


「何を言ってるの、こんなの考えるまでも無いじゃない。

 あの時、男爵の所に来たのは誰。

 玉座を取ろうとして、一番の障害は誰なのか。」


「そこまで、見えていらっしゃるなんて。

 でわでわ、どっちが先に取引してきたとか、帝国の狙いなんてわかっていらっしゃるとか?」


 駄目だ。

 一年経つのに、何言ってんだか?

「ワイズ、ホントにわかっていないのかしら。

 一年よ、今まで、何してたの。」


「いえ、それなりに仮説を立てていますが。」


「自信が無いの?

 貴方が、そんなんでどうするのよ。

 情報も、作戦も無ければ、何も決定できないでしょう。

 もっと、しっかりしなさい。」


「それで私は、・・・多くの兵士を亡くしました。」


「あたりまえじゃない。

 でも、それを採用し実行したのは誰なの。

 貴方が、全部の責任を背負う必要はないわ。

 こんなに言われて、下しか向けないなら、参謀は辞めなさい。

 立ち向かおうとしないのなら、何を言っても聞いても同じことよ。

 あー、もう話を聞きに来たのに、先に進まないじゃない。

 ワイズ、帝国はきっと来るわよ。」

 ぐしゃぐしゃに頭を抱え、私の心は沈んでいく。

 必要な情報だけを、聞いて抜け出そうかな。



 王国歴188年3月21日

 アンジェの目覚めは、前途多難な様相をしていた。


いつも、ありがとうございます(*‘∀‘)

また、来週も宜しくお願いします。

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